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J1第31節 北海道コンサドーレ札幌対川崎フロンターレ データプレビュー

筆者が1ヶ月ほどイギリスに行っていたため約2ヶ月ぶりのプレビュー更新となります。
マリノスに劇的勝利をあげたことで勢いに乗ったように見えた川崎だが、その後勝ち点を落としてしまうことが多く首位マリノスとは勝ち点5差。残り5試合全て勝たなければ優勝は非常に厳しくなる。その初戦はアウェーで札幌と対戦する。得失点差も考えるとなるべく多くの得点をあげて勝利したい。

このデータプレビューはデータのみの記事であり、データで見るとこんな試合になりそうだというあくまでも試合予想の一部分です。

1.両チームの成績

ホームチームの札幌は勝ち点35で11位につけている。トータルでは8勝11分け10敗と中位らしい成績だが、1試合平均得点が1.1なのに対して失点は1.6と失点が多くなっている。しかしホームになると得点は変わらないが失点が1.1へと減少したことで5勝6分3敗という数字。直近5試合では2勝1分2敗とイーブンの成績だが、得点は1.4へと平均より増加している。

川崎は勝ち点54の2位。マリノス戦でのプレビューから9試合消化し、当時の1試合平均得点は1.5だったが1.8へと増加しゴール以前よりは奪えるようになってきた。アウェーでは5勝5分5敗と優勝を目指すにしては良い成績ではない。その要因は得点不足だ。トータルでは1.8奪えているのに対しアウェーでは1.4と少なくなっている。直近5試合では2勝2分1敗とあまり好調とは言えない。得失点を見ると得点が2.2で失点が0.8と好成績に見える。しかし得点に関しては鳥栖と広島相手に4得点できているが、その他には1得点となっており差が激しい。今節は得点が若干少ないアウェーでゴールを奪えるのかどうか注目だ。

通算対戦成績を見るとご存じの通り川崎の24勝5分2敗と圧倒的に川崎が勝ち越している。トータル5分のうち4分が札幌ホームでのもので、川崎の勝率が若干下がる。

2.チームスタイル指標

川崎の特徴は敵陣ポゼッションと左右差だ。敵陣ポゼッション指数は82でこれは2位の鳥栖に対して20以上の差をつけてリーグトップの数字。そして敵陣に押し込んだ時の攻撃は左サイドと中央攻撃がメインでそれぞれリーグ3位と2位の数字だ。敵陣の中央より左で攻撃するのが今シーズンの川崎だ。しかしその質はあまり良くなく、中央攻撃と敵陣ポゼッションのシュート率はワースト3位だ。押し込めているがシュートを打てないというのが現状だ。
一方の札幌は中央攻撃が61でリーグ3位と川崎と似ているが左サイドは29とリーグワーストの数字。左サイドからの攻撃はほとんどない。そして川崎は敵陣に押し込んでいたのに対して、札幌は自陣ポゼッションがリーグ4位と自陣でボールを握っている時間が長いとわかる。そのためセットプレー攻撃の指数も低くリーグワースト3位だ。指数は平均的だがシュート率の高い攻撃もあり、右サイド攻撃は15.5%でリーグ4位、ロングカウンターに関しては21.7%でリーグトップの数字だ。基本の攻撃パターンは自陣中央からのビルドアップだが、右サイドやロングカウンターにも警戒したい。
上の表には載せていないが守備面の指標では、札幌守備ブロックの縦幅は32.4mでリーグトップの数字、横幅は41.5mでリーグ3番目とあまりコンパクトではない。しかしこれはマンツーマンプレスの影響だと考えられる。そしてハイプレスをかけた場合の守備成功率は49.2%でリーグ3位とマンツーマンプレスは非常に脅威となりそうだ。

