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詩「美学」

始まりは小さな欲求
醜いと思った 馬鹿げていると思った
それでも抑えられないのはこの胸の熱故よ

始まりは曖昧な志
くだらないと思った 薄っぺらいと思った
それでも冷めないのは食いしばった痛み故よ

何ができる?何もできない
何がしたい?全部したい
その一歩が尊く在るために
奮わせるこの理念を

後天的な精神の煌めきよ
過去を抜き去り輝いてみせよ
前を向いたあの日の私を
振り返って指差してみせよ

さぁ、この濁った瞳に一片の美学を


気が付けば大きな欲求
時は不可逆だった 戻れないと知った
それでも戦いに赴くのはこの胸の熱故よ

気が付けば確固たる志
笑われてもよかった 納得だけが残った
それでも醒めないのは握り締めた痛み故よ

何ができた?いつかわかる
何がわかる?全部わかる
その一歩が気高く在るために
尖らせるこの理念を

楽観的な精神の揺めきよ
自分だけの夜に飲み込んでみせよ
足を止めたいつかの私の
腕を掴んで吠えてみせよ

さぁ、この澄んだ魂に一閃の美学を


孤独な春と聡明な愚者よ
銃口の如き理念を
星屑の如き美学を

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