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実現とは現実をひっくり返すこと

*この記事は、AJグループ各社(アーキ・ジャパン、アクト・ジャパン、AJホールディングス)社員に向けた社長メッセージです。noteで #オープン社内報 として公開することで、社外の方にも当社の文化社風、大切にしている価値観、経営者の考え方などが少しでも伝われば幸いです。

私は理想家です。理想を色々と話していると、「それは単なる理想論だ」とか「理想はそうだけど現実は」などと言う人がいます。でも、その人たちに逆にお聞きしたい。「現実に追い回されるだけの毎日で楽しいですか?」

理想があるから楽しみながらカベを乗り越えられる

私が理想家である理由はただひとつ、理想を語ることが楽しいからです。それは現実逃避をしているわけではありません。理想を語りながら、理想と現実のギャップをどのようにうめてやろうか、どうやって理想を実現させようか、それを考えることが楽しいのです。

目の前にある現実対応に終始追われてばかりでは楽しくないですよね?それは、自分に主体性がない状態に陥っているからだと思います。現実に追われるということは、自分以外の”何か”に主導権を握られているということ。その状態で、日々現実に発生する事象に対応することは単なる苦行に近いものがあります。楽しく仕事をするには自分が主導権を握って主体性をもっていなければなりません。理想を実現させるのは自分自身です。自分が主体性をもって、理想を目指そうとするから、カベや困難にぶち当たっても乗り越えられるのだと思います。

理想と現実のギャップはエネルギーの源泉

私は理想家ではありますが、理想論者ではありません。「理想論」とは

現実の状況は考えに入れず、理想だけをいう意見や主張。

一方「現実主義とは」

現実を最重視する態度。理想を追うことなく、現実の事態に即して事を処理しようとする立場。

理想を実現させたいという想い、それが仕事をする意味でありモチベーションにつながります。だから、理想だけを思い描く「理想論」も、理想を追わず現実だけを見る「現実主義」のどちらもダメ。

「理想をもって頑張ってきたけれど現実を知った」というタイプの人は、理想論者から現実主義へ移行してきた人。でも、その人たちは理想を持っていたわけではありません。単に夢を見て寝ぼけていただけです。現実はいつも目の前にある。そこから目をそらして夢を見ていたけれど、その夢が覚めてはじめて目の前の現実を直視したのです。

モチベーションを失っている人というのは、どこを目指せばいいのか理想を見失ってしまっている人、理想をもつことを諦めて現実だけを見ることにした人、理想に到達したという達成感に浸り過ぎて次の理想を設定できなくなっている人、、、全て理想と現実のギャップを認識できなくなってしまった人なのだと思います。だから、しっかりと理想をもち、そのうえで現実も正しく見つめ、そのギャップをエネルギー源にしていくことが必要なのです。

会社が目指す理想の形

会社が何のために存在しているか、その存在意義を”ミッション”といい、実現させたい理想の形を”ビジョン”と言います。簡単に言うと、会社がどうありたいか、どうなりたいかという理想を言葉にしたものです。

日本のLCC(格安航空会社)ピーチアビエーションの立ち上げ当時の社長だった井上慎一氏は、ピーチは何のために存在する会社なのかという質問に「戦争をなくすため」と答えたそうです。

「過去 には 日本 と アジア の 国々 との あいだ で 不幸 な 出来事 が あり まし た ね。 ああ いう こと を 二度と 起こさ ない ため に、 友達 が いろんな 国 に いる という 状態 に し たい ん です。 その ため には 若い うち から どんどん 外国 に 出 て、 いろんな 文化 に 触れ、 たくさん の 人 と 知り合っ て ほしい。 では どう する か?   財布 の 軽い 若い 人 でも 乗れ て、 いろんな 国 に 行ける、 そういう 航空 会社 が 必要 な ん です。 ピーチ は それ を やる ん です」
山口 周. ニュータイプの時代. ダイヤモンド社

素晴らしい考えですよね。LCCのイメージががらっと変わりました。
でも、ピーチアビエーションの売上は航空運賃であり、その運賃を業界最安値にするためにコストを下げる、路線を増やすという現実と闘っているわけです。でも、運賃最安値の実現が目的なのではなく、あくまでビジョン実現へ向けて手段なのだということです。

私たちのミッションは「未来を創るひとづくり」です。若い技術者たちが未来社会を創る建設業界で活躍できる人材に育て、ひとりでも多くの技術者を業界に排出していくことにあります。でも、当社の売上は建設会社との派遣契約によってあげられています。そして日々求人と求職者の要望のハザマで現実と闘っています。でも、人材を建設現場に派遣することは、技術者が経験を積むというひとづくりのひとつの手段、ミッション/ビジョンという理想を実現させるための過程なのです。

「現実」をひっくり返すことを「実現」といいます。いまの「現実」をひっくり返すことで理想が「実現」するのです。それには大きなエネルギーが欠かせません。だからこそ、自分たちが主体性をもって理想を追い求め、周囲を巻き込み、エネルギーを結集させて理想を目指すことが大切です。今の私たちの現実と、目指す理想にはギャップがあります。でも、現実は理想へ到達するまでの道の出発点や通過点。一緒にこの現実をひっくり返して、ミッション、ビジョンを実現させましょう!


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