見出し画像

J1第23節 川崎フロンターレ対名古屋グランパス データプレビュー

個人的には3試合ぶりのデータプレビュー。この試合に間に合ってほっとしています笑。前節広島にアウェーで勝利し、J1初となるシーズン2回目の10連勝を達成したフロンターレ。シーズン2回目の10連勝は逆に言えば10連勝の後に敗れているということ。それはもちろんあのアウェー名古屋戦。そして今節またもフロンターレの11連勝を防ぎに来るのは名古屋グランパス。相変わらず日程くんは凄いなと感心してしまう。同じ相手に2回も11連勝を防がれることは決してあってはならない。監督や選手そしてサポーターも熱い気持ちで過ごすことになる週末。さてこの熱い試合の展開をデータで探っていこうと思う。

1.両チームの成績

画像1

2回目の10連勝を達成したフロンターレだが、前回の10連勝とは少し違う。前回10連勝を達成したときは爆発的な攻撃力での勝利が多かった。一方今回は苦しい試合展開を耐えて勝利することが多い。実際直近5試合の平均得点は2.0にまで減少。一時期は3.0を超える時もあったため少し物足りなさを感じる試合が続いている。しかし勝ちきれない試合が多かった昨シーズンからの成長を感じる。得点は減少したが失点も減少。直近5試合の平均失点が0.6にまで減少。クリーンシートを達成することも多い。フロンターレはTOTALでもHOMEでも成績はあまり変わらない。鬼木監督が課している1試合で3得点というノルマはここ最近達成できていないため平均得点も減少。サポーターとしては前半戦のように得点が入るゲームを見たいが、流石に他クラブが1シーズンに同じことを2回もやらせてくれるわけではない。

そして名古屋は現在好調を維持している。現在4位の名古屋は3位のセレッソより消化試合が1試合少ない。その試合を勝利と仮定するとセレッソと勝ち点が並ぶ。今シーズンの成績は平均失点がフロンターレに次いで2位。何度目の失点1.2位対決か。今シーズンセレッソとも失点対決を行った。結果セレッソはフロンターレに2試合で8失点。なので名古屋とも失点対決を行うことに。ここにきて好調の名古屋は直近5試合で平均失点0.4という数字を残している。得点が減少しているフロンターレにとっては嫌な数字。名古屋は打ち合いの試合展開にはしたくないはず。前回と同じように先制点を取ってあとは耐えるという展開を狙ってくるはず。名古屋のブロックを崩せるかが鍵になる。

2.チームスタイル分析

画像2

画像3

名古屋のサイド攻撃はフロンターレと同じくらいの指数。シュート率ゴール率ともにフロンターレの方が少し高いくらい。一方中央攻撃は36でリーグ下から2位。シュート率もゴール率も低い数字。攻撃はサイド中心なことがわかる。左右両サイドの攻撃でドリブル使用率が4位。マテウス、相馬、前田というドリブルポイントが高い選手がサイドから仕掛けていくのが攻撃の中心。トップ下の阿部ちゃん含めて1.5列目の選手は要注意。
フロンターレのようにポゼッションで攻撃していくのかというとそういうわけではない。敵陣自陣ポゼッションともに高い数字ではない。かといってカウンターの数字が高い訳でもない。
他のデータもこれと言った特徴がない。またどのシュート率も低い数字。先述したとおりサイドの突破力のある選手に攻撃は任せられている。ただ各ポジションにクオリティの高い選手が揃っており攻撃は前半の選手に任せ、奪われたときのカウンターにはボランチの稲垣と米本が上手く対応する。
データで見ると守備に特徴のあるチーム。攻撃では選手個人、守備では組織的にブロックを敷いて守るという形。

3.攻守のスタッツ

画像4

攻撃面ではシュートとチャンス構築率が14位で低い数字だが、ゴールとシュート成功率は高い数字。これはやはり質の高い選手が揃っておりシュートまで持ち込めば決めきれているということだと思う。もっと得点を増やすためにはシュートを多く打ちチャンス構築率を上げることが必要。ただ攻撃で選手個人の質に頼っている分これより上げるのは難しい。守備がこれだけ優秀なので攻撃で多くの得点を取らなくても勝てる。だとすると攻守のバランスを考えるとこれ以上攻撃的になる必要もないかもれない。
やはり守備面では優れた数字が並ぶ。すべてのデータにおいて良いデータをだしている。攻撃される回数も少ないためシュートを打たれる回数も少ないという良い連鎖で失点を減らしている。また、両CBが守備ポイント6位と9位でGKランゲニックも4位のセーブポイント。この3人がシュートにしっかり対応しているため被シュート成功率も低いと思われる。

画像5

画像6

平均得点が減少したフロンターレだが、平均得点が3を超えていた時と比べてもゴール期待値はあまり変わっていない。これを踏まえて得点減少の原因を探ると、短絡的に言ってしまえば得点を決めきれていない。実際シュート成功率は少し下がっている。ただそれを選手の能力のせいにするのは違う。例えばフロンターレの攻撃が相手に対策されてきて、相手DFがシュートを予測しシュートコースを消すようなポジショニングをすることでシュートを決めるのが難しくなっていたりする。

名古屋もフロンターレと同じようにゴール期待値より多いゴールを決め、被ゴール期待値より少ない失点を達成している。その原因は先述したとおり。

4.得失点のプレー割合

画像7

画像8

フロンターレはセットプレー、クロス、ショートパスからの得点が主。対して名古屋はクロスとショートパスからの失点で半分以上を占めている。どのチームもショートパスからの失点は多くなる。とするとクロスからの得点がつけいる隙かもしれない。だとするとやはりサイドをどう攻略するかが重要。前節のノボリのようにサイドバックがドリブルで運びクロスをあげたい。スタメンの1トップの選手によってクロスの種類グランダーなのか浮き球なのかは変える必要がある。

画像9

画像10

先ほどと同じで名古屋はセットプレー、クロス、ショートパスからの得点が多い。そしてフロンターレはクロス、ショートパスからの失点が多い。これまた同じで名古屋の両サイドハーフに対して突破されないことが重要。

5.両チームの注目選手

フロンターレの注目選手は大島。前節はベンチ外で温存していたのでおそらくスタメンで出場だろう。名古屋の守備ブロックを崩すには大島がライン間でパスを受け展開していくことが重要になる。また大島が二アゾーンランでゴール前に出て行くことで攻撃にも厚みがでる。
名古屋の注目選手はマテウス。攻撃、クロス、パスレシーブ、シュート、ゴールにおいてチームトップのポイントを記録している。さらにマテウスは昨シーズン等々力でゴールを決めている。フロンターレはやはりサイドでの攻防で負けないことが重要。

6.まとめ

今までインタビューで連勝記録について質問されるといつも気にしていないと言っていた鬼木監督。今回も記録だからではなく自分たちが成長するために勝利したいと語っていた。監督、選手、そしてサポーターが一丸となってあの無念を晴らしたい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?