見出し画像

J1第15節 川崎フロンターレ対ヴィッセル神戸 データプレビュー

前節から始めたデータオンリーのプレビュー。前回は試合に間に合わせるためかなり作業を省いてデータを数字のまま掲載してしまいました。今回からは数字そのままではなくグラフにして掲載するので見やすくなると思います。ただしグラフ化した方が見にくかったり、グラフ化できない場合は数字そのまま掲載するのでご了承ください。

1.両チームの成績

画像1

前節神奈川ダービーに勝ったフロンターレは連戦が続いていた神戸戦ラスト。神戸はリーグ戦3試合連続で引き分け中で得点数と失点数が同数ということで、取っては取られて取られては取っている感じ。しかしルヴァンカップでは一方的にフロンターレにやられてしまったのでそれをどう捉えているのか。
フロンターレはホームでは未だ負けなし。1試合平均失点もTOTALの0.9から0.7に減少。しかし神戸はなんとアウェーでは負けなし。4敗はすべてホームでのもの。ホーム無敗vsアウェー無敗という面白い対戦になる。対戦成績はTOTALもフロンターレホームでも完勝。ホームになると神戸は3勝しかできておらず引き分けも3と少ない。ここで勝利してまた連勝街道に乗りたいフロンターレとルヴァンカップのリベンジでそろそろ勝ちたい神戸という構図に。

2.チームスタイル分析

画像2

画像3

シュート率とゴール率はグラフに組み込むと見にくいので数字そのままも貼っておきます。

神戸もフロンターレもボールを持って試合を支配したいポゼッション型のチーム。しかしフロンターレは首位で神戸は10位と低迷。チームスタイルが順位に関係ないとは言え、同じようなチームがなぜ違うのかというのがデータから見えてくる。
まずポゼッションからいくと敵陣ポゼッションはフロンターレが1位で神戸が2位。順位は近いが指数を見ると差があることがわかる。シュート率は2チームともそんなに変わらないがゴール率を見ると倍以上の差がある。神戸のゴール率1.5%はリーグ15位の成績。後でも述べるが全体的にシュートを決め切れていない。敵陣ポゼッションに差がある理由として、自陣ポゼッションの指数が高いことがあげられる。自陣ポゼッションは疑似カウンターの大分に次いで2位。大分はチーム戦術の結果高い数字を残しているが神戸はなるべく高い位置でポゼッションしたいはずなので、ビルドアップの局面でなかなか前に進めれていないのかもしれない。フロンターレ得意のハイプレスをかけて相手の前進を阻むことができれば良いが、相手にも良い選手はいるのでそれをかいくぐられた場合のリスクをどう考えるかは鬼木監督次第だろう。
フロンターレが注意すべき点は中央攻撃とセットプレー。どちらも今シーズンのフロンターレが得意としていることでもあるがお互い高い数字を残しているので注意。

グラフの形を見てもわかるとおり似たようなチームスタイルではあるが、その質という面ではフロンターレに軍配が上がるかもしれない。フロンターレがマリノス戦のように慌てずに質を保ちながらプレーできるかが重要。そのためには上手くターンオーバーして疲労による集中力低下を避けたい。

3.攻守のスタッツ

画像4

これは数字そのままですみません。

フロンターレのことは皆さんわかっていると思うので割愛します。チームスタイルでもわかった通りお互いボールを持つチームであるため攻撃回数は多くはない。神戸もシュートとチャンス構築率は3位と好成績。チームスタイルで神戸はボールを前に運ぶのに苦労しているかもしれないと書いたが、苦労しているのであって運べていないわけではなくシュートも打てていることがわかる。被攻撃回数も少ないということはボールを奪われることも少ない。ただし先述したとおりシュートは多いがゴールの順位は6位で成功率も9.4%で11位とあまりよくない数字。
守備の数字を見ても同じことが言える。シュートは4位だが、ゴールは10位。成功率も12.8%で13位。

画像5

画像6

上で述べたように神戸は攻守においてゴールというところが課題。ゴールが課題だと言っても考えられるパターンはいくつかある。シュートを打たれまくっているのか。それは先ほどのデータで違うことがわかる。ではシュートに対する反応が悪いのか、それとも簡単なシュートを打たせてしまっているのか。それがゴール期待値からわかる。
先に攻撃から言うとゴール期待値より実際のゴールは少ないものの気になるほどではない。またFWの選手のシュート成功率も悪くない。しかしチームとしての成功率は下がっている。ここからはあくまで予想でしかないが、得点をFWに任せてしまっているまたは、MF陣のシュート成功率が低いからかもしれない。
守備のデータをみれば先ほどの答えがすぐにわかる。被ゴール期待値は4位だが被ゴールは15位。被ゴール期待値よりも0.3点多く失点してしまっている。つまり相手に簡単なシュートは打たせていないがシュートに対する対応が悪く失点してしまっている。

4.得失点のプレー割合

画像7

画像8

注意してもらいたいのがフロンターレは得点の神戸は失点のデータです。

フロンターレはセットプレー、クロス、ショートパスを主に得点している。この中で神戸に通用しそうなのはクロスだ。神戸は3割の7点をクロスから失点しており、ここはマリノス戦同様に注目すべきところかもしれない。マリノス戦では家長からのクロスと言ってクロスが浮き球前提で話してしまったが、マリノス戦の後半2点のようにグランダーのクロスも含まれるので訂正します。フロンターレ得意のショートパスとクロスは神戸は上手く守れている。しかしスルーパスからの失点の割合が高いのでDFラインの裏は狙っていた方が良いかもしれない。

画像9

画像10

次に神戸の得点とフロンターレの失点について。神戸はセットプレーから6点を奪っている。守備では上手く守り攻撃では得点を決めるなどセットプレーは上手くできている。しかしフロンターレもセットプレーからは2点しか与えていない。またスルーパスからの得点が多い神戸に対してフロンターレは1点しか与えていない。逆にショートパスからの失点が多いフロンターレだが神戸もショートパスからの得点は多くない。ただクロスに関しては注意が必要だ。お互いに得点と失点の割合が高めになっている。リーグ戦の神戸戦でもクロスから失点してしまった。

5.両チームの注目選手

フロンターレの注目選手は旗手。リーグ戦の神戸戦でリーグ初ゴールを決めたがルヴァンカップではスタメンで出場したものの得点には絡めなかった。あれだけの試合で自分も決めたかったという気持ちもあっただろうから是非今節決めてほしい。データで言うとフロンターレはクロスからの得点を狙いたい。そこでクロスポイントがチーム内2位旗手が出場することで上手くクロスを利用してほしい。皆さんも旗手がグランダーのクロスを相手GKとDFラインの間に入れるシーンを思い出すことができると思う。あとは守備面でも貢献できる。もしハイプレスをかけるのならしっかりとパスコースを切ることができるので神戸のビルドアップを止めることができると思う。
神戸の注目選手は酒井。神戸がクロスからの得点の割合が多く、フロンターレは失点の割合が多いことはみてきたとおり。神戸のクロスは酒井からのものが多い。クロスポイントもチーム最多。フロンターレがハイプレスに行くならばおなじみSBがフリーになる。そこをフロンターレの注目選手の旗手が上手く守るのかポジショニングなどが見所だ。

6.まとめ

ルヴァンカップでは6-0と大勝したが、鬼木監督も言っていたとおりチームにそこまでの差はない。注目選手には酒井を推したがそれ以外にもドウグラスや山口など危険な選手が多数いる。連勝街道に乗るためにも気を引き締めて臨みたい。

データ引用元


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?