エンジニアコミュニティの運営でやってよかった施策
有料のエンジニアコミュニティを運営しています。メンバー数は200人ちょっと。
おかげさまで評判は上々です。
何かを教えるとか学べるとかを謳っているわけでもなく、具体的なメリットがよくわからないコンセプトながらも200名以上のエンジニアが集い、1年以上ずっと活発なのはなかなかすごいことだと思います。
Slackの投稿は3週間前のものがもう見れなくなるほどに投稿が活発(つまり3週間で1万件以上の投稿がある)で、有志による自主開催イベントも多数あります。
(運営主としてやってるのは月イチの交流会だけ)
運営主の自分でもどうしてこんなコミュニティが出来上がったのかよくわかっていません。最初からこの状態を見据えて設計したわけではなく、そもそも最初はコミュニティではなくサロンでした。
今からもう一度ゼロからつくれといわれても全くつくれる気がしません。自分にとってオーパーツのようなものです。
しかしそんな中でも、「これはやってよかった」と思える施策がいくつかあります。そういった施策を思いつくままに挙げてみます。
(未完ですが、なかなか書き上げられないのでいったん公開します。)
チャンネル開設の自由化
弊コミュニティでは誰もが自由にSlackチャンネルを開設できるようにしています。これが非常に良い結果を生みました。
まずはtimes文化。今は常時200前後のtimesチャンネルが存在し、そこでいろんなエンジニアのそれぞれの人生を垣間見ることができ、これが非常に「エンジニアと人生」らしさを生んでいます。
働いている会社も違えば得意な技術も違うし、興味のあることや人生のステージもいろいろです。仕事で悩む人、転職活動中の人、家を買おうとしている人、様々な人生の営みがあり、読んでいて非常に楽しいです。勉強にもなるし情報収集にもなります。
Slackの無料プランでは10,000件までしか表示されないという制限がありますが、うちではこれが3週間ももたないぐらいに投稿が活発です。
絵文字登録・Slackアプリ利用の自由化
弊コミュニティでは絵文字の登録も自由にできます。Slackの管理画面で見てみたところ、今現在で842個のカスタム絵文字が登録されていました。
これに加えてSlackアプリの利用も自由化しているので、たとえばリアク字チャンネラーによって、特定の絵文字スタンプ(リアクション)が押された投稿を指定したチャンネルに転送できるようになります。
これと上述の「チャンネル作成の自由化」が組み合わさって、発信フィードや知見フィードのようなチャンネルができていたり、200以上のtimesに投稿される大量の投稿から特定の話題を発掘するような効果が得られています。
`/reacji-channeler list` で見てみたところ、今現在で69個のreacjiが設定されています。
他にはZapierを使って特定の分野の勉強会情報を指定したチャンネルに流す、といったことも行われています。
Slackアプリ「作成」の自由化
カスタムSlackアプリ/botを作成してインストールするのも自由にしていて、これがエンジニアコミュニティととても相性が良かったと思います。有志メンバーにより以下のようなアプリ/botが開発・運用されています。
新しいチャンネル開設を検出してfeed_new_channnelチャンネルに流す
過去ログを収集して閲覧できるようにする(ログ収集はチャンネルごとにオプトアウトも可能)
全チャンネルに一括で入る(かなりの人がこれを利用している)
退会したユーザーのtimesチャンネルが未アーカイブであれば知らせてくれる
リングフィットアドベンチャーのスコアをSlackに投稿する。週次・月次で集計もしてくれる
発信の週報をまとめてくれる
月ごとの記事投稿をまとめてくれる
週報集計botについての記事はこちら:
リングフィットについての記事はこちら:
Slack無料プランではアプリは10個までという制限があり、そこはメンバー同士相談しつつやりくりしています。(上記の機能がすべて独立したアプリというわけではない)
全投稿を読み、反応する/自分もたくさん投稿する
運営者の僕はこれまでの全投稿を読み、なるべく多く反応するようにしています。スタンプをつけたり、コメントしたり。自分でも投稿しているのでよくわかりますが、反応があるともっと投稿しようというモチベーションになります。
いろんな人が自身のtimesでそれぞれの人生を送っている、というのがこのコミュニティの価値。その価値の下支えとして全投稿を読み、リアクションし、自分でも呼吸をするように投稿してアクティビティを後押しするようにしています。
また自分のtimesは(デフォルトチャンネルにしているので)読者数が多いので、人のtimesで興味深かった投稿を自分のtimesで引用コメントしたり、といったキュレーション的役割もあると思っています。
続けやすい価格設定
立ち上げ当初はオンラインサロンだったと書きましたが、サロンの相場としては2000円で安め、3000円〜5000円でも普通、1万円を超えるところもたくさんある、といった感覚です。
しかしうちではずっと1000円でやっています。
理由としては先程書いたこちらに関係があります。
僕がなにかの価値を直接提供するわけではなく、集まってくれた人たちのgive&takeによってこのコミュニティの価値が成立しています。
で、そういう価値提供できる素敵な方々にふらっとお試しで入ってもらい、続けてほしいと考え、値上げしないことにしました。
(・・・という話をこちらの動画でしています)
これにより僕より技術力の高いエンジニアの人たち、僕にはない経験をしたことある人たち、僕より教えるのが上手だったりコミュニケーションが上手だったりする人たちが多く在籍してくれて、教え合ったり励まし合ったり、また上述したように自発的にイベントが開催されたりと、僕の介在しないところで価値のやり取りが行われています。
サービスとしては間口を広げようという観点で最も層の厚い初心者層を取り込みがちだけど、エンジニア向けサービスのブランディングとしては中上級者層から好感を持たれるのがレバレッジポイントのように思います。そのためには、私が与える側であることを前提とするような価格設定にしなかったのがよかったのかなと思います。
これに関して、コミュニティメンバーからこんな意見もありました:
強い人が集まってるとハイコンテキストに雑に投げてもちゃんといい感じに話がまわっていくので気軽に投稿できる。で、これがROMってるみんなにとっても価値になる、という。
「発信」を主軸としたこと
謎のバランスで成立している本コミュニティ。高額時給を提示しておもしろい仕事を用意してやっとスケジュールを開けてくれるかどうか、っていう凄腕エンジニア達がなぜかコミュニティ内では具体的な対価もないのにあちこちのtimesに出入りして時間や専門知識を投入してくれています。
仮に彼らに対価を払ってそういう動きをしてほしい、とお願いしたら、逆にこうはならないのではないかと思います。きっとめんどくさくなって今の活発さ、価値のやりとりは失われてしまうでしょう。
この謎バランスの秘密は、弊コミュニティがもともと発信を主軸としていたことにあるのではと思っています。
以下、times_shu223(自分の分報チャンネル)に書いた内容の引用。
発信志向の人は本質的にgiver
発信者≒giverが集まるコミュニティなのでgive&takeの好循環が生まれている説
サロンからコミュニティへのピボット(未完)
毎月の交流会開催(未完)
性善説ベースの運用(未完)
過去にやってよかった施策(未完)
今はやっていないが、過去にやってよかった施策:
全自己紹介にコメント
オンボーディング1on1
毎月の発信講座(定常的な価値提供)
まとめ(未完)
淀まない/新しい人が入ってきて定着する「流れ」をつくる
自主性を育む/阻まない
諸々の自由化
心理的安全性
反応する
発信を軸にした→Giver集団
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