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【最新決算短信発表】財務諸表から読み解く企業分析 イオン

自己紹介

この記事に興味を持って頂き、ありがとうございます。
大学で経済や会計を学び、更に学びを深めるため、日々企業の財務諸表や経済指標に目を通しています。
その情報を自身のためだけでなく、読者の方々の金融リテラシーの向上に貢献できればと思い、記事を投稿しております。

記事の内容

4月12日に発表されたイオンの決算短信から、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書の3表をざっくりと簡単に読み解いていきます。

本編

貸借対照表

2022年2月期と2023年2月期の貸借対照表の内、資産と負債・純資産を比較すると以下のようになります。

2023年2月期に関し、ざっくりと図にすると、以下のような感じになります。

ちなみに資産と負債・純資産の関係性は以下のようになります。

上記の図から、企業の活動をざっくり言うと、
①お金を集める(資金の調達)

②資金を投資する(資金の運用)≒営業活動

③利益を上げる

以上の3点に集約されます。

また負債のことを他人資本純資産のことを自己資本とも言います。
まとめると、以下の図になります。

それではさらに資産、負債、純資産を分解していきます。

用語が不安な方は、下記をご参照下さい。

ここでも分解した貸借対照表を図にしてみます。
ビジュアルにすると、全体像がつかみやすくなります。

図にすると、イメージしやすくなったと思いますが、いかがでしょうか。
こう眺めてみますと、負債が大きいと思いませんか?

負債は、利子を含め元本をいずれ返済しなくてはいけません。
イオンは、自己資本よりもはるかに多くの負債を抱えています。

今は景気が上向こうとしている状況ですので、まだ積極的な資金調達は問題ないと思いますが、景気が落ち着いた時のことを考えると、少し財務状況が気になります。

損益計算書

それでは、続いて損益計算書を見ていきます。
損益計算書は、1年間の経営成績を表します。
2022年2月期と2023年2月期の結果をご覧ください。

営業収益9兆円を達成しました。
そして当期純利益は、前期比145.5%増の845億71百万円となりました。

コロナの影響で赤字に転落した時期もありましたが、見事に復活です。

必要な方は、下記の損益計算書の用語の説明もご参照ください。

最後に、損益計算書と貸借対照表の関係性を図にしましたので、必要な方はご参照下さい。

キャッシュフロー計算書

最後に最も大切な現金について、キャッシュフロー計算書で確認をしていきます。
黒字倒産という言葉を耳にしますが、売上が上がってもその入金は数か月後になります。
その間に利子の返済などもありますので、現金が手元にないと計算上利益があっても倒産の恐れがあります。
それほど、現金は大切になります。
その現金の状況を確認できるのが、キャッシュフロー計算書となります。

それでは、2022年2月期と2023年2月期のキャッシュフロー計算書を44みましょう。

最終的に現金及び現金同等物は、前期よりも1200億円超増加し、1兆2144億62百万円となりました。

必要な方は、キャッシュフロー計算書の用語の説明もご参照ください。

最後にキャッシュフロー計算書と貸借対照表の関係を図にしましたので、必要な方はご参照ください。

まとめ

・営業収益9兆円を達成し、当期純利益や現金及び現金同等物も確実に積み増す
・純資産に比べ負債がかなり大きく、負債と純資産のバランスの悪さが懸念材料
・経済状況は上向きつつあり、この波に乗れれば2024年2月期も増収増益が期待できそう

最後に決算短信は監査を受けていないため、2023年5月29日リリース予定の有価証券報告書が正式な情報となります。
もし修正があれば、また情報を更新致します。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
少しでも読者の方々の金融リテラシーの向上に貢献出来たのであれば、幸いです。

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