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J1第12節 川崎フロンターレ対名古屋グランパス データプレビュー

やっと始めることができました今シーズンのデータプレビューです!Football LABに今シーズンのチームスタイル指標が掲載されたので今節の首位決戦2ndレグからデータプレビューを再開します!まず内容に入る前に注意事項です。データプレビューなのでこの記事には両チームのデータに関することしかでてきません。他のレビュアーの記事のような戦術的なことはほぼでてきません。それってプレビューとして意味あるの?と思うかたもいるかもしれません。答えはNoだと思います。こんな記事を書いてますがデータだけですべてがわかるなんてことはないと思います。ですのでデータを見るとこんな見方もあるんだという軽い気持ちで読んでいただきたいです。

さて前節の首位決戦は予想以上の結果になった。まさか0-4で完勝するとは。レビューでも書いたが名古屋は全力を出し切れていたわけではないと思う。今節はホームでのリベンジを狙ってくるはず。今節もフロンターレが勝利すればおそらくフロンターレの独走態勢に入る。名古屋としてはなんとしても止めたいはず。厳しい試合になりそうな今節をデータで見ていく。

1.両チームの成績

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両チームとも消化試合数は変わらず13試合。木曜日の直接対決にフロンターレが勝利したため勝ち点差は6。今シーズンは例年より試合数が多いとはいえ、優勝勝ち点ラインが70だとするとフロンターレは約3分の1の試合数で半分の勝ち点を稼いだことになる。
この首位対決2連戦は守備の名古屋と攻撃の川崎という矛盾対決と言われていたがこのデータを見ると1試合平均失点はフロンターレが0.6で名古屋が0.5。失点を減らすやり方は違えど盾盾対決とも言える。もちろんこのデータは木曜日の試合を含んでいるので名古屋の方がシーズン通しての守備力はだんぜん上と言える。これは直近5試合成績にも言えて名古屋は失点が1.2となっている。2敗はフロンターレと鳥栖。一方フロンターレは今シーズン成績と直近5試合成績がほぼ同じで波のないチーム。
ここで注目なのはお互いのHOMEとAWAYのデータ。フロンターレはHOMEだと1試合平均得点は1.9とかなり下がる。一方名古屋はAWAYだと1試合平均失点は脅威の0.2。ホームで大敗した名古屋にとっては良いデータか。個人的には拮抗した試合の結果フロンターレに勝って欲しい。ちなみに対戦成績はフロンターレに分がある。

2.チームスタイル分析

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これはFootball LABに掲載されているチームスタイル指標というデータ。各プレーの回数が多いと指数が高くなる。シュート率は各プレーがシュートに至った割合。フロンターレの昨シーズンと少し見比べてみると大きな変化は中央攻撃が58から67に、ショートカウンターが60から68になっている。より高い位置で奪ってそのまま中央を使って攻めることが増えたということだろうか。しかし攻撃セットプレーはシュート率が昨シーズン29%だったのが17.5%に減少。たしかにセットプレーからの得点は今シーズンあまり見ない。今シーズンのデータのみで見ると左サイド攻撃が64なのに対し右サイド攻撃が54になっている。昨シーズンもこの傾向はあったもののより顕著になった。その左サイドはドリブル使用率が26.7%で最も多い。ここまではイメージどおりのデータだったが注目なのはロングカウンター。シュート率32.1%はダントツの1位。2位は名古屋で19.7%とかなり突き放している。断言できないがそもそもロングカウンターの母数が少ないのでこういうデータになるのかなと。名古屋としてはショートカウンターとこの左サイドのドリブルが最も警戒すべきプレーだ。

一方の名古屋はボール支配率49%で攻撃時間がそこまでないので指数は低めのものが多い。さらにシュート率が20%を超えているものはない。中央攻撃と敵陣ポゼッションはリーグ最下位。フロンターレとは全く逆のチームスタイル。それでも左サイド攻撃の指数は60と高めで最も多いプレーはこちらもドリブルで21.1%。名古屋のWGには良い選手が多く木曜日にも危ないシーンがいくつかあった。フロンターレが最も警戒すべきプレーはロングカウンター。シュート率は先述したようにフロンターレに次ぐ2位の19.7%。こちらもドリブル使用率が30.3%で最も多い。試合展開としては木曜日同様フロンターレがボールを持つと思うのでリスク管理は怠らないようにしたい。

3.攻守のスタッツ

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わかりにくいデータだけ一応説明します。

チャンス構築率:シュート数/攻撃回数で1回の攻撃でシュートに至る確率を表している。
PA内シュート率:PA内シュート数/PA侵入回数で1回のPA侵入でシュートに至る確率を表している。
成功率:ゴール数/シュート数で1回のシュートがゴールに至る確率を表している。

