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未経験からWebマーケティングの❝コンサルタント❞になり、壁を乗り越えるまで

まえがき

昨今はコロナの影響もありWebへの関心度の更なる高まりを感じている。

私が未経験の状態からWebマーケティングのコンサルタントに転職して丸4年経つので、備忘録としてコンサルタントとして自走できるようになるまでの振り返りを行おうと思う。

今回はWebマーケティングの知見というより、コンサルタントとして成果を出すために必要な ❝ コンサルワークスキル ❞ にフォーカスする。

今後未経験でWebマーケティング業界への転職を少しでも考えてる人の参考になれば嬉しい限りだ。向き不向きはあると思うが、努力次第で誰でもWebマーケティングコンサルタントとして活躍するチャンスがあると思う。

※私が主戦場としてるのはSEOであり、広告やSNSとは多少違いがあると思うがご容赦を

私のざっくりな経歴

・新卒時代

大手営業会社に約2年在籍。様々な部署を転々としながらも、最後1年は営業として医療系クリニック向けの広告営業に従事。決済権をもつ院長との直接商談がほとんどだったため、個人営業をやってきたに等しい。

・2社目(現在)

社会人3年目に入り、デジタルマーケティングを強みとする某ITベンチャー企業に転職。当初は営業部に配属予定だったが、紆余曲折があってコンサル部門に職種チェンジ。転職後の3年間はいちプレイヤーとして現場で働いた。4年目からはマネージャーとして、マネジメントとプレイングの両方の役割を担っている。

※今回はマネージャーに上がる前にコンサルタントとして働いていた時期の話

コンサルタントとして何やってるのか簡単に説明

一口にコンサルタントといっても業界や専門領域によって幅があるので、前提としてウチの会社のコンサルタントがやってる業務について超簡単に説明する。

※あくまでウチの会社のケースに限る

・ひと月あたりのコンサル料金

数十万~数百万くらいで幅がある

・プロジェクトの目的とざっくりした流れ

 - 目的

顧客のWebマーケティング領域における課題を解決して成果を出す

 - ざっくりの流れ

 ①調査

対象となるビジネスの仕組み・市場・ユーザーを理解した上で、顧客のWebマーケティング上における現状を把握する

その上で顧客が達成したいゴールと現状とのギャップを明らかにする

 ②方針立てる

顧客が達成したいゴールに向けた最適な打ち手(最小のパワーで最大の成果を生めるものが理想)を見つけ出し、戦略と戦術に落とし込む

 ③伴走

顧客の方針についての合意が取れたら、あとそれに沿って施策をどんどん打って効果検証する

一発でうまくいかない場合もあるので、継続的にどんどん施策を打っては改善する泥臭い戦いが続く

・顧客とのコミュニケーション

月1~4回くらい定例の打ち合わせをやることが多い。

電話やメール、オンラインチャット(Slackなど)によるやり取りは日常的に発生

入社後に立ちはだかった壁、壁、壁

前置きが長くなってしまったが、ここからが本題。率直にいってひとり立ちできるまでに相当な苦労を要したと思っている。入社後半年以上は「何が分からないのかすら分からない」状態が続いた。振り返ってみると、何が課題だったのが分かってきたので、それらを具体的に6つ挙げる。

①アウトプットの品質レベルの高さ

これは入社後最初に感じた大きな課題だった。新人は先輩コンサルタントの調査資料や提案資料作成の手伝いをメインにやることになっていた。その中で自分の各アウトプットの品質が、先輩の求めている基準にまったく達していなかった。自分の中では80点以上の出来栄えで出してるつもりなのに!先輩たちのアウトプットの一つ一つには、目的達成のための意図や狙いがこめられているが私のアウトプットにはそれがなかった。

②言語化する力

現職ではWebマーケティングという抽象度の高い概念レベルの話を、Webリテラシーがそこまで高くない顧客にわかりやすく伝えていく必要がある。前職で報連相はほとんど電話で済ましていた私からすると、先輩に報告するにも顧客からのメールに返信するにも相当な時間がかかっていたし、かつ全然うまく伝えることができなかった。

③構造化して整理する力

顧客の本質的な課題を掴む力も当時全然なかったが、先輩から教えてもらった課題に対する作戦を考えるときも、考えの浅さが目立った。「日下は●●の打ち手が良いって考えるみたいだけど、▲▲や■■といった方向でも検討したの?」と聞かれ「すみません、検討できてませんでした」のやり取りが度々。

コンサルは打ち手を多角的に考え、その中で現実的に実施可能な優先度の高いものを選択していく必要がある。しかしながら、自分の視野の狭さと優先順位を立てる精度の低さのせいで、うまく提案がまとまらないことが多かった。

