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【シュハリの社内ワークショップレポート:ジェンダー】

こんにちは、シュハリの河合です。
Bridge Project内山さんの本日のワークショップのテーマは「ジェンダー」。ジェンダーギャップ指数146か国中116位の日本において、さまざまな取り組みはなされているものの、私個人としては、掛け声だけの女性活躍や表面的な女性管理職比率の数字に違和感を持つこともしばしばあります。そんな中で、内山さんのワークショップは本質をついた、とても学びの多い時間となりました。

①   社会の中で「男性」に結び付けられている単語/「女性」に結び付けられている単語

参加者自身がどう思っているか、ではなく、あくまでも「日本という社会においてどう思われているか」という観点で、いくつかの単語を「男性/女性」に振り分けてみましょう、というワーク。
例えば、
・看護師
・保育士
・かわいい
・きれい好き
・育休
…これらは多くの人が「女性」に結び付けられている単語として選びました。
一方、
・部長
・エンジニア
・家族を養う
・出世
…これらは多くの人が「男性」に結び付けられている単語として選びました。

②   日本におけるジェンダーギャップ

上記のワークを踏まえて、現在の日本の状況を見てみます。ジェンダーギャップ指数116位の日本の背景にあるのは、女性の政治参画/経済参画のスコアの低さ。特に経済参画においては、ご存じの通り女性管理職比率の低さが挙げられます。
・部長級:6.6%
・課長級:11.2%
・係長級:18.3%
という現状に対して、政府の目標は部長級/課長級ともに30%。
しかし、単に女性管理職の割合を増やすのではなく、男女の役割に関する意識を変える必要がある、と内山さんは問題を提起されていました。
現在、女性の57.7%が非正規雇用(男性2倍以上)。そして、そのうち71.7%の女性は、家事・育児との両立や就労時間を考え、非正規雇用を自ら選んでいるというのが実態です。まさに、①で挙げたような、男女の固定的な役割がこの現象を招いていると言えるでしょう。

③   日常の中でジェンダー・ステレオタイプを相手に押し付ける行為

「マイクロアグレッション」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?特定の集団に対する先入観が何気ない言動に現れることで、相手を傷つけることを指す言葉です。ジェンダーハラスメントとも言われ、「女性だから…」「男性だから…」といった固定概念を相手に押し付ける行為もそれにあたります。
「マイクロアグレッション」を直訳すると「小さい攻撃」ですが、それが積み重なれば精神的なダメージを受けますし、こういった小さな思い込みの積み重ねが、①のようなジェンダー・ステレオタイプを作り上げていると言えるのではないでしょうか。しかし、相手に悪意がないからこそ、対応が難しい。

今回のワークショップで最もよかったと思うのは、「マイクロアグレッションを受けた際の対処法」、そして「傍観者が取るべき対応」を学べたこと。
一般的な研修では、マイクロアグレッションなどのハラスメントはやめましょう、といった“発信元(ハラスメントをしてしまう側)”に対するアプローチにとどまるように思います。しかし、“発信元”は悪意がないので、自分の言動の問題点に気づけないことが多いもの。今回のワークショップでは、“受け手側”はどのように対処したら良いのか、そして、最も多いであろう“傍観者”はどのような対応をしたらよいのか、ロールプレイを通じて各立場に立ってみる、ということを体験することができたことは、大きな収穫だったと思います。

私自身は、ビジネスの場において「自分が女性である」ということは全く意識せずに過ごしてきました。しかし、育休を経て、見える世界が一変した、という経験をしました。子供を持った途端、こんなにも「ワーキングマザー」という扱いを受けるのか、と愕然としたのです。周囲の“善意”の配慮から、負荷の少ない仕事に回されたり、出張や重要な場に出る機会が減ったり、「お母さんなのに仕事をして大変ね」という声も嫌というほど聞いてきました。

女性活躍が叫ばれ、女性管理職比率の数字が注目を集めていますが、男女の役割に関する意識が変わらない限り、私のような想いをする方は後を絶たないと思います。
そして、忘れてはならないのは、辛いのは女性だけではないということ。一見、ジェンダーに対する考え方が進化したように思う現代も、蓋を開けてみれば「男だから、女だから」といった偏見が根深く残る日本社会で、女性も男性も、生きづらさを感じているのが現状なのではないでしょうか。
一人一人が、自分の中に持っている男女の固定的な役割やジェンダー・ステレオタイプに気づくことで、男女共により過ごしやすい社会を創る、内山さんのワークショップをより多くの人に知ってもらえたらと思います。

シュハリでは多くの方の学びをサポートさせていただく前提として、まずは「自らが学ぶ」を日々実践しております。特に今回のような答えのない問いを自分たちで考え続けています。今後も私たち自身の学びのレポートを投稿させていただこうと思いますので、ご覧いただけたら嬉しいです!