攻撃におけるデータはすべてフロンターレの方が高い。昨シーズンのフロンターレは攻撃回数が少なく11位だったが今シーズンは多くなり5位に浮上している。要因としてはよりボールを奪われては奪うことが増えたこと。だんだんマリノスに似たスタイルになってきている。チャンス構築率もPA進入回数も高く、1回の攻撃でより効果的に攻めることができている。その一方でPA内シュート率は9位。これも確かなことは言えないがPA内にボールを出し入れすることで相手選手をつり出してチャンスを創り出しているからかなと思う。ちなみにシュート数とチャンス構築率の1位は札幌。

名古屋はどのスタッツも高くなくチャンス構築率にいたっては最下位の7.5%。攻撃の質は悪いがチームスタイルで見たようなロングカウンターが発動するとシュートを打つ確率が上がる。逆に言えば名古屋にボールを持たせれば得意なロングカウンターを発動できないので質の低い攻撃をさせることができるかもしれない。それでも良い選手が揃っているのでシュート成功率は12.6%で5位。シュートを打つ回数は少ないがシュートの質でカバーしている。

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これは守備バージョンのデータ。盾盾対決と書いたがそのとおりでお互いに良いデータを残している。ここにお互いの失点を減らす方法の違いが表れている。フロンターレは攻撃される回数は13位と多いが被チャンス構築率が低くそれにともないシュートも少ない。これは即時奪回が機能している証拠だと思う。ボールを奪われてもすぐに奪い返すためボールを運ばれずPAにも進入されない。だから被シュート数も少なくなる。しかし被シュート成功率が8.1%で7位なので打たれたら名古屋よりは失点する可能性が高い。いかに即時奪回が機能するかが鍵を握っている。

一方の名古屋は被攻撃回数以外すべてにおいて3位。被攻撃回数は少ないほどボールを奪い返せていないもしくは自分達が奪われていないということになるのでなんとも言えない。名古屋はフロンターレよりも守備の時間が長いにもかかわらずPAに進入させず、進入されてもシュートを打たせない、打たせてもシュートを入れさせないという何重もの守備がこの失点の少なさを支えている。フロンターレはこの守備を再び破ることができるのか。

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これは攻守のゴール期待値と実際のゴールを棒グラフにしたもの。フロンターレはリーグ3位のゴール期待値1.793に対し実際のゴールは2.6。この差0.707はダントツの1位。いかに質の低いシュートチャンスを得点に結びつけているかがわかる。神戸戦のダミアンのゴールなんて相当低い期待値だったはず。被ゴール期待値は1位で実際の失点数とほぼ変わらない。これも先述したとおりシュートを打たせていないから。

名古屋も攻撃において良いデータをあまり紹介してきてないがゴ-ル期待値は17位だがゴールは1.2の9位。こちらも選手の質が高いことで得点数を増やしている。被ゴール期待値0.736はフロンターレについで2位。実際の被ゴール0.5との差はそこまでなくこちらもシュートを打たせないことで失点を減らしている。

4.得失点のプレー割合

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両チームの得意な得点と苦手な失点がわかるように、フロンターレの得点のプレー割合と名古屋の失点のプレー割合のグラフを載せています。とは言ったものの名古屋の失点自体が少なく7失点の内4失点はフロンターレのものなのであまり参考にはならないかも。木曜日の試合では先制点がショートパスで2点目がクロスとフロンターレの得意なプレーからゴールを奪っている。名古屋はどう対応してくるかが注目。

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これは逆に名古屋の得点のプレー割合とフロンターレの失点のプレー割合。名古屋の得意なプレーはクロスとこぼれ球で4点ずつ。セットプレーからも3点で次に多いがチームスタイルで見たようにセットプレーのシュート率は少ないので大丈夫かと。フロンターレの失点のプレー割合と照らし合わせるとクロスが気になる。フロンターレは全体の37.5%にあたる3点をクロスから失点している。ありそうなシーンで言うとフロンターレがボールを奪われてSB裏を使われてロングカウンターをされる。そのSB裏でWGがボールを受けクロスをあげて失点。これをされないために木曜日は山根があまり攻撃参加しなかった可能性がある。

5.シュートエリア

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これは両チームのシュートと被シュートが打たれたエリアをグラフにしたもの。フロンターレはPA中央でのシュートがダントツで多い。シュートを決めるにはやはりPA中央から打つ必要がある。PAの左右差でいうと若干右が多い。三笘がいる左サイドに敵をよせて右サイドの家長でしとめることが多いからか。
名古屋のシュートはPA外からが最も多い。もっとPA内でシュートを打てればゴールは増えるかもしれない。被シュートもPA外からが多くこれも失点の少ない秘訣か。

6.まとめ

久しぶりのデータプレビューとなりました。あくまでもデータだとこんな見方もあるよという気持ちで読んでいただけたら幸いです。データプレビューはレビューより時間がかからないので多く書けると思います。
盾盾対決の首位決戦2ndレグはどんな試合になるのか。フロンターレとしてはここで勢いをつけてリーグ戦は早くに決めてACLに集中したい。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

7.データ引用元


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