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幸せに生きる方法96最終回

あとがき
 「幸せに生きる方法」は、私にとって最大のテーマです。
 「『幸福』は、『自由』『平等』の上位に位置する最大の価値である」
 憲法学で学んだことは正しいと思っていますし、それを尺度に「幸福」というものを考えてきました。
 ただ実体験からすると、どうしたら幸福感を味わえるのか自分の中で整理できないで過ごしてきました。
 「幸福」は、「よくわからないもの」だと思うのです。
 それゆえ、「幸せに生きる方法」もよくわからない状態でした。
 それでも人生の歩みの中での体験や数々の知見の収集から、ある程度、「幸せに生きる方法」の道筋が見えてきたように思うのです。
 私は、今まで3冊の著作を世に送り出してきましたが、その3冊はいずれも自らの体験を著述したもので、創作に頭を悩ますことは少なかったように思います。
 「幸せに生きる方法」は、著作として整理したいと思いながらも、その作業の困難さを想像し、いつも怖気づいていました。
 いよいよ思いを決し、取り組み始めたのは2022年暮れのこと。
 書くことは好きなはずなのに、どう書いたらよいのか全く思い浮かばず、立ち止まることが何度もありました。
 なんとか頭からひねり出すこともしばしば。
 そもそもこのテーマに対して、圧倒的に知識量が不足していたのです。
 このテーマに挑むことは、「できない自分」に常に向き合うことでした。
 私は、何か一つのことを極める気質ではないのですが、大学で憲法学を学んでいるときに、学問領域にこだわらず真理を探究する精神態度が身につき、それが今回の著作を生み出す糧にはなったと感じます。
 「幸せに生きる方法」を完全に解明するなどできるはずもありません。全く自分の力量では困難ですし、これから知見の集積があれば、徐々に見解も変わっていくものだとも思います。
 それでも本書で、その道筋だけでも示すことができたのであれば幸いです。
 
 「幸せに生きる方法」について、多々述べてきましたが、まとめると次のようになるのではないでしょうか。
 「共同体社会の中で、つながりを大切に、誰もが助け合って生きる」
 「総中流」といわれた頃の日本の社会では、案外、実現できていたのではないかと想像します。
 気になるのは、地球温暖化の影響です。
 このまま、二酸化炭素の排出を削減できなければ、「幸せに生きる」前提を失ってしまいます。
 2023年の夏の暑さは、生活に支障をきたすほど危険な暑さでしたが、今後ますます、ひどくなっていくことが予想されます。
 人々の意識の変化とともに、大きな政策転換が必要なのではないでしょうか。
 
 誰もが幸せに生きることができる社会の実現を望みます。
 
2023年8月15日(78回目の終戦記念日)
仲佐 修一

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