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J1第33節 川崎フロンターレ対浦和レッズ データプレビュー

前節鳥栖に1-1で引き分けてしまったフロンターレ。昨シーズンの試合を見ているかのような気分だった。今シーズン始まったころからあった問題点が選手の疲労とともによりダイレクトに試合結果に影響している気がする。以前なら難しい試合も交代出場のフレッシュなメンバーが流れを変えて勝利に結びつけてきた。しかし疲労とともに交代で入った選手も流れを変えることができず、対策されたフロンターレの弱点を突かれている。
リバプールもそうであったように最強と言われていてもシーズン終了まで続き、完全優勝することはやはり難しいんだなと感じた。

1.両チームの成績

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現在不調とは言え、勝ち点の最高記録は更新し続けているフロンターレ。残り2試合負けなければ最少敗戦記録も更新する。攻撃力を売りに今シーズンを突っ走ってきたが、シーズン変わらずに守備においては良いデータを残している。今シーズンはまだ1度も3点以上の大量失点をしておらず1試合平均失点も0.9を維持している。ホームでは開幕戦の鳥栖と連勝を止められた札幌以外すべての試合で勝利している。直近5試合ではガンバ戦の5得点の影響で平均得点が2.2となっているがその試合を抜いた4試合では1.5。
前回対戦時は6位だった浦和だが現在勝ち点46で10位に位置している。1試合平均で失点が1.6なのは悪い方ではある。しかし数試合に1回大量失点をしてしまっている。実際に4失点以上の試合を6回やっていて、それ以外はロースコアな試合が多め。かなり波のあるチームであることがわかる。直近5試合ではフロンターレ同様に不調。数字だけで言ったらフロンターレよりもひどい。得点が0.8で失点が2.4はシーズン換算するとどちらも最下位になる。マリノス戦で6失点、鹿島戦で4失点しているのが響いているが、攻撃面でも点がとれていない。

対戦成績はTOTALでもHOMEでも全くの五分五分。あまり得意なイメージもないし苦手な印象もない。今シーズンホーム最終戦で1つ勝利し通算成績でも勝利したい。

2.チームスタイル分析

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フロンターレの振り返りは最終節のプレビューでやるとして浦和について。指数が高い項目はロングカウンターと中央攻撃。ボール支配率も47.1%と低いのでカウンター狙いのチームであることがわかる。おそらくボールを奪ったら中央を起点に速く攻めてくる。ただ後述するがロングカウンターも中央攻撃もシュート率は低い。ここが10位にいる原因の一つ。浦和の危険な攻撃は左サイド攻撃。シュート率は17.5%でゴール率は2.1%とどちらもリーグ3位。シュート率とゴール率がともに高いので数字のからくりというわけではないだろう。カウンターで中央を起点にフィニッシュは左サイドというのは警戒したい。
浦和の特徴的なデータは攻撃面よりも守備面。大量失点をたびたびするという原因でもあるかもしれない。守備時の横幅の長さはリーグで最もコンパクトで37.6m。一方縦幅は30.7mでリーグで4番目に間延びしている。ちなみにフロンターレはリーグで2番目に間延びしているのだがこれはハイプレスの影響だと考えられる。しかし浦和はハイプレスの指数もリーグで14番目。つまりただ間延びしてしまっている。フロンターレは浦和の守備ブロックを壊すにはサイドに揺さぶりながら、サイドから間延びしたライン間にボールを送り込んでいきたい。

3.攻守のスタッツ

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浦和の攻撃回数は12位とフロンターレと同じような順位。ただこれも毎度毎度でフロンターレは自分達がボールを持つ時間が長いが浦和は逆なので意味合いは違う。シュート成功率が10.5%で創り出したチャンスを決めきることができているがチャンス構築率が12位ということで、攻撃においてカウンターでフィニッシュできないとシュートまで至らないのかもしれない。攻撃面でもう一つ。残り2試合ではあるがボールを奪い攻撃する回数を増やすことができればシュートを多く打ち得点を増やすことができる。そのボールを奪うというのは守備面でのこと。浦和は守備面で大量失点をしたりと不安定。被チャンス構築率が18位ということで被シュートも17位。チームスタイル分析でも述べたようにかなり間延びしている。それが守備面でシュートをたくさん打たれてしまっている原因だと思う。最後のところでGK西川を中心に防げてはいるがもっと失点していてもおかしくない。攻撃回数が少なく被シュート数も多いということから考えると、守備ブロックが間延びしており効果的にプレッシャーをかけられない。するとボールを奪うことができずぞのままシュートを打たれてしまうというのが考えられるシチュエーション。

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攻撃面ではシュート成功率は良いものの期待値より少ないゴール数。これは伸びしろがるということだ。期待値自体は好成績なので気にするデータではない。被ゴール期待値1.744はリーグで2番目に多い。やはり敵にプレッシャーをかけられず良い状態でプレーさせてしまい期待値の高いシュートを打たせてしまっている。しかし実際の被ゴールは1.5ということでかなり防いでいる。先述したとおりGK西川のおかげだと思う。

4.得失点のプレー割合

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浦和はクロスからの失点が最も多い。横幅をコンパクトに守る浦和に対して左右に揺さぶりサイドからクロスをあげて得点というパターンが考えられる。しかしフロンターレがやってくるであろうパターンはアウェーマリノス戦のように三笘のアイソレーションからドリブルで決めに行くパターン。浦和はドリブルから7失点しており有効と考えられる。あと決めきるかどうかは三笘次第。前節から切り替えてやってほしい。

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浦和の気になる点はPKとこぼれ球でそれぞれ5点ずつ決めている点。PA内で何か起きている。チームとして狙った戦術的なことではないかもしれないが最後のところで決めきる、またはPKをもらっている。浦和はそういう特別な何かを持っているチームだと思う。フロンターレとしてはそういうもったいない失点は避けたい。

5.両チームの注目選手

フロンターレの注目選手は三笘薫。前節スタメンで幾度となく決定機を迎えたが決めきることができなかった。チームからも三笘に決めさせてあげたいという気持ちが感じられたし、三笘自身からも感じられた。普段ならもう1回切り返してシュートを打つような場面でも気持ちが先走ってシュートをしてしまっていたように感じた。ただ試合後の表情を見ると切り替えてやってくれそうだし、ただの若い勢いのある選手とは違うと思うので記録を更新してほしい。
浦和の注目選手は西川周作。被シュートの多い浦和を救っている守護神。今年34歳になったが未だ劣れを感じさせない。セーブポイントは東口に次いで2位。シュートストップの活躍はもちろん浦和のカウンターの起点にもなれる選手。フロンターレとして最も怖いのはシュートを西川に止められた後西川のフィードでカウンターを受けてそのまま失点というもったいないかたち。ここはジェジエウ谷口コンビは警戒が必要。

6.まとめ

今節がリーグでのホーム最終戦。つまりはJ1の舞台での等々力で憲剛を見ることができるのも最後。ガンバ戦のように今シーズンを象徴するような試合で締めくくってほしい。そして最終節、天皇杯と勢いに乗って憲剛の引退を有終の美で飾りたい。
個人的にはシーズン途中から始めたデータプレビューも残り1試合。次節では今シーズンのフロンターレも軽く振り返ろうと思います。是非最後まで読んでいただきたいです。

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