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きっちりと自分を追いこんでいくけだもの

めちゃくちゃ忙しい日々がつづいている。
で、いつかはそれも落ち着くだろう……と高を括っていたんだけど、どうもそうでもないのでは? という雰囲気が漂ってきている。

ということはですよ、「忙しい」と言いつづけているうちに創作もできないまま無為に日々が過ぎさっていく……ということ……うおー、そんなことは許されざることです!

なので「細々とだけど新しいのを書いてるよ!」という事実を皆さまにチラ見せすることで、きっちり自分を追いこんでいこう……という試みがこの記事です。

幸いなことに小説というものは書きつづけてさえいれば、いつかは終わるものなのです。なのでとにかく自分を追いこんで、尻を叩いて、少しずつでも書いていこう……そう思っている次第です。

ではどんなものを書いてるのか、チラっとお見せしていきます。

罪喰らうけだもの

 ビルヂィングは照り返しに染まり、大通りには陽炎ただよう。
 強烈な真夏の日差し。
 ディーはうすく目を細めた。
 その日、東京はいつもより白く見えた。

『罪喰らうけだもの』 Ⅰ. はじまりの告悔

当然ですが……これは逆噴射小説大賞2022大賞作品『罪喰らうけだもの』の続きです! あの冒頭から場面転換して、このシーンへと続いていく想定です。

今の構想だとたぶん四章構成。現時点でイメージしている章タイトルはこんな感じ。

  1. はじまりの告悔

  2. 哀れみは空を染めて

  3. うつろなるけだもの

  4. 罪を喰らう

全部でだいたい十二万字ぐらいになるんじゃないかな……と思ってますが、予定は未定です。

ところで僕は小説を書くとき、イメージソースとして音楽を使うことがよくあります。イメージが喚起されるような曲をひたすらリピートしつづける、みたいな感じでテンションを高めていく。ためしに紹介してみると、二章目の「哀れみは空を染めて」のイメージソースはこんな曲だったりします。意外に感じるかも。

なんとか年内には書き切りたいなぁ……がんばろう。

アラガイザル

 空は血だまりのような赤だった。
 不吉で禍々しい赤だった。
 乱立するビルの群れは黒く、影絵のようなコントラストを描きだしている。赤い空の彼方。夕焼けにかすむように威容が見える。
 全長千七百メートル。世界最大の高層都市。
 トーキョー・タフメウ。
 それはどこか、ブリューゲルのバベルの塔を思わせる。
 誰もいない路地裏で、少年はぎゅっとキックボードのハンドルを握りしめた。
「すべてが嘘みたいだ」
 カァァ。
 嘲笑うように鴉が鳴いている。
 路地の向こうからは絶望にまみれた叫びが聞こえてくる。
 すべてが悪夢じみていた。本当に、嘘みたいに。
『おい、クソガキい……』
 ざらつき、乾いた声だった。
 声は少年の耳もと、ヘッドセットから聞こえてくる。
『なぁおい、わかっているよなぁ?』
 少年はこたえた。
「あぁ……わかってるさ」

『アラガイザル』 抗い猿の章

けっこう前から取りくんでいる伝奇アクションものです。
上で引用した『罪喰らうけだもの』のシーンと同様、ビルが林立する東京の風景からスタート……我ながらイメージが貧困……なおこの冒頭は大幅に書きかえられる可能性もあります。というかそんなことを何度もやってるから、いつまでたっても書き終わらないのでは……ただこの『アラガイザル』は相当に思いいれがあるので、気合をいれて精度高めで書きあげていきたいところ……!

現時点での構想だと『アラガイザル』は三章構成。

  1. 抗い猿の章

  2. 蟲毒の章

  3. 月光の章

ボリュームはたぶん十二 ~ 十五万字ぐらい。ただもっと膨らむ可能性あり。それぞれの章の山場はめちゃくちゃ鮮明にイメージできているし、自分で言うのもなんだけど最高傑作感がすごいので、しっかりとそこまで辿り着いていきたい……!

以下、イメージソース。かなり春ねむり。

こっちも年内に書きあげられるといいなぁ……がんばるぞ。

ということで、書きかけ作品のチラ見せでした。さらけ出したからには背水の陣で自分を追いこんで進めていくのだ……!

【おしまい】

きっと励みになります。