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「今」が人生の一番楽しい時期

この記事では、1歳と2歳の子どもを連れてプロ野球観戦をするときの心理的/体力的ハードルと、それを克服する過程を記しています。
特に育児を理由に自分のやりたいことを諦めていた人に、少しでも勇気を与えられれば幸いです。


1.「今」やりたいこと

30代は多くの人にとって忙しい時期です。
精神的な成熟が進み世界観が広がってやりたいことが増えていく一方で、仕事や育児の負担はピークに達してきます。
そんな中でも自分にとっての楽しみを実現するか、忙しさに押しつぶされるかは、その人の考え方一つで変わってくると思います。

私は以前まで20年後子どもが独立したら、夫婦で思いっきり遊ぼうかな〜と考えていました。
しかし30代になって随所で体力の衰えを感じるうちに、老後に本当に好きなように遊べる・・・??旅行に行くのも一苦労じゃない・・・?と思うようになりました。

まだ体力的にも自分の好きなことを楽しめる30代は、もしかしたらとてもとても貴重な時期なんじゃないでしょうか。
将来のための準備も大切ですが一度しか無い人生、「今」やりたいことは今しかできない!多少無理してでもやってみるべき!

これが2023年プロ野球クライマックスシリーズ(広島vs阪神)を家族で見に行こう!と決意した背景です。
些細なことかもしれませんが、私にとっては大きな一歩でした。


2.予想される問題と解決策

これを実現するためにはまず家族の協力が不可欠です。
妻も野球は好きなので、観戦に行くこと自体は賛成してくれました。
(私はカープファン、妻は巨人ファンですが結婚してカープの中継ばかり見せられているうちにカープが好きになりつつあるようです)

あとはこれをどう実現するかです。
あれこれ考えていると、
「ああ、無理やな。やめとこ」
と思っちゃいそうですが、今回の私は違います。
これをクリアしてこそ自分の人生。やってみて途中で挫折してもそれは勉強代です。
次に活かしましょう。
ということで、何が難しいポイントでそれをどう対策するか、妻と相談しながら決めていきます。

2-1.移動手段

甲子園の周りには駐車場がありません。なので電車で行くことになりますが、家からだと1時間半くらいかかります。
2歳の長男にとっては(1歳の次男にとってもそうですが)初めての電車です。多分めちゃくちゃ喜ぶでしょう。
でも1時間半は流石にきついと思われます。飽きて、動き回って、おやつをあげる、ボロボロこぼす、おとなしくさせるためにスマホでアニメを見せる、でも音が小さいと駄々をこねる・・・座れるかどうかも分かりませんし、ね。

そこで考えました。
甲子園から数駅の所まで車で移動してそこからちょっとだけ電車に乗る。
これで長男は楽しく電車に乗れますし、大半が車移動なので親としては精神的にラクです。ナイスアイデア。
早速頃合いの駅と駐車場を捜し、尼崎センタープール前駅周辺の駐車場を予約し(終日800円)、甲子園まで3駅(大人160円)で行けるルートを組みました。

2-2.観戦中席に座っていられるかどうか

これは一番大きな課題ですが、子どもたちの気分次第なので行ってみないと分かりません。
もし現地であらゆる手段を尽くしてだめだったら途中で帰ります。

2-3.食べるもの

当日はスペシャル特別デーとします。黙って座ってくれるなら何でもいいので食べさせます。
おそらくポテト買っとけば大丈夫でしょう。

2-4.寝る時間が遅くなる

スケジュール的に平日のナイターになりますので、帰宅は23時ごろになるでしょう。
生活リズムが崩れそうですが、車に乗っている間はある程度は寝れますし次の日は保育園が休みなので何とかなるでしょう。

ここまで話し合って、おそらく大変だろうけどチャレンジしてみようかという話でまとまりました。

長男に
「今度、電車に乗って野球見に行くよ!」
と言ったその日以来、
毎日のように
「あしたでんしゃのる?」
と聞いてきます。「やきゅう」についてはノータッチ。可愛らしい。


3.当日の振り返り

先着順のチケットをゲットし、かつ広島カープがファーストステージを勝ち上がるという、運要素を奇跡的にクリアしいざ甲子園へ。
念願の電車に乗った長男は興奮してはしゃいだりこそしなかったですが、ニコニコ顔で椅子に座って足をブラブラさせたり、外の風景を見たり、とてもうれしそうでした。
この笑顔が見れただけでも来た甲斐があります。

