見出し画像

【ブログ】ボタンエビをさばいて食べた

ゴールデンウイークの暇な時間、いかがお過ごしだろうか。

Twitterを覗くと大量のどうぶつの森のスクリーンショットが流れてくる。カブがいくらだとか、こんなん作りましたとか。ちなみに私はニンテンドースイッチは持っているが、どうぶつの森は持っていない。

過去作を全くやったことがないからか、面白さを感じられない。島の住人(どうぶつの森をプレイする人のこと、勝手に名付けている)は「自分のやりたことができるよ」と嬉々として遊んでいるが、ゲームという仮初の自由の中で表現できる「何でも」とは何なのだろう。

閑話休題。

私は、特にすることもなかったので、せめて美味しいものでも食べようかと、北海道応援の福袋を買ってみた。全国で開催できなかった物産展に、並ぶはずだった、魚介類の怨念たちが成仏すべくやってくる、いい企画だと思う。(8000円コースを注文したのだが、その詳細はどこかにまたまとめようと思う)

上記サイトから購入した。現在、福袋自体は品切れとなっているようだ。

クロネコヤマトのクール宅急便で届いた箱の中に、赤色をした海産物の姿が。それがボタンエビだ。容器には500gと書いてあった。冷凍で送られてきたのに、生食用。

画像1

このように丸々肥えたボタンエビが10尾も入っていた。しかも子持ち。これを捌いて食べることにした。

海なし県で育った私は、ゆでる前のエビの姿をみることはあまりなかった。そのため、あまりの大きさと、おなかの卵の白金青い池(※1)のごとき青に驚いてしまった。

まずは流水で解凍する。解凍している間にボタンエビに関する雑学をば。

ボタンエビは卵から孵化した時点では全てオスとして生まれる。そして、オスとしてある程度成長したらオスとメスの中間になり、その後、メスに変化する。一度メスになったボタンエビは、再びオスには戻らない。ボタンエビは一生の間にオスとしてもメスとしても交尾をするようだ。

さて、30分くらいで解凍が完了し、ここからひとつずつ殻をむいていく。生来の手先の不器用さを持ち、友人からは指がほんとうに5本あるかを疑われた私だが、果たして上手にむけるか心配だった。

結果は以下の通り、上手かどうか判断は読者に任せようと思う。

画像2

強欲な私は、エビの身も、エビの出汁でつくった味噌汁も、一度に食したくなり、この刺身完全体のえびからさらに頭を外すことにした。

結果はいうまでもなく、失敗し、エビ味噌は飛び散るわ身は千切れるはの悲惨な姿に、、、グロ注意のため掲載は割愛しておく。

気を取り直して、エビの味噌汁だ。鍋で乾煎りしてから水を入れて出汁をとるのが正解だと誰かが言っていた気がするので、その誰かを信用することにする。

画像3

内蔵があるもの、ないもの、魑魅魍魎、蝦蝦蝦蝦、全て鍋に入れて出汁をとっていく。出汁の味が強くなりそうなときは、やっすい白みそか米味噌を叩き込んでおくのがいいと思う。これは自分の意見。具材はネギのみ。

さて、ここで犠牲となってくれたエビ君の姿を振り返ってみるとまだ使われていない部分がある。

画像5

画像4

卵だ。

こうして集めてみると、白金青い池は言い過ぎかもしれない。非常に濁っている。こちらはしょうゆ漬けにする。

卵を産む数は生物が弱ければ弱いほど多いらしい。(生き物に詳しくないのでこのような曖昧な書き方をしている)今回食すことにした6匹のエビからこれだけの卵をとることができたので、自然界におけるエビは非常にか弱き存在なのかもしれない。

産卵で思い出したのだが、一度に産卵数する数が最も多い生物と言われているマンボウ。その産卵の個数2億~3億個というのは、科学的権威Natureに掲載されたレポートが基になって、さも本当然として語られている。しかし、その大昔の研究からは実際に数億の卵を一度に産卵していることを示しているわけではない。もっと言うと、マンボウはとりわけ繊細ですぐ死ぬというのも、結構怪しい知識だ。マンボウだけでなく、他の海の生物も様々な外的要因でショック死することもあるらしい。

さてさて、くだらない話をしている間にしょうゆ漬けも完成したので実食した。

美味い

美味すぎて

...

面白くないので言うのを憚った。

余すところはないが、手間のかかる食材だった。寿司屋にいって食べると高価格帯の皿に分類されるのも納得だ。業務用に身外し器なるものはあるのだろうか。

時間がなければこんな優雅にエビを捌いて食べることはできていなかっただろう。冷凍庫の永久凍土と化していたはずだ。しかし、逆にエビを捌いて食べたことは、何かをしたことであり、相応の満足感を与えてくれた。ただの暇な人をエビを捌いた人にしてくれたエビに感謝しよう。

エビをむいた手に残った、微かな磯の香りとかゆみをこらえながら、このブログを書いている。

――――――――――――――――――――

※1 白金青い池 北海道上川郡美瑛にある観光名所。天気の良い日には池の水面が鮮やかな青色となることで有名。池と呼ばれているのは川のダムを建設した際に人工的に作られたため。



この記事が参加している募集

#スキしてみて

526,651件

サポートがnoteを書く頻度の向上+モチベーションアップになりますので是非お願いします。