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詩「位相」

車窓に映るコマ送り
実感はハリボテ、生活感は幻想
知覚したピクセルは変わらず
忘れ去ってもそこにある
勝手に朽ちて滅びゆく

平穏はこころで描く
幸福は知識と経験で定義する
足りない頭で散々こねくり回したら
結局胸のぬくもりに頼るんだ

深海のしじまに落とし込む
愛と勇気と暴れる脳
こがね色の信念は
あぶくを吹いて黒くなる
次第に落ちて染まりゆく

ペン先は尖ろうとも
精神は角を落としていく
自我とこころと隣の駅の乖離を描く
最後は吸える酸素に甘えるんだ

優しい歌に火をつける
灰になっても尊いんだ
送り火に祈る行く末を
恥じたあの日は煌々と
誇れたあの日は滔々と

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