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J1第23節 大分トリニータ対川崎フロンターレ データプレビュー

東京五輪が終わりJリーグもついに再開する。多くのチームが22試合消化しており残り16試合だ。フロンターレとしては田中碧が移籍し三笘と旗手も五輪から帰ってきたばかりで出場するかわからずベストメンバーではないかもしれない。一方の大分は片野坂監督がこの中断期間中に川崎対策を講じているはず。昨シーズン優勝決定がかかった試合でフロンターレは敗戦してしまった。嫌なイメージがあるが過去の自分達を乗り越えて勝利してほしい。

このデータプレビューはデータのみの記事であり、データで見るとこんな試合になりそうだというあくまでも試合予想の一部分です。

1.両チームの成績

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大分は現在4勝4分14敗で勝ち点16の19位に沈んでいる。今シーズンは降格が4チームあり、この再開は良いスタートを切りたいはずだ。この順位に沈む原因は得点力不足。失点も1試合平均で1.5と多いがそれよりも1試合平均0.6得点は横浜FCと並んで最下位。なぜ得点がとれないのかはのちほど。トータルで14敗してしまっているがホームでは3勝4分4敗と悪くない成績。得点はトータルとあまり変わらず0.7だが失点がホームでは改善され1.1となっている。直近5試合としては1試合平均得点が0.4とかなり落ち込んでいる。このデータを見るとフロンターレとしては先制点を早い時間に決められることはおそらくない。しかし川崎対策そ講じられなかなか得点を奪えず焦れる展開になる可能性はある。
昨シーズンは大分に負けた結果優勝を決めることができなかった。通算成績を見るとトータルでは大分の12勝6分13敗とほぼ五分。しかし大分ホームになると9勝2分4敗と大分がかなり勝ち越している。早い時間帯に先制点を決めてフロンターレのペースに持って行きたい。

2.チームスタイル分析

チームスタイル (23)

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大分の戦術と言えばおなじみの疑似カウンター。J1昇格1年目はこの戦術が機能してJ1を9位で終えた。J1昇格2年目となった昨シーズンは少し対策されたものの11位で終えた。しかし今シーズンは苦しい戦いが続いている。シーズン通して大分を見ているわけではないのでわからないが、データを見ると今シーズンも自陣からボールを繋いで相手を引き出すことにトライしているように見える。自陣ポゼッションは63でリーグ4位という数字。ただ敵陣ポゼッションに目を向けてみると43でリーグ14位の数字。J1昇格1年目の2019シーズンは8位という数字だった。自陣からボールを繋ぎ相手を引き出して空いたスペースを使いたいはずがそれができず自陣から脱出できずにいる。

またボール支配率も2019シーズンは54.5%で3位の数字だったが、48.2%で13位とボールを持つ時間も短くなっている。また攻撃エリアを見ると中央攻撃は25とリーグで最も少ない。しかし左右両サイドの攻撃は47ということで攻撃する際はサイドを起点にしてることがわかる。フロンターレとしては自陣からボールを脱出することができていない大分をハイプレスで封じ込めたい。その際にサイドを起点にしたい大分とプレスで中央に誘導したいフロンターレという攻防が注目だ。

3.攻守のスタッツ

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大分は攻撃においてボールを運ぶことができないことがチームスタイルでわかったが、攻撃スタッツは全てボトムハーフ。ボールを敵陣まで運べないことがチャンス構築率の低さに表れている。それに伴ってシュート数やPA進入回数もリーグ最下位の数字。シュート成功率は8.5%で12位だがやはりボールを前に運びシュートチャンスの回数を増やさなければゴールを奪うことは難しい。

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次に守備のスタッツ。大分は攻撃回数がリーグ18位で被攻撃回数がリーグ3位というスタッツ。これらから大分がオープンな展開を望まないことがわかる。ボール支配率は48.2%で相手がボールを持つ時間の方が長い。従って相手チームもシュートを打つチャンスも増えるはず。しかし被シュート数は13位とそこまで悪くない。一方で被PA進入回数は最下位で14.2回。PAに進入される回数は多いが被シュートはそれと比べれば少ない。こういうスタッツは珍しい。

ゴール&被ゴール期待値 (34)

ゴール&被ゴール期待値 (35)

大分はシュートチャンスが少ないことは見てきたがそれに加えて実際のゴール数がゴール期待値よりも少ないことも得点力不足の原因。チャンスを決めきれていない。ゴール数は横浜FCと並んで最下位だがゴール期待値は横浜FCよりも少なく最下位。それに加えてゴール数が期待値を下回ってしまっている。逆に失点に関しては期待値と同等の失点数。守備に関しては被シュート数も含めて安定している。

4.得失点のプレー割合

大分トリニータ 得点割合

川崎フロンターレ 失点割合 (19)

両チームの得点と失点のプレーを見ていく。まずは大分の得点とフロンターレの失点から。大分は今季ここまで14ゴールを決めているが、その半数にあたる7ゴールがクロスとセットプレーから。フロンターレとしては最も多い失点がクロスから。これは近年続いている傾向でサイドを起点にしてクロスを入れてくるチームには警戒したい。

川崎フロンターレ 得点割合 (18)

大分トリニータ 失点割合

続いてフロンターレの得点と大分の失点。グラフにして見ると両チームの得意なプレーと苦手なプレーがうまく噛み合っている。フロンターレとしては好材料だ。フロンターレはクロスとショートパスでそれぞれ全得点の約30%を決めており、大分はクロスとショートパスでそれぞれ全失点の約30%を決められている。攻守のスタッツで大分はPAに進入されることが多いことがわかったが、PAにボールを出し入れして大分守備ブロックを収縮させてクロスといった攻撃などサイドと中央をまんべんなく使っていきたい。

5.シュートエリア

シュートエリア (5)

得点が多いフロンターレだがシュートエリアで最も多いのはPA中央。やはりゴールに近いところでシュートを打つ方が得点が多い。その傾向で言うと大分もフロンターレと同じように全シュート数の約半数をPA中央から打っている。攻守のスタッツで大分は他のスタッツに比べてシュート成功率は高かったがその原因はおそらくこれ。シュートチャンスは少ないがシュートを打つエリアはよりゴールに近いところで打てている。逆に大分の被シュートもPA中央からが多い。被PA進入回数が多かったためこうした結果になってしまう。

6.まとめ

このデータプレビューではデータからわかる相手チームの長所と短所を書くようにしているが、今回紹介したデータだと攻守ともに厳しいデータが並んでいた。ただデータだけですべて試合を語れるわけもなく、それこそ昨シーズンのアウェー大分のように序盤に退場者を出せば試合展開はわからない。冒頭紹介したように勝率の高くないアウェー大分相手にフロンターレはどう戦うのか。鬼木監督は何か新しいことを選手に伝えたようなので楽しみだ。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

7.データ引用元


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