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iOS 18, visionOS 2のVisionフレームワークの新機能

WWDC24のセッション "Discover Swift enhancements in the Vision framework" を見たメモ。

⚠️ 本記事の画像、引用部分は基本的に同セッションからの引用です。

(なお当初本記事のタイトルを「VisionのiOS 18での新機能」と書いていて自分でも空目しそうになったので変更したのだが、"visionOS" ではなく "Vision" フレームワークの話です)

セッションのアジェンダ

  • New Vision API

Swift用に設計された合理化された構文で、以前と同様に強力な新しいAPIを発表できることを嬉しく思います。

  • Optimize with Swift Concurrency

我々はまた、Swift ConcurrencyとSwift 6の完全なサポートを導入し、まだ最もパフォーマンスの高いアプリを書くことを可能にします。

  • Update an existing Vision app

このビデオの残りの部分では、新しい Swift API を使い始める方法を紹介します。

  • What’s new in Vision?

今年のVisionの新機能を紹介します。

これまでの機能をSwift 6 / Swift Concurrencyサポートした新しいAPIで書けますよーってところは本記事では割愛し(書くときに当然参照はするが)、本記事では新機能について紹介されている "What’s new in Vision?" のパートにフォーカスして見ていく。

ちなみに本記事では触れないのだが、このVision API一覧のスライドが気に入ったので貼っておく:

(既存のは全部試したことあるぐらいのつもりでいたが、結構使ったことないのがある…)

画像品質の評価 - Image aesthetic

`CalculateImageAestheticScoresRequest` という新しいリクエストAPIが追加された。"aesthetics"は「美学」「審美学」みたいな意味らしい。

概要

  • 画像の品質を評価し、思い出に残る写真を見つけるために使用できる

  • ブレや露出など、画質を決定するために分析される複数の要素があり、総合スコアでその画像の画質が表される

ユーティリティ画像の識別

こういうことが書かれていた:

スクリーンショットや領収書の写真のように、役に立つかもしれないが、特に記憶に残らない画像であるユーティリティ画像も識別する

個人的には「写真として美しいものがわかる」というのはあまり興味ないなと思ったのだが、「ユーティリティ(実用的な)画像を識別する」というユースケースにはかなりグッときた。

自分のPhotosライブラリは500GB以上あるのだが、そういう画像が多く混じっていて、Photos管理外に追い出したいと思っていたので。

具体例

この美しい風景の画像は高得点です。露出もよく、印象に残る風景です。

この画像はピントがはっきりしていない。偶然撮られたようで、点数は低い。

この木箱の画像は技術的にはよく撮れているが、友人と共有したくなるような印象的な写真ではないかもしれない。これはユーティリティ画像だ。

新しいAPIを使うには、を使えばいい。このリクエストは画像美的スコア観測を生成し、画像がどの程度よく撮れているかを示すマイナス1から1までの総合スコアを持ちます。

API

`CalculateImageAestheticScoresRequest` を使う。

結果は `ImageAestheticsScoresObservation` 型で得られる。この型は総合スコアを示す `overallScore` 以外に、`isUtility` というプロパティも持っており、「よく撮れているが、記憶に残らないコンテンツを持っている」写真に対して true になる。

新しい姿勢検出API - Holistic body pose

概要

  • これまでのVisionでは、身体と手のポーズ検出は別々にリクエストされていた

  • ホリスティック・ボディ・ポーズは、手と体を一緒に検出することができる

"Holistic" は「全体的な」という意味らしい。

実装

  • リクエストには `DetectHumanBodyPoseRequest` を使用する

    • 手の検出も行うには、リクエストの `detectsHands` を `true` に設定する

  • 結果は `HumanBodyPoseObservation` 型で得られる

    • leftHand, rightHand プロパティ経由で右手と左手のポーズを得られる


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