見出し画像

J1第24節 柏レイソル対川崎フロンターレ データプレビュー

再開初戦を苦手とするアウェー大分で勝利をおさめたフロンターレ。ダミアンが前半に負傷で途中交代となったが軽傷らしいので一安心。とは言え出場時間は限定されるかもしれないので知念にはここで結果を残して欲しい。
また、この間に三笘の移籍も決定し左WGの1st選択肢は誰になるのかも注目。ここで長谷川や宮城もしくは旗手がしっかりと定着すればこのままの勢いでシーズン後半戦を過ごせる。マリノスも名古屋に2-0で勝利し、正直言ってマリノスはかなり強い。最終節の結果で優勝が決まるという展開もリーグ的には面白いがそれまでに勝ち点を重ねていきたい。

このデータプレビューはデータのみの記事であり、データで見るとこんな試合になりそうだというあくまでも試合予想の一部分です。

1.両チームの成績

画像1

柏は7勝2分14敗で勝ち点23の15位。降格圏までギリギリの順位となっている。しかし先に直近5試合の成績を見ると3勝2敗で好調。シーズントータル7勝のうち約半数の3勝が直近5試合。直近5試合の1試合平均得点は1.8と得点がとれている。失点は1.6とシーズントータルの1.4とあまり変わらないが、得点はシーズントータルで1.0なのでかなり好調。柏はホームになると若干得点と失点ともに増え、それぞれ1試合平均で得点1.3と失点1.6。直近5試合とホームでの傾向を踏まえると今節も柏は得点を奪いにくるはず。それは守備時も同じでハイプレスをかけてくる可能性もある。詳しくは後ほど。

フロンターレは直近5試合で得点が1.8と昨シーズンから鬼木監督が設定した1試合平均3得点というのは達成できていない(失点は0.4とかなり少ないが)。ただそれについて鬼木監督や選手が言及することはないで、あくまでも目標でありそれくらい攻撃的にサッカーするよという意味だと思う。ただアウェーになると1試合平均2.8とかなり多い。柏の現状も踏まえて昨シーズン最終節のように得点が入り合うかもしれない。
通算成績は柏の13勝6分15敗でフロンターレの1歩リードしているが柏ホームだと9勝3分5敗と柏がリードしている。前節同様気の抜けない相手だ。

2.チームスタイル分析

チームスタイル (24)

画像3

柏はボール支配率が46.2%でリーグ15位。また、ロングカウンターの指数が69でリーグ1位とかなり高い数字。基本は退いて守りカウンターというスタイル。そのロングカウンターが武器となっている。またその質も高くシュート率は17.3%で6位。そのさいに右サイド攻撃が多く使われている。右サイド攻撃の指数は56のリーグ4位でシュート率は14%で4位。その右サイドで使われるクリスティアーノはクロスポイントがリーグ7位かつシュートポイントも13位とチャンスメイクもフィニッシュもできる。フロンターレとして最も警戒すべきは右サイドを使ったロングカウンターだ。またロングカウンターで獲得したセットプレーも武器でシュート率23.8%はリーグ5位。
ここまでは退いて守ってくることを前提としていたが先述したようにハイプレスやミドルプレスをかけてくる可能性も高い。第4節にホームで対戦した時も高い位置からのプレスに苦戦した。その良いイメージもあるだろうし得点が取れているのでよりアグレッシブな戦い方を選択してくると思う。それに対してフロンターレはCBから質の良いボールを配球してボールを保持できるか。

3.攻守のスタッツ

画像4

攻撃回数はリーグ3位ということからも柏がカウンターを武器にしていることがわかる。しっかりと守備しボールを奪うことが多いため攻撃回数が多くなる。そしてボールを奪ったらまずはゴールを目指す。ロングカウンターの質が高いことは既に書いたが、チャンス構築率も10.1%と10回に1回はシュートに繋げている。ロングカウンターで相手の守備組織が整う前に攻めきるためPA進入回数は9位。こういったデータを見ると攻撃面はうまくいっているように見えるが、シュートまではうまくいっている。しかしその先のシュートが決まらない。シュート成功率は8.3%でリーグ14位という数字。それに伴いゴール数は11位。シュートがなかなか決まらない。ただ先述したように最近は点が取れてきているので、ロングカウンターを武器にこのまま残留できそうだ。

