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『「心」が分るとモノが売れる』

【2019年以降注目のマーケティング関連書籍】その12

『「心」が分るとモノが売れる』

 著者:鹿毛康司
 出版社:日経BP
 第1刷:2021年5月24日

『「心」が分るとモノが売れる』_20210610

1. 本書を読んだ背景

この本の出版社は日経BPさんなので、私が閲覧しているSNSやメルマガで、しつこく、いや、頻繁に広告が目についたわけです。
帯の「糸井重里氏推薦」に釣られた、とは思いたくはないですが実際、釣られたという言い方もできると思います。
 
2. どんな人に向いているのか?

そんなに限られた皆さんというわけではなく、広くマーケティング業務に携われたり研究されている皆さんでしょうか。

「どんな人に向いていないか?」のほうが簡単でしょう。
第7章の冒頭(158ページ)で書かれている、20代の広告会社(電博さんか博報堂さんかな?)の女性マーケター。
広告予算が競合他社より一桁ぐらい低いエステーさん社員時代の著者に放った捨て台詞。

「エステーさん、もっとブランドのことを勉強してください。」

おそらく、著者によって「出入り禁止」にされたと推察いたしますが、いくら営業とはいえ、こういう捨て台詞を吐くような方は、読むだけ損です。

3. 本書のポイント

3-1. 私が感じた最も真っ当な著者のご持論。それは、自分自身のインサイトを導き出せずに、他者のインサイトなんか導き出せないという、至極まっとうなことです。

3-2. 上記3-1.と同じ意味ですが、一流のマーケターになる前に一流の消費者になる、ということも当たり前ですよね。

3-3. 本書でまとめられたインサイト導出のための具体的な方法論はシンプルであり有用と考えます。
ステップ3. 固く封印している「心のフタ」を開ける、が最も難しいと思います。

ステップ1. 自分の行動を観察する
ステップ2. 感情や意識に潜む心を見つける
ステップ3. 固く封印している「心のフタ」を開ける
  
4. 感想
 
著者はマーケターでもあり、クリエータでもあります。
クリエーターとマーケターとの「よき関係」については、こちらの記事で紹介した書籍がありますが、やはり本書でも同じようなことが書かれていました。
https://note.com/shuji_0212/n/n20e6134d056a

エステーさんという多分、「ちょうどいい規模」の企業でマーケティングからクリエイティブまで手広い業務を遂行されたことが、著者のオリジナリティ溢れる「強み」なんでしょうね。
「SNSマーケティング」での著者ご経験は、多くのマーケターの皆さんに知ってほしいと感じました。

そして、巻末の糸井重里氏との対談。
糸井さん凄すぎ!
私も大いに心掛けます!!!

鹿毛「糸井さんはマーケティング調査はされないのでしょうか」

糸井「自分の心の中に大衆がいますからね」

以上です。

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水琴窟


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