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子どもの発達相談やカウンセリングを仕事にしている臨床心理士です。病院や学校、保健所で働…

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子どもの発達相談やカウンセリングを仕事にしている臨床心理士です。病院や学校、保健所で働いています。子どもやお母さんたちの心配・不安がフッと和らぐようなお手伝いをしたいと思っています。

最近の記事

子どもへの声かけのコツ③ ~「~はダメ」より「~して」と伝えよう~

子どもに「走っちゃダメ!」「投げちゃダメ!」と、何回言っても、大声で言っても、言うことを聞いてくれないということはありませんか? この「~しちゃダメ」ということば、実は子どもにとってはちょっと分かりにくいのです。そのため行動も変わりにくくなります。では、どのように言えば良いのか……。 それは「~しちゃダメ」を「~して」に言い換えるのです。 子どもにとって「~しちゃダメ」が分かりにくいのはなぜ? 例えば子どもが公園で石を投げ始めました。そこで「投げちゃダメ」と声をかけます

    • 子どもへの声かけのコツ② ~何かしてほしいときは行動の形で言おう~は大人にも有効です

      して欲しいことを「行動」の形で具体的に言うと伝わりやすい。このことは子どもに対してだけではなく、大人同士のやりとりにも有効です。 あるお父さんの嘆きある保育園で、お父さん向けの子育て講座を行ったときのことです。家事の分担についての話題の時、あるお父さんが「何をやっても妻に怒られる」と教えてくれました。そしてその話に、周りのお父さん達も「うんうん」「うちもそう」「わかる!」と強くうなづいていました。 そのお父さんの話とは……。 休日に家族で公園に行こう、ということになり、

      • 子どもへの声かけのコツ➀ ~何かしてほしい時は行動の形で言おう~

        子どもに「ちゃんと聞いて」、「いい子にしてて」と、言ってもなかなか言うことを聞いてくれないことはありませんか? そんな時、声かけのコツを知っていると、子どもの行動が変わるかもしれません。 そのコツとは「してほしいことを行動の形で言う」です。 行動の形で言う、とは? 行動の形で言う、というのは、してほしいことを具体的に見える、聞こえる形で言うということです。 「ちゃんと聞いて」 → 「お母さんのお顔見て」 「いい子にしてて」 → 「ここに座って」 この例で言うと、「ち

        • 学校の先生は休めない?

          「父親が仕事を休むと、保護者からクレームが多く来るので、なかなか休めないんです。」 と話すのは、私の勤める病院に入院している A くんのお母さん。 お父さんは小学校の先生。クラスの担任をしていることもあってか、平日はなかなか休めないそうです。そして、休んだらクレームって、とても大変そうです。 リハビリはお母さんの担当Aくんは5歳の脳性麻痺のある男の子です。病気やけがではなく、PT(理学療法)やOT(作業療法)などのリハビリを集中的に受ける「リハビリ入院」のため、1ヶ月間

        子どもへの声かけのコツ③ ~「~はダメ」より「~して」と伝えよう~

        • 子どもへの声かけのコツ② ~何かしてほしいときは行動の形で言おう~は大人にも有効です

        • 子どもへの声かけのコツ➀ ~何かしてほしい時は行動の形で言おう~

        • 学校の先生は休めない?

          ことばの発達がゆっくり② ~発信したい気持ち育てる遊び10選~

          ことばが出てくるには、「誰かに何かを伝えたい!」という気持ちを育てることが大切です。 そのためには、お子さんが「人と一緒に遊んで楽しい」「もっとやってほしい!」と思える遊びが大切。今日はそんな遊びのご紹介です。 どの遊びにも共通するポイントまず、どの遊び方にも共通するポイントは次の3つ。 【ポイント1】 大人がいないと成立しない遊び 子ども一人ではできない、つまり、大人が一緒にやってくれて初めて成り立つ遊びです。人と一緒に遊ぶ楽しさ、大人にもっとやってもらいたいという

          ことばの発達がゆっくり② ~発信したい気持ち育てる遊び10選~

          ことばの発達がゆっくり➀ ~確かめておきたいポイント~

           私は保健所や地域の発達相談センターで働いているのですが、1~2歳の子の発達相談で一番多い心配ごとは「ことばが出ない」「ことばが遅い」ことです。育児書にはことばの出始めは1歳過ぎと書かれているし、母子手帳の1歳半の項目には「ママやブーブなど意味のある言葉をいくつか話しますか?」という質問があります。目安の年齢が示されると心配になる一方で、ことばの発達は個人差が大きい、3歳になったら急にしゃべり始めた、男の子は遅い、という話もよく聞きます。近くにいる子育て経験者からも色々な意見

          ことばの発達がゆっくり➀ ~確かめておきたいポイント~

          小学校入学。学校の中に、子どものことを話せる大人をたくさん作ろう。

           数ヶ月遅れで子どもたちの小学校生活がいよいよ始まりました。今年、小学校に入学したお子さん、そしてお母さん方、緊張しすぎてはいませんか?お友達関係や集団生活、学習面など、お子さんの発達に気がかりがあると、お母さんの心配は尽きないかもしれません。発達の相談でも、お母さんの方が「心配で心配で……」と話される方もいます。でも、そんな心配や不安は少しでも少なくしておきたいですよね。そのために今日おすすめしたいのは、「学校の中に、お子さんのことを話せる大人をたくさん作ること」です。

          小学校入学。学校の中に、子どものことを話せる大人をたくさん作ろう。

          子どもに、行動の「理由」を聞く方法

           例えば、幼稚園や学校の先生から「今日、お友達と喧嘩をして、○○くんをたたいてしまいました」と報告があったとします。親としては理由を知りたくて、子どもに「今日、なんで○○くんのこと、たたいたの?」と尋ねます。しかし多くの場合、子どもは黙って答えません。または「ごめんなさい」という答えが返ってきます。いやいや、謝らなくてもよくて、純粋に理由が知りたいだけなのに……。うまく聞き出せない。そんな時はありませんか?実は、行動の「理由」を聞く時にはコツがあるんです。 子どもに行動の理

          子どもに、行動の「理由」を聞く方法

          子どもの自殺が一年で最も多い9月1日。今年は6月1日がその日かもしれません。子どもの様子に注意しましょう。

           例年夏休み明けの9月1日は子どもの自殺が突出して多い日です。学校が始まることに不安が強くなりすぎて、自らの命を絶ってしまうという悲しい現実がここにあります。今年は、夏休みよりも長く休校が続いた後の6月1日から多くの学校が再開します。私はこの日が「9月1日」と同じような意味合いを持つのではないかと危惧しています。 学校になじめない子 既に分散登校が始まっている地域もありますが、都内のこの辺りは6月1日が学校再開の初日です。学校に行くことを心待ちにしている子がいる一方で、私は

          子どもの自殺が一年で最も多い9月1日。今年は6月1日がその日かもしれません。子どもの様子に注意しましょう。

          はじめまして ~自己紹介です~

          はじめまして、shuです。 臨床心理士・公認心理師として、発達障害や肢体不自由のあるお子さんとそのご家族の相談を受ける仕事をしています。現在の主な仕事場は、病院(小児精神科)、保健所(健診での心理相談)、学校(特別支援クラスや学童の巡回相談)です。保育園や幼稚園、学校や学童の先生、保健師さん向けに研修をする機会も増えてきました。 小学生の娘と夫との3人で、都内に住んでいます。 面接では、こわばった顔でやってきた親子が、何かのヒントを得られたり、余計な力が抜けて笑顔になっ

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