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『悪寒』(伊岡瞬/著)をオススメ!

販売担当・まろのオススメの本
『悪寒』伊岡瞬/著


≪家の中でトラブルがありました。途中まで洗濯はしたのですが、妹に相談したら警察が来るまで掃除をしないほうがいいと言うので、床はそのままにしてあります。申し訳ありませんが、ラグにシミが残るかもしれません。こちらはなんとかなりますので、お仕事を優先させてください≫

もし、大事な家族から、こんなメールが送られてきたら、世の中の人は、どう思うのだろう。
私なら、漠然とした不安に駆られて、いてもたってもいられなくなる。
この本の主人公・賢一も、<心配と妄想がないまぜになって膨れあが>った。
単身赴任先で、妻からのメールを読んですぐに電話をしても、つながらず、さらに不安になる。
彼の悪夢はこうして始まった。
妻が、人を殺したらしい・・・・・・。

殺された上司は、賢一が憎んでも憎み足らない、ろくでもない人間だった。
正直、現実にこんな上司がいるなら、「いなくなってほしい」と私は願うだろう。
でも、家族に殺してほしいわけではない。
賢一も考える。本当に、妻が殺したのだろうか、と。

読み進めていくと、不可解な点が浮かんでは、もやもやと心に残りながら、ページをめくる手は止まらない。
まさに一気読みの一冊だ。
とくに、後半に訪れる、怒濤の展開。
本を読んで息切れするなんて、と、自分に驚いた。

ちなみに、「男は愚かである」から始まる、杉江松恋さんの解説も、この本の面白さに、より鮮やかな光を当てている。

今、私は、
初版より2刷が、2刷より3刷の部数が多い、販売担当として初めての経験をしている。
売れに売れている注目作、読めば唸ること間違いなし!

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この本の詳しい情報はこちら↓

https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-744009-6

(人形作成&写真撮影/金沢和寛)

#推薦図書 #集英社文庫

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