甲子園球場には17時頃到着しました。入場後、席を確認したらまずは食料の確保。
長男に「何食べたい?」と聞くと
「ぽてとー!」
というので、しめしめと思いながらケンタッキーのフライドポテトとチキンナゲットを購入して着席。

ポテトを箱食いする長男

しかし順調なのはここまででした。
試合が始まると長男はさっき行ったばかりなのにおしっこがしたいとせがみ、次男はとにかく膝の上でのけぞり泣き叫びます。
仕方なく長男をトイレに連れていき、次男は通路で抱っこして何とかなだめ、やっと座れたと思ったら2回裏にタイガースに同点打が生まれ観客席の割れんばかりの歓声に驚いた次男が発狂。長男はまたトイレに行きたいと言う・・・
ロクに試合も見れず子どもたちをなだめるために、狭い通路を荷物をまたぎながら、かつ周りの皆様の視線をなるべく遮らないように屈みながら席を立つことを繰り返し、父母ともに開始40分で心身ともにヘトヘト。

妻はなかなか試合が見れない状況に気を遣ったのか
「私が2人を連れて外で気分転換してるから、試合見てていいよ」
という仏様のようなお声をかけてくださいましたが
さすがにそれは現世に生きる身として許されません。
どうするべきか、一旦落ち着いて考えてみます。

子どもたちは野球が見たくてこんなところに来ているわけではない、自分のやりたいことは別にあるのではないか…
私たちは「試合を見る」ことはいったん諦め、なるべく子どもたちの欲求に答えることにしました。

暴れる次男を屋内の通路で放してやると、水を得た魚のように目を輝かせながら階段まで一直線。上っては下り、上っては下り。何往復かすると満足したのか抱っこされに来たので、その流れで席に戻ってみると膝の上でおとなしくするじゃないですか。
なるほどこの人は「甲子園の階段を上り下りしたかった」のですね。

階段に心を奪われた次男
急におとなしくりました

それでも定期的に運動したくなるようで、のけぞり始めたら階段に連れて行ったり、客席の通路を歩かせてみたり。
パッツパツのスラィリーの服を着てトコトコ歩くので、周りから
「かわいい〜」
という声が聞こえてきましたが、こっちはそれどころじゃありません。通行人にぶつからないように、かつ我が子のじゃまにならないように道を確保し続けるのに必死なのです。

その間長男は妻にお任せでしたが、トイレに行ったり、席でポテト食べたりスマホで踏切のアニメ見たり、時折試合が盛り上がると周りのカープファン、タイガースファン関係なく声をかけていただいたり、ハイタッチしてくれたりしてとても楽しそうにしていたようです。

甲子園の雰囲気を楽しむ長男

6回頃からは私達も立ち回りに慣れ、途切れ途切れですが試合をちゃんと見れるようになりました。試合は投手戦なだけに、いい当たりが出るとみんな一斉に立ち上がって声を上げたり、アウトになったらあからさまにテンション下がったり・・・エキサイティングな雰囲気で非日常を味わうことができました。

帰りの電車が相当混むことが予想されたので、私たちは8回表のカープの攻撃を見届け、甲子園をあとにしました。
試合は結局カープのサヨナラ負けです。タイガース強かったですね。

いつもなら寝ている時間ですが、帰りの電車でも子ども達の目はキラキラしています。
さすがに疲れたのか、車に乗るとふたりともぐっすり寝てしまいました。


4.まとめ

と、いうことで、初めての子どもを連れての野球観戦は
「ベッッッッリーハードだったけどまた行きたい」
と思えるようなとてもいい思い出になりました。
忙しい日常を忘れ、非日常を存分に味わうことができたと思います。

育児や仕事という日常は私のやりたいことの内の一つでもあり、もちろん幸せなことなのですが、それだけに捉われて選択肢が狭まるのはもったいないのかなと思います。

「なんとなく過ぎていく時間」を減らし「充実した時間」を少しでも増やすために、ハードルがあるのならそれを超える方法をちゃんと話し合い、
できるだけチャレンジして達成感のある人生にしていきたいですね。


5.後日談

最近寒くなってきたので、甲子園の座席用に買った百均のクッションを車で使うために持ち歩いていたら、
長男に「やきゅうみてきた?」と言われました。
記憶のトリガーそこ・・・?笑

「やきゅう」のクッション


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