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J1第33節 川崎フロンターレ対ヴィッセル神戸 データプレビュー

天皇杯とルヴァンカップの決勝が二週連続で行われたことで三週間ぶりのリーグ戦となる。川崎は前節ホームで京都に勝利。マリノスが磐田に敗戦したことで残り2試合を残し勝ち点差は2となった。川崎としては逆転優勝を望める数字である一方、自分達は勝ち続けなければならない。そして今節はホーム最終戦でヴィッセル神戸と対戦する。

このデータプレビューはデータのみの記事であり、データで見るとこんな試合になりそうだというあくまでも試合予想の一部分です。

1.両チームの成績

川崎は現在18勝6分8敗で勝ち点60となっている。。例年よりも優勝争いの勝ち点が低い印象だ。1試合平均得点は1.9で一時の爆発的な得点力ほどではないが、それでも多い数字だ。しかし失点は1.2と多めの数字。残り2試合はクリーンシートを目指したい。ホームでは得点がトータルの1.9から2.3へと大きく増加し、トータル18勝のうち13勝がホームでの勝利だ。直近5試合は2勝2分1敗だが、失点が増えており1.8となっている。

一方の神戸はシーズン序盤からボトムハーフの順位で降格圏内で戦っていた時期もあったが、現在は勝ち点40で10位と残留を決めている。トータルでの成績を見ると11勝7分14敗と敗戦数が非常に多い。その要因は得点力で1.0と低い数字。さらにアウェーになると0.8まで減少し失点も1.4へと増加しており、4勝4分8敗という成績だ。しかし直近5試合では得点が2.0で失点が0.4と絶好調どころではない勢いだ。ただ神戸の5試合中4試合はホームでのもので、唯一のアウェー福岡戦は1-0での勝利となっている。

通算対戦成績は川崎の18勝9分8敗。川崎ホームでは10勝3分3敗と川崎が大きく勝ち越している。神戸が絶好調なのは間違いないが、アウェーでも強いわけではない。川崎としては自信を持って構えたい。

2.チームスタイル指標

両チームともボール保持型のチーム。しかし川崎は敵陣ポゼッションが81でリーグ1位なのに対して、神戸は自陣ポゼッションが63でリーグ2位と、ボールを保持するエリアが異なるのが大きな違いだ。似ている項目として、左サイド攻撃は両チームとも武器にしておりリーグ3位と4位の数字。川崎はその左サイド攻撃に加えて中央攻撃も62でリーグ2位だ。一方で右サイド攻撃は両チームとも45で低めの数字となっており、ロングカウンターもリーグワースト3位と2位だ(ボール保持ベースのため)。川崎は後述するようにセットプレーが武器でシュート率はリーグ2位。一方で指数の高かった中央攻撃と敵陣ポゼッションのシュート率はワースト4位だ。一方の神戸のシュート率は全体的に低い数字が多く、中央攻撃、右サイド攻撃、ショートカウンターはワースト5位以下となっている。
ここに載せてないが守備のデータとして、神戸の守備ブロック横幅はリーグで二番目にコンパクトで36.9m、そしてハイプレス指数は35.2でリーグワースト2位の数字となっており、コンパクトな守備ブロックをどう崩すかが注目だ。

3.攻守のスタッツ

川崎は攻撃回数が113.7回でリーグ15位とトランジションの少ないチーム。神戸も116.8回で10位と川崎が苦手とするタイプの相手ではない。シュート数からPA進入回数までの項目は川崎の方が好成績ではあるものの、神戸もトップハーフの数字。しかし川崎がシュート率14.2%でリーグトップなのに対し、神戸は8.0%でリーグ15位と対照的。そのためゴール数も1.8と1.0で差が付いている。神戸としてはシュートを決め切りたいところだ。

守備面のスタッツを見ると川崎と神戸は正反対となっている。川崎は被シュート数や被PA進入回数がリーグトップだが、被シュート成功率が11.8%でワースト2位と少ないチャンスを決められてしまっている。しかし神戸は被シュート数は12.7本でリーグ13位と多く打たれているものの、被PA進入回数は10.3回でリーグ6位と期待値の高いシュートではないため、被シュート成功率は8.6%でリーグ3位と好成績だ。

川崎のゴール期待値1.421はリーグ3位の数字で、シュート成功率がリーグトップだったように、実得点との差0.419もリーグトップ。シュートに質と量の両方が伴っている。そして被ゴール期待値1.044もやはりリーグトップ。しかし実失点との差が0.146でこれはリーグワースト3位の数字だ。これは被シュートシーンの多くが決定機であるためだと考えられる。

神戸のゴール期待値1.398は川崎に次ぐリーグリーグ4位。しかしシュート成功率が低かったため、実得点との差-0.398はリーグワースト2位。やはり決定力が欠けている。一方の被ゴール期待値と実失点との間に差はあまりなく、良くも悪くも期待値通りの失点数となっている。

4.得失点のプレー割合

川崎は前述したようにセットプレーのシュート率が高く、直接と間接合わせて16点を上げており、全得点の四分の一を超えている。一方の神戸はセットプレーから全失点の約30%にあたる11失点。川崎としては神戸のコンパクトな守備を崩せなくてもセットプレーでゴールを狙っていきたい。全体的にも川﨑の得点と神戸の失点は傾向が似ており川崎にとっては優位なデータだ。

そして神戸はセットプレーからが9得点で最も多く、次にクロスからとショートパスが7点6点と続く。川崎が最も多く失点しているプレーはクロスで11失点。神戸もクロスからはゴールを多く奪っており注意したい。

5.シュートエリア

チームスタイル指標によると川崎の右サイド攻撃は少なかったが、シュート数を見てもPA右からのシュートは0.7本でワースト4位だ。その一方でPA中央からのシュートは6.0本でリーグ4位。神戸としては川崎の右サイドはあまり警戒しなくても良さそうだ。攻守のスタッツで見たように川崎の被シュート数はリーグ1位で、PA内全てのエリアでリーグ1位となっている。PA外からの被シュートも3.8本でリーグ4位だ。
一方の神戸はPA中央からのシュートが6.7本で川崎に次ぐリーグ2位だ。しかしPA左は0.8本でワースト4位、PA外は4.2本でワースト3位と、差が激しく川崎としては中央からの攻撃を警戒したい。

6.まとめ

まず両チームともボールを保持したいチーム。神戸は残留も決まったため守備的に来ることもないだろう。となるとどちらがボールを握れるのかが重要になる。また両チームとも左サイド攻撃が多くこの対比も注目ポイントだ。そして川崎としては横方向にコンパクトな神戸を揺さぶって積極的にシュートを打ちセットプレーを得てゴールに繋げたい。優勝のために勝つしかないラスト2試合だ。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

7.データ引用元


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