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『猫怪々』(加門七海/著)をオススメ!


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今までの人生で住んだ場所は6ヶ所。振り返ってみると、もっとたくさん引っ越してみればよかったなぁと思ったりもします。あれやこれや条件をつけつつ、不動産屋さんを尋ね、初めての町をキョロキョロしながら散歩してみる…。そんなゆったりした時間をもう一度味わってみたいものです。

今回ご紹介する「猫怪々」は、僕のそんな気分にグサッと突き刺さる導入部があります。加門さんが引越しをするにあたっての、九つの希望を挙げているのです。全部書くのも無粋なので二つだけ紹介させてください。

・デパートはなくてもいいけど、昔ながらの商店街があり、銭湯がある地。
・野良猫に優しい。


今までの長い人生では、どちらかというと猫は苦手でした。野良猫がクルマの下で寝そべっていても「いるな」と認識するくらいで特に感想もなかったくらい。ただ、なんとなく猫を飼うのもいいかもと思い、あっという間に2匹の猫と同居し、今は猫と離れることが考えられなくなり、すっかり旅行にも行かなくなりました。
すると不思議なことに、野良猫を発見することが次第に増えてきたのです。そして、野良猫に優しい地域というのもなんとなく分かるように…!

そんな僕にとっては、上に挙げた二つの希望だけでも凄いのに、九つ揃った町なんて本当にあるか、あったら素敵だ、教えて欲しい!と悶えつつも、ひょっとしたらこれはファンタジーなのかも、と思ったりもしています。どうなんでしょう?

オカルト風味もありつつ、猫と暮らす上での喜びや、数々の苦労話には共通点も多く、読んでるときはニヤニヤしたり、しんみりしたり。
「猫怪々」を読みながら、隣で寝そべるふさふさの猫のからだをなでる。至福の時をぜひどうぞ。(販売担当・サワノ氏)

作品制作・写真/金沢和寛

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