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【『ジジイの片づけ』重版3刷!】 ステイホームと『ジジイの片づけ』

ジジイの片づけ書影帯付_H1_obi

「とにかく片づけしたくなる」と評判の沢野ひとしさんの本『ジジイの片づけ』は、おかげさまで3刷となりました。
沢野さんのやさしく、あたたかみのあるイラストと、人生の出来事や思い出という視点から語る片づけ話は共感を呼び、新感覚の片づけ本として性別・世代を問わず支持されています。
その背景には、このところのコロナ禍によるステイホームの生活習慣があるようです。
そこで今回は、快適な家時間を過ごすヒントとなる『ジジイの片づけ』をピックアップしてみたいと思います。

■家の中で行なう「終わりなき旅」が片づけである

家に人が生活する以上、毎日ゴミはたまるし埃も舞う。家の中にあるモノは人の動きに合わせて移動していき、放っておくとすぐ山積みになる。ゴミがたまり、モノが山積みになっては、人生が進展しない。旅で荷造りをするように、それを目的地まで運び、荷をといては不要なモノを取り除いて運びやすくするように、私たちは片づけという旅の中で生きている。
(「まえがき」p.7)

今、思うように旅行に出かけられないのは、旅好きにとっては特につらいもの。沢野さんも海外旅行をできなくなったことが堪えるそうです。
旅は、新たな出会いと発見の宝庫です。その経験は励みとなり、心を輝かせるものです。そして、上で述べられているように、荷造りを繰り返しながら「片づけ」を行なうのもまた、旅に不可欠な行ないです。
たくさんものがあっては運びづらいし、出発時刻までに荷造りを終えなければと、旅行中には必然的に片づけを行ないます。家にいると取っておきたくなるようなものも「スーツケースに入り切らないから処分」と、普段よりも大胆に捨てられたりするうちに、「これを家でもやればいいのか」と学びになることもあります。
今こそ、家の中で旅をしてみましょう。もしかすると押し入れの奥から、すっかり忘れていたものとの再会があるかも知れません。また思い出の記録が見つかれば、時空を超えた旅を味わえます。「翌日12時チェックアウト」などと設定して、身の周りを整えてみるのも新鮮です。

■窓を開けて新たな気を入れる

窓を開けて新たな気を入れると、今まで淀んでいた空気をまるごと総取り替えすることにより、心も体もすっきりしてくる。ラジオ体操が終わる頃には「さあ今日も一日元気に」とジジイの眼も光ってくるものだ。窓を開け放つことで、部屋には陽の光もさす。室内に風や自然光が明るく入ってくることにより、人間も快適になってくる。
(「人生に不安を感じたら窓を拭く」p.22)

「起きたら窓を全開」を日課とする沢野さんは、雨の日も、小雨くらいなら窓を開けて風通しを良くするといいます。
花粉の季節には、窓にフィルターが必要な人もいるかも知れません。それでも、朝のキリッとした空気を部屋に通すと、不思議なほど身も引き締まり、活力が湧くものです。
さらに、沢野さんは窓だけでなく、引き出しからタンスの扉、洗濯機の蓋まで、開けられるものすべてを開け放つのだそうで、「夕暮れまで開けておくと、家の中が軽くなった気がする」とのこと。家にいる時間が長い今、ぜひ試してみたいものです。扉という扉を開けると、中の収納具合も気になって、片づけのきっかけになりそうでもありますね。

■人と同じように、ものを「生きた状態」にする

薬箱には隙間を多くとり、手を入れてすぐにでも見つけられるように、ガランとさせたい。さらに古い薬を見つけたら、目の敵にするかのごとくすぐさま処分すべきだ。
(中略)薬箱も年に一回は大掃除をして、ケースの中を拭いてあげ、太陽に当て、そして「ありがとう」と言いながら、薬のビンや湿布の袋を戻してあげよう。
こうした「人の生活とともに必要なものが動き、生きた状態にすること」が、片づけである。
(「薬箱は整理整頓をしない─整理整頓と片づけの違い─」p.53-54)

困った時にはとっさに開く薬箱ですが、中の薬や湿布、ガーゼなどがいつのものだったか、あまりよく覚えていないものです。
薬箱のお世話になる時のために、何ごともない健康な時にこそ中身を点検し、拭き掃除をしておけば安心です。家の中のあらゆる収納場所も同じく、いつも最善・最新の状態のものが収まり、すぐに使うことのできる状態にしておきたいところです。

■自分の人生に必要な物と必要のない物を決める

自分の人生に必要な物には時間をかけてでも真剣に向き合い、必要のない物はきっぱりと排除する。そのシンプルな暮らし方は圧巻であり、見事であった。バスタオルというものがこの世に存在していようが、自分の生活スタイルに合わないサイズ感、洗濯の手間、乾きの遅さ、収納のかさばりであれば、それは彼らの人生に関係のないものなのだ。
(「パリジェンヌはバスタオルを持たない」p.156)

片づけは、決断力を試す場です。常に綺麗に整った沢野さんの仕事場や台所は、「いつも迅速かつ的確に作業を行なうようにするため」だといい、「綺麗にするための片づけ」ではなく、「人生に必要なことを円滑に進めるための片づけ」である点は見逃せません。
何かをしようと思った時に、あれがない、これはどこだったっけとなってしまうと、何をしようとしていたかさえ忘れてしまいます。ジジイにそんな暇はありません。
そこで決断力の塊となって、何が自分に必要なのかを見極めれば、人生がうまく回りだし、明るく過ごすことができるでしょう。

いかがでしょうか。ステイホームは気が滅入ることも多々ありますが、つとめて体を動かし、暮らしを整えることで、片づけが心の支えになるよう願います。
沢野ひとしさん著『ジジイの片づけ』は、明るく元気な日々を過ごす喜びを教えてくれます。どうぞ御愛読ください!

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『ジジイの片づけ』書籍詳細
http://www.shueisha-cr.co.jp/CGI/book/detail.cgi/1752/

ご購入はこちら
https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-420-31089-5


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