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昼、休職者の昼

 休職者の朝は遅い。9時に目が覚め、朝食を取る。ご飯を食べたあとまた眠くなれば寝る。調子が良いと徒然なるままに文章を書き出す。頑張って1時間2000字。校正は時間をおいて行う。粗熱を冷ます要領だ。疲れたら、youtubeを見る。私の性別、年齢、過去見た動画からおすすめの動画が選別され表示される。おそろしい動画の洪水だ。新手のルドビコ療法か。そんなことを考えると昼になる。

 昼、ベッドに寝そべり漫画を読む。最近は『ミナミの帝王』をよく読んでいる。萬田銀次郎はこわい。さすが取り立てのプロ。ゼニは大切にしないといけない。そうだ、私は休職者だ。仕事を探さなければならない。あわてて、転職サイトのアプリを開く。年間休日120日以上、年収400〜、正社員など条件を入れる。やたらきれいで気合の入ったお兄さんお姉さん方が映った求人広告が次々出てくる。何もしていないのに緊張して心臓がバクバクする。ひどく疲れる。ひとまず閉じる。

 そうこうしていると、陽も傾いてきた。散歩しよう。スマホを捨てて、外へ出た。下校途中の小学生に挨拶される。気圧する。この小学生からみて日中にもふらついている私はどのようにプロファイルされているのだろう。帽子をさらに深くかぶる。目的地であるコンビニでタバコを買う。今では時流に乗ってめっきり加熱式たばこだ。この時間タバコを買いにくるやつとして店員にもそろそろ顔を覚えられるはずだ。ニコチンが少し私の目を覚ます。

 家に帰る。夜ご飯を食べながら、野球中継を見る。佐々木朗希の球の速さにビビる。足の長さにもビビる。その球を取る捕手松山にもビビる。

 ご飯も食べ終わり、ベッドに戻りyoutubeか本を読む。だんだん眠くなってくる。あー明日も何しよう。

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