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誰かの教えを活かすこと

祖母の誕生日です。存命であれば、もう九十を越える年になります。
初孫だった私を可愛がってくれたり、趣味で文章を書いたり絵を描いたりすることをよく褒めてくれた、大好きなおばあちゃんです。

嫁いで来てからの処遇は、男尊女卑の色濃い時代的価値観からとても辛い時があった、とたびたび私に聞かせてくれました。
臨月の身でも畑仕事をせねばならなかったり、幼い子供(私の父)が熱を出していても周囲に心配してもらえなかったこと。だから私達にはそんな辛い思いはして欲しくないと、涙ながらに教えてくれたのを覚えています。

料理の手際もよく、書道も達筆。背中が曲がっていてもなお「矍鑠」のイメージがぴったりだった人、それが祖母でした。
令和の世の中になった今、果たして自分は祖母の教えをどれくらい継げているのだろうか、と感じる時もあるのです。


以前、デイサービスで介護の仕事をしていた時、上司であった婦長さんとした会話を思い出しました。
上記のような「親家族から色々教わりはしたけど、私は未熟な人間なので、それを活かしきれていない気がするんです」といった悩みを口にした時、婦長さんはこう言われました。

「そりゃ、私の母も色々出来るすごい人で、家事も育児もちゃんとやってた。母に比べたら、私は七十五パーセントとか、下手すれば五十パーセントくらいしか出来てないんじゃないかって思う。
でも、母の時代になくて、今の時代の私らだから出来ることもあると思うのよ、色々。そういうものを空いてる部分に入れて、百パーセントに近づけていけばいいんじゃないかしらね。そんなもんよ」

私よりずっと年上でバリバリ仕事のできる婦長さんでさえ、親世代に対して「追いつかない、かなわない」感情を持っておられたことに驚きました。
それと同時に、「時代に合わせた様々なスキルや価値観を継ぎ足していけばいい」という補い方、伸ばし方にも納得がいき、生きていく限り学ぶ事は多いのだろうなと改めて感じたのでした。


足りない部分も多々ありますが、家族と楽しい日々を送っています。
天国の祖母が心配しないように、笑顔を絶やさず健やかに生きてゆける孫でありたいです。

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