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J1第34節 柏レイソル対川崎フロンターレ データプレビュー

リーグ戦ホーム最終戦だった前節は憲剛から悠へのホットラインのゴールなどまたまたドラマがあった。やっぱりこのチームが好きだと感じた試合だった。
さて、ついにいろいろあった今シーズンもいよいよリーグ戦最終節。相手は今シーズン1年でJ1に戻ってきた柏レイソル。昨季J2最終節で8点を取ったあの怪物フォワードオルンガがいるチームだ。レイソルというとやはりオルンガが頭に浮かぶが、ではチームとしてはどうなのか。そして前回対戦時には封じることができたが今節も攻撃陣を封じることができるのかプレビューしていこうと思う。

1.両チームの成績

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最終節なので各項目でフロンターレについても軽く見ていこうと思う。シーズン序盤は大量得点で勝利し続けた。最終的には1試合平均得点が2.6で失点は0.9という成績を残している。既にもろもろ決めていた記録はもちろん、前節の3点目でシーズン最多得点を更新。攻撃面でフォーカスされるが守備面でも今節負けなければ最少敗戦数も更新する。MVPが三笘ではないのならその守備を支えた守田を推したい。
対するは柏レイソル。J1に1年で戻ってきた今シーズンは現在7位につけている。もともと降格するようなクラブではなかったと思うので驚きはない。やはり柏の攻撃力は高い。1試合平均得点は1.8でリーグ3位の数字。その詳細は後ほど見ていくとして、守備面でも安定した成績を残している。平均失点1.3は7位。攻撃を武器に守備も安定しているのがこの順位にいる要因。ただホームでは失点が1.7に増加する。さらに敗戦数が勝利数を超えている。ホームとなると攻撃的に行くぶんオープンな展開になって失点が増えているのかもしれない。まだホームで5勝しかしていない柏は最終節で意地でもサポーターに勝利を届けたいはずだが、直近5試合は平均得点が0.8と攻撃陣が不調。しかし守備陣が奮闘し平均失点がなんと0.4。攻撃陣と守備陣がお互いを助け合っているのも強さの理由。展開がホームではオープンだが直近はクローズな展開。どのような展開になるか注目。

対戦成績はTOTALでは前節同様五分五分だが、柏HOMEとなると柏の9勝フロンターレの4勝と柏が突き放す。データで言うと柏に分がありそうだが、記録を塗り替えてきた今シーズンのフロンターレだ。そんなデータなんか関係ない試合を見せてくれるはず!。

2.チームスタイル分析

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フロンターレはやはり敵陣ポゼッション指数が73と高い数字。そのシュート率とゴール率はともに1位!と言いたいところだがシュート率は4位。そして1位はなんと今節の相手柏レイソル。しかしゴール率は15位で指数も41というデータを見ると警戒すべきことではない。そもそもの分母となる該当する攻撃が少ないので少ないシュート数でもシュート率が高くなるというからくり。柏の武器は前節の浦和と同じで中央攻撃とロングカウンター。しかしシュート率とゴール率は高いでそれぞれの順位は3位と5位。浦和はカウンターの時の決まり事がなく選手それぞれに任されているような感じだった。しかしシュート率ゴール率ともに高い数字ということはかなり再現性高く攻撃を行っている印象。ロングカウンターではロングパス使用率が58%でリーグ1位。10回に6回はロングパスを使っている。動き出しが上手くボールを収められるオルンガがいるからこそできるプレーだ。フロンターレとしてはボールを奪われた後すぐにプレスをかけてロングボールを蹴らせない、またはオルンガから先に展開させない必要がある。試合展開としては前節と同様フロンターレがボールを持つ展開が予想される。その中で前節のようにカウンターを決められないようにリスク管理をしながら崩していく必要がある。

フロンターレのチームスタイルとしてはロングカウンターと自陣ポゼッション以外は高い数字。この二つはカウンター狙いのチームが高くなるのでまさにチームスタイルが現れている。指数が高い項目のシュート率とゴール率はほとんどが1位。さらにコンビネーション使用率も1位。フロンターレらしさがあらわれている。