④顧客のビジネスやユーザーを掴む力

Webマーケティングは顧客のビジネスモデルや、対象としているユーザーの状況に応じて、とるべき打ち手がガラっと変わることも少なくない。さらにこれらの前提を認識していないと、提案に説得力も生まれず結果的に「顧客に動いてもらって成果を出す」という目的に達成も困難になる。BtoCならまだしもBtoBの顧客のビジネスはイメージが湧きづらいので、かなり重要なスキル。あなたは食器用洗剤を買う主婦の気持ちは想像できると思うが、M&Aを考えている社長の気持ちを深く考えることができるだろうか?

⑤顧客の要望や置かれた状況をヒアリングする力

ヒアリングは非常に奥が深いと思っている。顧客自身やりたいことが実は明確でなかったり、やりたいけど社内的に施策の実施が難しいなんてケースはザラだ。顧客自身すら気づいていない要望を擦り合わせていき、顧客の状況も踏まえて提案を考案していく必要がある。担当者の決済権が小さく、できることが限られている場合、あなたならどのような提案につなげようとするだろうか?

⑥ステークホルダーが複数いる中、プロジェクトを円滑に推進するためのコミュニケーション力

窓口としてWeb担当者1人がついてくださることが多いが、顧客の社内のステークホルダーがたくさんいる。課長、部長、開発チーム、デザインチーム、制作チーム、など。それこそ制作や開発を担当するのが他社であることも少なくないので、各会社・各メンバーの思惑を把握、先読みした上で進めていかないと、提案を通しづらくなるし、思わぬ事故につながることもしばしば。あなたの提案についてプロジェクトに参加しているデザイン会社が反発してきたとき、どのようなコミュニケーションを展開するだろうか?

どのようにしてそれを乗り越えたか

今振り返ってみると

「泥臭く一つづつ学んでいったら、上記の壁を自然と意識して行動できるようになっていた」

というのが答えになる。何かクリティカルな打ち手があった訳ではなく、できることをひたすら積み上げていった感じだ。

入社当初、足りないものがあまりに多いことは認識できたが

・足りないものがどれほどあるのか

・どこが特に伸ばさないとやばいポイントなのか

についての解像度はなかなか上がらなかった

私は頭が良い方ではないので、1度にすべての壁をクリアしていくのは難しいと考えて、「まずはできることから一つずつやっていこう」というマインドをもちつつ、意識していた2つポイントがある。(実際はもっとあるが、長くなるので2つに絞った)

①腹落ちするまで質問しまくる

先輩の行動や発言をただ真似るのではなく、裏側にある意図や狙いを掘り下げ、自分の中で腹落ちするまで聞きまくっていた。先輩も感覚で仕事をうまく進めてる部分もあったので、極力言語化してもらえるよう努めた。ここについては自分自身の質問力が非常に重要だと感じた。当初は的外れな質問が多く、普段から多忙な先輩方にかなりご迷惑をおかけした。おかげさまで入社当初に比べれば、考えることを言語化する能力はだいぶマシになったと思う。めげずに付き合ってくださって本当にありがとうございました。

大事なポイントをなんとなく分かったフリをしてやり過ごすのは本当に辞めた方がいいと思う。恥をしのんで質問し続ける同僚が隣にいたとしたら、将来どれほどの差がついていくのか想像してみて欲しい。

②考えつつも、量を意識する

元々考えてから行動するタイプだったが、当時の私の思考力では、考えてから取り組んだところで、アウトプットの品質にたいしてプラスにならないことがわかった。先輩からすると「事前に考える時間とってる割には、アウトプットの品質低い、それならせめてスピードくらい上げて欲しい」といったところだろうか。なので「まずはやってみる精神」で自分のアウトプットをボコボコ(ありがたい)にされながらも、できる範囲で精一杯数をこなしていった。徐々にフィードバックをもらう回数が少なくて済むようになり、いつしか「自分の好きなようにやっていいよ」と言ってもらえるようになった。

おわりに

あなたの周りで活躍しているコンサルタントの先輩方も、これらの(あるいはもっと多く、もっと大きな)壁を乗り越えて今のできる状態になってきたのではないだろうか。

周囲のメンバーとの力の開きが大きいとき、焦ってアレコレと手を出したくなる気持ちもわかるが、落ち着いてできることを一つずつ全力でこなしていくことを勧める。憧れの先輩やできる人たちもきっとその先にいるハズだ!私もまだまだ道半ばなので、気を抜かずできることを一つずつやっていこうと思う。

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