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短編集

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短編、掌編小説をまとめたものです。
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溶けて消えてしまうその前に

「田舎帰ってくると、どこか心がさみしくなる瞬間があるの。前まではあった個人商店とか、打ち捨てられた看板や、どこまでも広がる空き地。この空間が、まるで世界に置いて行かれてしまったかのように、私には思える」
 助手席に座る彼女がそう呟いて、私はちらりと横目でさみし気な世界を眺めた。確かに、随分といろいろなものがなくなってしまった。言われて初めてそう意識させられたかのように、一瞬だけ、見慣れた景色がどこ

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