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学校の先生は休めない?

「父親が仕事を休むと、保護者からクレームが多く来るので、なかなか休めないんです。」

と話すのは、私の勤める病院に入院している A くんのお母さん。

お父さんは小学校の先生。クラスの担任をしていることもあってか、平日はなかなか休めないそうです。そして、休んだらクレームって、とても大変そうです。

リハビリはお母さんの担当

Aくんは5歳の脳性麻痺のある男の子です。病気やけがではなく、PT(理学療法)やOT(作業療法)などのリハビリを集中的に受ける「リハビリ入院」のため、1ヶ月間、お母さんと一緒に病院に泊まりこんでいます。

リハビリには親御さんも同席し、家庭での介助や運動の練習方法を習います。この場に、わりと今は多くのお父さんが、平日でも仕事の調整をして参加しています。でも、Aちゃんのお父さんは一回も来ていません。お母さんは「子どものリハビリは私の担当」と明るく話していました。

休めない学校の先生

休めない仕事は小学校の先生だけではないし、仕事をしていれば子どものことでそうそう休んでばかりもいられません。けれど、多分子ども好きなそのお父さんが、頑張っている我が子の姿を1回も見られないなんてつらいだろうなあ、とその時感じました。

入院の多かったAくんだったので、もしかしたらこれまでもたくさん休まなければいけなかったり、クラスの保護者さん達は事情を知らないのかもしれません。担任の先生が休むと授業が進まないし、クラスが落ち着かなくなる、という現実的な問題もあるかもしれません。

「お互い様」の気持ち

それでも。

助け合ったり、分かり合えたらいいなあ。学校の先生にも家族がいて、私たちと同じ子どもがいる親であって、と想像し、「お互い様」という気持ちで譲ったり見守ったりできないかなあ。学校の先生だから、自分の子どもよりも他の家の子どもを優先しなければならない、と考えなくも良いのでは……。

Aくん家族の事情は詳しく分からないのですが、つらつらとそんなことを考えた日でした。


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