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【パブリッシャー事典】開発者と友達になりたい! 親身な中国パブリッシャー/ゲームラゲームズ

クリエイターの皆さまに、参加パブリッシャーについて知っていただくことで、マッチングの一助となるべく始動したインタビュー企画「パブリッシャー事典」。各パブリッシャーの特色や得意なこと、目指す姿などをお伺いしていきます。

今回は中国のパブリッシャー、ゲームラゲームズの立花さんにお話を伺いました!


「ゲームラゲームズ」ってどんな会社?

ーー本日はよろしくお願いします! まずは会社の概要を教えてください。

中国、日本、アメリカなど、全世界でインディーゲームのパブリッシングを行っている会社です。

会社は2018年4月に設立され、日本支社は2021年に設立されました。今までに合計100本程度のゲームタイトルをリリースしたことがあります。
アメリカや日本、中国のタイトルなど、国は様々で、ジャンルも多様なジャンルをリリースしております。

これまでのパブリッシュタイトルは?

ーーでは、これまでパブリッシュしたタイトルを教えてください。

一番知られているのはDyson Sphere Programというストラテジーゲームですかね。
宇宙を舞台に、工場やスペースシップを作って宇宙を開拓していくゲームです。
このタイトルは全世界で250万本売れています。

中国の神話をモチーフにしたAmazing Cultivation Simulatorというゲームは、『RimWorld』をインスパイアしたストラテジーゲームです。
村人を管理して村を拡張して敵を倒して、最終的にはみんな神になるというゲームです。
こちらは160万本ほど売れています。

日本だと火山の娘という育成シミュレーションゲームを出しております。
父親として娘を育てるゲームなんですけれども、娘の日常生活をサポートしながら、教育やお出かけ、思春期には恋愛相談に乗ったりなど、娘の成長に寄り添いながらストーリーの展開を楽しむゲームです。
エンディングも多岐にわたります。

会社として得意なこと、サポートできること

ーー続いて、会社として得意なこと、サポートできることを教えてください。

弊社はストラテジーゲームのヒット作が多いんですが、これはストラテジーゲームが今流行っているからだと思っています。
会社としては得意なジャンルは色々とありまして、例えばFireworkは、日本語版はないのですが、全世界で60万本ほどの売上を出しています。
こちらはホラーアドベンチャーというジャンルで、画面をクリックしてパズルを解きながらストーリーを見ていくゲームになっており、ホラーも弊社の得意なジャンルです。

同じホラーのジャンルだと港詭實錄ParanormalHKも70万本ほど売り上げています。
こちらは、90年代の香港におけるホラーストーリーを背景とした、3Dのアドベンチャーゲームです。

中国では、日本でいう七夕の日にホラーイベントを開催して、怖い話をしたりパーティを行ったりしました。こういったイベントも販売の役に立ったと思っています。

去年Teenage Mutant Ninja Turtles: Shredder's Revengeという忍者タートルズの最新作をリリースしたんですが、こちらは中国版限定で、90年代に放送されていたアニメ版の『ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ』の声優さんにご出演いただいています。
本タイトルは中国だけでも12万本を売り上げました。
90年代のアニメ版なので、30年くらい前の声優さんをドラゴンボールを集めるみたいに、中国のあちこちから集めました。ファンの皆さんもとても喜んでくれました。

ーーなかなか集めるのは大変そうですが、元々声優事務所との繋がりが強いのでしょうか?

そうですね。
中国の各エンタメ業界との繋がりはもちろんあるのですが、それよりも一風変わったアイディアを考えて、それを実現するまで頑張れる力が弊社の強みかと思います。

あとは、弊社は海外イベントにも積極的に参加しており、毎回gamescomやGDCでパーティやセミナーを主催し、開発者とコミュニケーションを取る機会を作っています。

ここまでできるパブリッシャーは少ないかなと思っています。
弊社の企業文化として、パブリッシング契約できるかは関係なく、世の中の開発者たちと友達になりたいという思いで活動しています。
弊社のスタッフは、PRを専門とするメンバーや、開発経験があるメンバーなど様々ですが、みんなゲームの大ファンでありコアプレイヤーです。
そのためプレイヤーとしても、マーケティングの立場としても、開発側としても、開発者と友達になってアドバイスできるのが強みだと思っています。
セミナーやパーティを通じて、より多くの開発と繋がりたいと考えています。

ーー素敵な思想ですね! アドバイスというのは、パブリッシング契約をしていない開発者さんに対しても、ご要望があればアドバイスされるんでしょうか?

デベロッパーさんからゲームのビルドをもらって、社内のみんなでプレイして、アドバイスのドキュメント作るということはありますね。
日常的にやっているわけじゃないんですけど、気になるタイトルがあれば、「試遊させてもらって、我々からアドバイスすることもできますが、いかがですか?」とお声かけすることもあります。

そのタイトルではパブリッシングしなくても、同じデベロッパーさんの次回作をパブリッシングする、ということもあります。

ーーなるほど! では今すぐタイトルを見つけてパブリッシングする、というだけではなく、長くお付き合いをしていく中でパブリッシングする、ということもあるんですね。
パブリッシュされるタイトルについて、国の制限などはありますか?

特に制限なく、どんな国のゲームでも歓迎します。
実は、設立当初は海外進出が苦手だったんですが、2021年から新入社員はみんな英語を話せる方で募集をかけています。
日本支社は、私以外にはアメリカ人1名とメキシコ人1名、中国人1名がいます。私は中国人ですが、ある程度は英語と日本語も話せます。

弊社には12言語対応できる翻訳チームや、QAチームもいます。
こちらも弊社の強みですね。

積極的に外国の方を採用しているのも弊社の特徴かなと思います。
アメリカのマーケティングスキルを向上させるため、経験値のあるメンバーを採用しました。
また多国籍のメンバーがいることで、細かい表現の相談や議論ができる点も役立っています。

今後パブリッシュしていきたいタイトルは?

ーー今後パブリッシュしていきたいタイトルはどんなタイトルでしょうか?

これまでに100本程度のタイトルをリリースしたんですが、やはり中国と日本のタイトルが多いです。
もちろん、こうしたタイトルをパブリッシングして、欧米のユーザーがアジアの文化に触れてくれるのはすごく嬉しいです。
今後は、アメリカやヨーロッパのタイトルを、アジア、日本、中国、韓国、マレーシアに販売したいと考えています。アメリカやヨーロッパのインディーデベロッパーを、アジアに紹介していきたいですね。

ジャンルに関しては、ホラーでもパズルでもシミュレーションでも、ジャンルは問いません。
弊社は全員ゲーム大好きで、それぞれ好きなジャンルも異なりますので、タイトルのジャンルに合わせて向いているメンバーが担当します。

Game Pitch Base 参加クリエイターに向けて

ーー最後に、Game Pitch Baseに参加しているクリエイターに向けて一言お願いします!

日本のデベロッパーでも欧米のデベロッパーでも、他の国のユーザーも楽しめるように、多言語のサポートや積極的なソーシャルメディアの発信を進めて、世界に向けて発信していきましょう!

ーーありがとうございました!


百万本以上売れたヒットタイトルが複数ある歴戦のパブリッシャーでありながら、世の中の開発者たちと友達になりたいという思いが強く感じられ、開発者と親身に向き合っている印象を受けました。
パーティやセミナーの主催、各ゲームイベントへの参加も積極的にされているそうなので、お見かけした際には、ぜひお話を聞いてみてはいかがでしょうか。

ゲームラゲームズのGame Pitch Base パブリッシャーページはこちら


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