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J1第38節 横浜Fマリノス対川崎フロンターレ データプレビュー

前節はホーム最終戦であるガンバ大阪戦で4-1と勝利したことで、シーズンホーム無敗を達成した。これは浦和に続く2クラブ目の記録。優勝後の鳥栖戦での完敗からしっかりと復調して2試合連続の4得点で勝利した。また、ダミアンも2試合連続で2得点と絶好調でついに前田大然と並んだ。そして今節はついに長かったシーズンの最終節。相手は開幕戦ぶりの2位横浜Fマリノスで神奈川ダービーとなる。このダービーに勝利してリーグ戦を良い形で終え天皇杯に繋げたい。

このデータプレビューはデータのみの記事であり、データで見るとこんな試合になりそうだというあくまでも試合予想の一部分です。

1.両チームの成績

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優勝が決まった上での1位2位対決となる今節だが、マリノスは24勝6分7敗で勝ち点78という成績。1試合平均の得点は2.2でフロンターレと同じ数字。しかし両チームの違いは失点にある。マリノスは0.9点だがフロンターレは0.7点だ。これが敗戦数を2敗に減らして優勝に繋がった。マリノスはホームになると優位性を発揮して得点が2.5に増え失点は0.6に減るためたった2敗。一方のフロンターレはアウェイでも得点はあまり変わらず2.3。これらの数字だけを見ると撃ち合いになる可能性もある。お互いに自分のスタイルを出して真っ向勝負になりそうだ。
直近5試合のマリノスは得点が2.4と非常に高い数字だが、これは東京戦の8点を含んでいる。また、勝敗も2勝3敗で負けが多く好調というよりは不調に近い。フロンターレは先述したとおり2試合連続で4点を記録しており好調だ。通算対戦成績トータルではフロンターレが21勝8分17敗で勝ち越してるが、マリノスホームでは7勝5分11敗とマリノスが勝ち越している。

2.チームスタイル分析

チームスタイル (3)

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基本的に似たチームスタイルの両チームだが右サイドの指数に大きな差がある。前節のプレビューで書いたように、フロンターレは右サイドの家長が左サイドに出張して攻撃することが多く、左サイドが主な攻撃サイドとなる。しかしマリノスは概ね両サイド均等に攻撃する。右サイドの方が指数とシュート率共に若干高く、フロンターレとしてはエウベルを中心とした右サイドの攻撃は最も警戒したい。
シュート率に注目すると両チームのスタイルの違いが垣間見える。マリノスは敵陣と自陣でのポゼッションのシュート率が高く、フロンターレはショートカウンターとロングカウンターのシュート率が高い。マリノスのボール支配率は60%でリーグトップ。一方のフロンターレは54.9%だ。このことからもマリノスの方がよりボールを持つことに重点を置いており、フロンターレはボールを持たなくても力を発揮していることがわかる。ここには掲載していないがハイプレスの指数はフロンターレの方が高いものの、守備成功率はマリノスの方が高い。フロンターレとしてはビルドアップを安定させたい。

3.攻守のスタッツ

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両チームともボールを保持してゴールを奪いに行く攻撃的なスタイルでスタッツも似通っている。シーズン前半ではフロンターレが1位を独占していたこれらのスタッツだが、現在はマリノスがほとんど上回っている。注目なのは攻撃回数だ。マリノスは126.9回でリーグトップ、フロンターレは120.4回でリーグ5位と差がある。これは両チームの微妙なスタイルの違いによる。ボール支配率はマリノスの方が高かったが、ボールを奪われてもすぐに奪い返しているので攻撃回数とボール支配率ともに高い数字だ。フロンターレはボールを失うことが少ないとも考えられるが、それよりも即時奪回が少なくなり相手に持たれることも増えたためこのような数字になったと考えられる。マリノスとしては得意なハイテンポな試合に持っていきたいはず。フロンターレはここ最近の試合で狙われているビルドアップで落ち着いてボールを回したい。

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先述したように守備に関しては全てフロンターレの方が好成績。攻撃回数もマリノスの方が多かったように被攻撃回数でもマリノスの方が多い。やはりマリノスの方がハイテンポな試合をしている。ほかのスタッツを見るとマリノスは被シュート成功率が8.8%で8位と低くはないものの他のスタッツと比べると低い数字になっている。これについてはゴール期待値で詳しく見ていく。

ゴール&被ゴール期待値 (6)

ゴール&被ゴール期待値 (7)

両チームとも理想的な山なりの形になっており、期待値以上の得点で期待値以下の失点になっている。マリノスのゴール期待値1.869はリーグトップの数字でフロンターレの1.717がリーグ2位。フロンターレの実得点差0.383はリーグトップの数字でマリノスの0.231はリーグ3位。やはり両チームの攻撃力の要因は高い期待値とそれを上回ることのできる選手の質だ。守備に関してはマリノスの被ゴール期待値1.259は9位。この数字と被シュート成功率の数字を合わせて考えると期待値の高いシュートシーンをつくられているため阻止するのが難しいのかもしれない。

4.得失点のプレー割合

横浜Fマリノス 得点割合

川崎フロンターレ 失点割合 (3)

マリノスは様々なプレーから得点することができており、PKをセットプレーに含めるとセットプレーから21点、クロスから17点、ショートパスから19点と多くの得点を決めている。すべて警戒したいところだが、フロンターレとしてはクロスからが10失点と最も多くクロスは警戒したい。クロスポイントはエウベルがトータルでリーグ8位。90分平均だと水沼が同1位で天野が5位。このようにクロスを得意としている選手がマリノスには多い。そしてワンタッチシュートのポイントが同1位の前田大然がいる。先述したように右サイドからの攻撃、特に高速のグランダークロスは要注意だ。

川崎フロンターレ 得点割合 (3)

横浜Fマリノス 失点割合

マリノスの守備における弱点ははっきりしておりセットプレーからが12点で全体の約35%を占めている。また、これにクロスも含めると全失点の半数以上となる。一方でショートパスからはたった2点と守備は固い。フロンターレとしてもクロスからは25得点で全体の3割で得意なプレー。山根からのダミアンというホットラインでゴールを奪いたい。

5.シュートエリア

シュートエリア (3)

マリノスは攻守ともにPA右でのシュートが左に比べて多い。特にPA右での被シュートがかなり多く1試合平均1.3本打たれておりリーグ17位の数字。マリノスの右サイド攻撃でのラストパス数上位5人に右SBの小池は入ってくるが、左サイドではティーラトンは入ってこない。つまり右サイドではエウベルに加えて小池が積極的に高い位置で攻撃に参加する。従ってネガティブトランジションで小池の攻めあがった後方のスペースをつかれてしまう。そのためマリノスのPA右での被シュートが多いのかもしれい。フロンターレとしては左サイドのマルシーニョを小池の裏に走らせたり、ダミアンを左サイドに流したりして攻撃していきたい。

6.まとめ

こうしてデータでマリノスを見ると長所と短所がはっきりしている。マリノスの右サイドからのクロスなどは要警戒だが、その分フロンターレの左サイドはカウンターで有効に使うことができる。お互いのプライドをかけた一戦で、前田とダミアンの得点王争いも兼ねている。両チームのスタイルにふさわしい打ち合いもおもしろいが、フロンターレとしては今季の武器であった失点しない勝負強さを発揮して勝利したい。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

7.データ引用元


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