特徴的なチーム2019大分のデータ分析

今回は2019シーズンの大分をデータ分析していきたいと思います。前回ボランチとチームの攻撃における関係を調べた際に、大分はとても特徴的なデータを残していました。前回の記事を貼り付けておくので読んでいただけたら幸いです。

昇格1年目で9位という結果を残した大分でしたが、どのようなデータだったのでしょうか。
今回もFootball LABのデータを使用させていただきます。


1.攻撃

まず大分の2019シーズン攻撃に関するデータを見てみましょう。

キャプチャ8

最終的に9位という結果を残した大分でしたが、ご覧の通り攻撃に関するデータはほとんどが最下位になっています。
反対にボール支配率、シュート成功率、パス数は上位になっています。
この3つのデータを紐解いていきます。

1.ボール支配率
大分は自陣ポゼッションのポイントがリーグ1位です。つまり、大分は自陣でボールを繋ぐことが多いため、ボール支配率が高いと思われます。

2.シュート成功率
大分にはオナイウ阿道と藤本憲明というシュート決定率が20%超えのFWが二人いたため、チームとしてもシュート決定率が高いと思われます。

3.パス数
これはボール支配率を高めている原因であり、チームとして自陣でパスを繋ぐことが戦術の一部であると思われます。

この3つのデータから大分は積極的にボールを前に運び、敵陣で仕掛けるチームではないことがわかりました。


2.守備

続いては守備のデータを見ていきましょう。

キャプチャ9

気になるデータは被シュート成功率、被攻撃回数、です。

1.被シュート成功率
被シュート成功率とは相手に打たれたシュートが失点になった割合です。
このデータが良いということは、DFがシュートをブロックまたはGKがセーブできているということです。実際にGK高木のセーブCBPは2位、DF鈴木の守備CBPは7位となっています。

2.被攻撃回数
被攻撃回数は相手チームに攻撃された回数です。大分は攻撃でパスを回しているため、必然的に被攻撃回数も少ないということだと思われます。


3.考察と結論

ここまでのデータを見ると、攻撃では自陣でボールを回しポゼッション率を高め、守備ではDFが体を張りGK高木がシュートをセーブし失点を防いでいるということがわかります。
突然ですが、大分は疑似カウンターという戦術で有名です。疑似カウンターとは、自陣でパスを回し相手をおびき出しロングボールで陣地をひっくり返すという戦術です。
その証拠に大分のロングボールとミディアムの本数はリーグ最多、大分の選手5人がビルドアップポイントで上位20人の中にランクインしています。

キャプチャ10



つまり、大分は疑似カウンターという戦術を使用し、それがはっきりとデータにも表れているため、前回の分析で特徴的なデータが見られたということでしょう。

この戦術は足下の上手いGK高木を含めて自陣でパスを回すことで相手に攻撃される回数を減らすという理にかなった戦術と言えます。しかし、自陣でプレーすることが多いためリスクを伴います。そのリスクはGK高木が高いセーブ率を誇ることでカバーしています。攻撃でも守備でも高木が重要な役目を担っています。
GK高木が重要な戦術ですが、ストライカーだった藤本憲明が神戸に移籍した後、得点も減少しており順位も落としています。このことからFWの高い得点力も重要だったことがわかります。


4.まとめ

今回は大分をデータ分析しました。大分の戦術疑似カウンターはあまりにも有名で、データ分析していてもあまり驚く結果にはなりませんでした。しかし、チームの戦術はデータにもしっかりと現れる。逆に言えば、データをみることで戦術もわかるということです。
今回の内容はあまり濃くはありませんが、データの面白さをわかっていただけたら幸いです。ありがとうございました。

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