画像5

守備面を見るとより柏のスタイルがより明確になる。被攻撃回数は127回でリーグワースト。ただこれも先述したようにボールを奪って速く攻めた結果。守備する時間が長いが被チャンス構築率は8.6%で5位、被シュート数は10.9本で7位。さらに被PA進入回数は9.6回で9位とかなり好スタッツを残している。このように守備面でしっかりと守れているからこそボールを奪ってカウンターに繋げることができる。ただこれも攻撃面と同じで被シュート成功率は12.7%でリーグ19位と約8本に1回はゴールを決められており、被ゴールは1.4でリーグ16位。攻撃とともにゴール前でのクオリティが柏の改善点だ。

ゴール&被ゴール期待値 (36)

ゴール&被ゴール期待値 (37)

ゴール前でのクオリティが改善点だと書いたがゴール期待値を見ても明らか。ゴール期待値自体はリーグ6位。しかし期待値の差-0.391はリーグ19位の数字。本来ならもっとゴールが多いはずだが決めきれずにいる。失点に関しても同じで被ゴール期待値はリーグ6位だがその差0.256はリーグワーストの数字。逆に言えばゴール前のクオリティをあげれば上位の実力があるということ。シーズン後半戦は注目のチームだ。

4.得失点のプレー割合

柏レイソル 得点割合 (1)

川崎フロンターレ 失点割合 (20)

あまり得点が多くない柏だがチームスタイルで書いたしたようにロングカウンターとそれで獲得したセットプレーが武器。ゴールのプレー割合を見てみると最も多いのはクロスからで7得点と全体の約3割を決めている。先述したようにクリスティアーノのクロスポイントがリーグ7位。これは柏の大きな武器となっている。また、セットプレーからも5点を決めている。これに対してフロンターレの失点で最も多いのはクロスから。これはかなり警戒すべきだ。ちなみに柏はショートパスからも5点決めている。チームスタイルでは書かなかったが柏は敵陣ポゼッションの指数は低いがシュート率は高い。カウンターで敵陣まで運んでそこからの崩しもできる。

川崎フロンターレ 得点割合 (19)

柏レイソル 失点割合 (1)

柏の失点パターンは多くなくセットプレー、クロス、ショートパスだ。攻撃面でセットプレーが得意だから守備面でも対策するのはできるのかなと思ったが守備面では失点している。またクロスとショートパスはフロンターレの得点で最も多い16点と15点。ここは狙っていくべきだ。

5.シュートエリア

シュートエリア (6)

柏のシュート数が多いのは見てきたがPA中央でのシュート数も多い。そうなるとやはり決定力のなさはもったいない。PA内でのシュート数はリーグ7位。PA内でシュートを打ててないわけでもなくゴール期待値も高いとなるとあとは選手の質になる。逆に守備面ではPA内被シュート数はリーグ12位。被PA進入回数はリーグ9位だったため妥当ではあるが少し多い。PAに侵入された時に我慢しきれずにシュートを打たせてしまい失点が多いのかもしれない。こればかりは映像を観ないとわからないけど。

6.まとめ

柏のスタイルはデータで見るとかなり明確にわかる。しっかり守備でPA内にボールを入れず、ボールを奪いロングカウンターをしかける。そしてPAに侵入してシュートを打つ。カウンターでの武器は右サイドのクリスティアーノによるクロス。これはフロンターレと相性が悪い。リスクを考えてノボリが攻撃時にあまりあがらないかもしれない。そうなると左WGがどれだけ自力で突破できるかが重要になる。三笘がいなくなってスタメン争いが激化する中で良い機会だ。しっかり勝つことも大事だが個人のスタメン争いも兼ねた試合になるかもしれない。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

7.データ引用元


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?