【FRB】米政策金利0.25%利下げ~FOMCの役割とは?~
日本時間の11月8日4時に、アメリカの政策金利は0.25%の利下げが発表されました。
これについては、マーケットはすでに織り込み済みで、予定通りの利下げとなりました。
◆FOMCとは?
この利下げを決めたのが、FRBを中心とする「FOMC」です。
FOMCとは、「連邦公開市場委員会」と呼ばれ、「Federal Open Market Committee」を略したものになります。
FOMCでは、FRB理事と地区連銀総裁12名が参加する会議が開かれ、政策金利を決めるほかに、四半期ごとに経済・金利見通しの作成を行います。
FOMCの議長は、アメリカの中央銀行にあたるFRB(Federal Reserve Board)=「連邦準備理事会」のFRB議長が務めます。
(FRBは定員7名の理事で構成され、理事の中から、議長1名、副議長2名を選出します。現在FRB議長はジェローム・パウエル氏)
地区連銀総裁の12名ですが、中央銀行の実務を担う12の「地区連邦準備銀行」の総裁を指します。
その12の地区連邦準備銀行の構成は、
①ボストン
②ニューヨーク
③フィラデルフィア
④クリーブラント
⑤リッチモンド
⑥アトランタ
⑦シカゴ
⑧セントルイス
⑨ミネアポリス
⑩カンザスシティー
⑪ダラス
⑫サンフランシスコ
先ほど触れたFOMCの副議長は、この中のニューヨーク地区連銀総裁が務めます。
◆FRBの任務とは?
①物価の安定
②最大雇用
以上の2つを実現することです。
ちなみに日本やEUは、「物価の安定」のみを目標としています。
現在、アメリカは、②の「最大雇用」は安定をしていて、失業率は4%台と低い水準で推移しています。
そのため、今FRBが特に注目しているのが、①「物価の安定」です。
今回、FRBは目標のインフレ2%に近づきつつあるとして、0.25%の利下げを行いました。
これでアメリカの政策金利は、4.5~4.75%となりました。
これを「フェデラルファンドレート(FFレート)」と呼びます。
◆今後のFOMCの動向は?
パウエル議長は、会見で12月の政策金利に関しては、「データ次第」としています。
「中立金利」と呼ばれる「景気を熱しも冷ましもしない程度の金利」を目指し、徐々に利下げを行っていく模様です。
◆まとめ(為替の動向)
今回、アメリカの政策金利が0.25%利下げされたことで、日米の金利差が縮まり、トランプ氏が大統領選挙勝利によって進んだ円安ドル高(154円台)から現在、152円台をつけ、円高ドル安方向に進んでいます。
今後、12月に行われる日本の「金融政策決定会合」による利上げと、アメリカの「FOMC」による利下げが同時に起これば、日米金利差がさらに縮まり、現在よりもさらに円高ドル安方向に進む可能性をはらんでいます。
これは、家計からすれば輸入品が安くなり家計負担軽減、輸入企業はコストが下がります。
逆に海外へ進出しているグローバル企業は、円高によって為替差益が縮小されるために、業績に影響が出るのは必至です。
12月も日本、アメリカの政策金利の動向から目が離せない様相です。