3.攻守のスタッツ

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フロンターレはほぼすべてのデータで1位。攻撃回数が11位で被攻撃回数が4位というのはポゼッションチームにとっては成果がでているとわかる数字。自分がボールを持つことで相手に攻撃される回数を減らす。
柏は攻撃回数が3位。こちらもカウンター型のチームにとっては成果がでているとわかる数字。カウンター狙いのチームの攻撃回数が多いということはボールを奪い攻撃に移る回数が多いという証拠。チャンス構築率は10位と高くないためシュート数は多くない。しかしこのデータの上位チームを見るとポゼッション型のチームが多い。それを踏まえるとカウンター狙いのチームは分母の攻撃回数を増やすことでシュートを増やす。できたシュートチャンスを決めきる。これが目指すべき試合内容。とすると柏はそれをちゃんとできている。実際にそれで得点数が3位。カウンター型のチームが目指すべきチームだとわかる。守備面ではやはり被攻撃回数は増えてしまう。さらに被シュート数も11位と多い。しかし被チャンス構築率が6位ということを考えると守れているとわかる。被シュート成功率も5位とキムスンギュと中村航輔というトップクラスのGKがゴールを守っている。

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フロンターレのゴール期待値はシーズンを通してあまり変化していない。しかし平均得点は一時期3.1だったのが現在2.5。連勝中でゴールを量産していた時期は期待値の低いシュートを多く決めていたが、最近は期待値通りのゴールを決めている。守備面では被ゴール期待値も実際の失点もあまり変化せず低い数字を安定して結果をのこしている。
柏の棒グラフはフロンターレ同様理想の形。ゴール期待値と実際の差0.441はリーグでダントツの1位。オルンガが理不尽ゴールを決めてるからじゃないかなと思う。被ゴール期待値は11位。期待値がどうであれ失点が多くないので気になる数字ではない。

4.得失点のプレー割合

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柏はかなりバランス良く様々なプレーからゴールを決めているのでかなりやっかいだ。全体的に得点数が少ないのならば得意なプレーがないと言えるが、どのプレーも多く得点しているためすべてできるチームと言える。ロングパスから5得点というのは先述したとおりカウンターでロングパスを使用する頻度が高いことからも警戒する必要がある。ロングパス1本でシュートが無理ならそこからスペースを利用してドリブルやスルーパスで得点する。それも無理ならセットプレーを獲得してそれからゴール。こういう具合に段階的にゴ-ルを決めることができる。となるとロングボールをまず蹴らせないことが必要になる。

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ここにきて柏の弱点がやっとでてきた。セットプレーから14失点で全体の3分の1を占めている。ここはフロンターレとしては狙い目。今シーズン新たに手に入れた武器であるセットプレー。自分もセットプレー分析記事を書いたがとにかくパターンが豊富。きれいに崩してゴールも良いがセットプレーで決めきれると試合が楽になる。ここは果敢に狙っていきたい。

5.両チームの注目選手

柏の注目選手はもちろんオルンガ。説明は不要だと思うがデータからわかる警戒点を紹介。ゴールに関わるシュートとゴールポイントは2位と1位。注目すべきはパスレシーブで4位。ちなみに1位には家長で3位には江坂。このようにこのポイントはチャンスメーカー的な選手が高くなる。しかしカウンター狙いのチームでFWがこの順位にいるのはカウンターで起点となっているからだと思う。さらに敵陣空中戦の指数も高い。何度も書いてきたがロングパスの受け手となっていることがわかる。
フロンターレの注目選手はジェジエウ。ここまで主に柏のカウンター対策について書いてきたが、序盤にロングパスのでどころを潰すか、オルンガから先に展開させないかどちらかと書いた。理想は即時奪回だがすべて上手くいくわけではない。そんな中でオルンガと地上と空中でやりあえるのはジェジエウのみ。前回対戦では仕事をさせなかったので今回も期待したい。

6.まとめ

今シーズンもついに最終節。データで柏を見てみるとかなり良いチームだと感じた。最後にこういうチームと対戦できるのは楽しみ。
三笘の記録更新となるゴールはあるのか。はたまた感動的なドラマはあるのか。そして若手の抜擢はあるのか楽しみな最終節だ。

そして最終節が終了したら今シーズンのフロンターレを試合ごとのデータの推移で振り返る記事を書こうと思っています。そちらも読んでいただけたら幸いです。

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