3.攻守のスタッツ

札幌は攻撃回数が117.1回でリーグ8位。対する川崎は114.3回でリーグ13位と札幌の方がトランジションの多い展開となっている。シュート数やチャンス構築率そしてPA進入回数は似たような数字でほぼ変わらない。しかしシュート成功率を見ると川崎は13.4%でリーグトップの数字だが、札幌は8.6%でリーグ12位と決定率に差が出ている。そのためシュート数などは同じにも関わらずゴール数では札幌が1.1で11位で川崎が1.7で2位と大きな差がついている。

守備面のスタッツを見ると札幌は被シュートから被PA進入回数まで全て9位。川崎は同じ項目で全て1位となっており、チームとして川崎の方が上手く守れていることがわかる。そして札幌は攻撃同様にゴール前での質が悪く被シュート成功率は12.8%でリーグワーストの数字。そのためチームとしての守備は悪くないのに被ゴールは1.5でリーグワースト2位となっている。一方の川崎も守備面ではゴール前の質が悪く被シュート成功率は10.8%となっている。

札幌はシュート成功率が低かったが、そのためゴール期待値1.318に対して実得点は1.1と低くなっている。実得点との差-0.178は浦和とともにリーグワースト5位の数字だ。そして札幌は守備面で被シュート成功率も悪い成績だったが、被ゴール期待値と実失点はあまり離れていない。この理由は被シュートの多くが期待値の高いシュートシーンであるため、ゴールを決められてしまうことが多く、被シュート成功率は悪いのに期待値と実失点にあまり差がないと考えられる。

川崎はシュート成功率がリーグトップの数字だったが、ゴール期待値を実得点が大きく上回っており、その差0.395はリーグトップの数字。少ないもしくは質の低いシュートシーンを決め切ることでゴール数を伸ばしている。一方の守備面では被ゴール期待値と実失点の差はあまりなく札幌と同じ理由だ。特にカウンターの場面で決定機を作られることが今シーズンの川崎は多かった。

4.得失点のプレー割合

札幌はセットプレーから直接と間接合わせて10ゴールを挙げており全得点の30.3%を占めている。そしてクロスからも全体の27.3%にあたる9得点。この二つのプレーで半数以上を占めている。一方で川崎はセットプレーが全体の四分の一で8ゴールを、クロスから21.9%にあたる7ゴールを奪われている。札幌の得意プレーと川崎の苦手プレーが噛み合っており、川崎としては指数の低かったセットプレーよりもクロスをより警戒したい。

川崎は直接&間接セットプレーで12点決めておりクロスからの得点も全体の21.6%にあたる11ゴールをしている。一方の札幌は比較的失点プレーがバラけているが、クロスからの失点が全体の五分の一で9失点となっている。川崎としてはゴールを奪えそうなプレーパターンを早めに見つけ出したい。

5.シュートエリア

札幌のシュート数は13.2本でリーグ5位と悪くない数字だったが、主なシュートエリアは札幌PA左でシュート数はリーグ3位。左サイド攻撃の指数は非常に低かったため、右サイドや中央で作って決めるのが左サイドということかもしれない。そして札幌の守備面では、PA中央からの被シュートはワースト4位と危険な中央なエリアからシュートを打たせてしまっている。これは先述した被ゴール期待値と実失点の差が小さかった原因だ。
川崎は攻撃面で特徴のある数字はなく、守備面を見るとPA中央からの被シュートがリーグ2位、PA右とPA外との被シュートはリーグトップの数字で守備面に関してはリーグトップレベルだ。

6.まとめ

川崎はここまで紹介したデータからわかるように守備面は比較的安定している。被シュート成功率が高めだがそれはカウンターなどのトランジションで決定機を作られることが多かったから。となると問題はやはり攻撃面だ。今シーズンも残り5試合だが、今シーズンに優勝するためだけでなく、来シーズンに向けてという意味でもこの5試合はゴールにフォーカスしていきたい。そのまずはその初戦をしっかり勝利したい。
小林悠頼むぞ。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

7.データ引用元


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