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雑記1(最近聴いた音楽など)

初めに

創作の意欲が高まり、音楽制作するためにパソコンの前から動きたくなかったのと、電車に長い時間乗りたくない、乗れないというのも重なり、ここ1ヶ月強は徒歩やバス移動で生活をしてました。

ただ、最近は長い時間、電車に乗れる事ができているので、そろそろ音楽をインプットする時期だな、と感じ始めたので、好きな音楽をチェックし、ディグったりしてます。

どれも素晴らしい音楽でシェアしたく、また自分のその時思ったことや考えたことを残したく、noteにまとめることにしました。
各項目の分量にバラツキがあり、レビューや解説などでもなく、音楽をやってる20代後半の個人としての感想ですが、お付き合いいただけたら幸いです。

最近聴いた音楽

1.坂本慎太郎『物語のように』(2022)

ずっと楽しみだった坂本慎太郎さんの新アルバムが出てから、いつ聴こうかと、自分にとってしっくり聴くタイミングで聴きたくて、タイミングを見計らっていました。
そして、今回良いオーディオ環境で聴けるタイミングがあり、じっくり聴きました。
楽しみを取っておいてよかった、と心底思いました。

アルバムを聴きながら、リバーブの使い方ってとてもシビアだなと感じました。
自分の考えで言えば、リバーブに理由づけや、拘りがないと使いたくないのです。
たまに、音楽を聴いていて、リバーブの使い方が雑でこだわりを感じられないと、魅力が半減することがよくあります。
坂本さんのソロは、そもそもの音の志向として音色がとにかくドライであり、そのストイックすぎる音色処理が耳にめちゃくちゃ心地が良いです。

以前、「シンバルを使わない」と言うこだわりを設けていると、インタビュー記事で目にしたことがあります。

今回のアルバムも、シンバルは聴こえず、ハイハットのオープンでその代用をしてる楽曲も多かったです。
バンド編成の音楽をやっている身からすると、クラッシュシンバル(よく曲の頭にシャーンとなる楽器)の煌びやかな音はとても重要であり、楽曲に使用すると締まりが良くなるのと、派手になるので多用しがちです。
音楽ややりたいことの最適解を見出すために、型にハマってはいけないな、と感じます。
こう言う細かいところを取り出して、すごいなと思う時点で、何か本質を見失っているとも感じますが、凡人な自分はこう言う判断を脳裏に一度も掠めたことがないので、純粋にそう思ってます。

素材の味を、音楽に落とし込んで魅力として出せる人というのは、ある一定の創作の壁を越えた人(もしくは元から越えてる人)じゃないと難しいと思うので、尊敬しかありません。
何か機会があればできればいいな、と思いつつも、現段階の自分ができる、作れる範囲の音楽はもうわかっているので、憧れとして、一つ別枠のものとして考えることにしています。

今回のアルバムでは「スター」という曲が、とても好きで、音のヘナヘナさ、チープさも内包した楽曲で、好みどストレートでした。

2.Cornelius『変わる消える』(2023)

Corneliusの新譜(実際は配信再開でした)が出ていたので、飛びついて聴きました。
何回か聴いた後に気付いたのですが、坂本さんが作詞をされたようで、坂本さんの『物語のように』を聴いたのが同時期だったので、この歌詞世界に浸かれ流ことができて嬉しかったです。

リズムの組み方や、各トラックのバランス感覚が途方もなく素敵。
小山田さんだし、この洗練された音楽に敬服という感じです。
全然、音数は鳴っていないのに、めちゃくちゃ情報量が多く聴こえるのも、マジックだなと思ってます。

それと曲中のシンセベースの太さはどうしているのか気になります。
mei eharaさんバージョンも含めて、ボーカルの処理もめちゃくちゃ好きです。
何回も聴いちゃう

3.Andy Shauf『Norm』(2023)

Andy Shaufの1stアルバム『The Party』(2016)に衝撃を受けてからというものの、常に新作が出るたびにチェックしないと気が済みません。

1stの作り込まれた完璧具合からして、一つの作品に対し長い時間かける印象を持っていましたけど、ソロ名義のアルバムは年1のペースで出していたり、ソロ名義とは別にバンドをやったりと、かなり多作な方なんだと感じます。

ファンとしては新しい曲がたくさん聴けて、嬉しい限りなのですが、好きな曲とそうでも無い曲の差が、自分の中では1stに比べて激しいのも事実ではあります。
ただ、そうでもない曲でも、たくさん聴いて、好きなところを見つけていく作業も嫌いじゃないので、楽しいです。

来日してくれたら、絶対行きたい一人のアーティストです。

このアルバムを最初に聴いた時の感触は、忘れずに取っておきたいと思ったのですが、先行配信していた冒頭3曲を除けば、現時点で好きな曲は、「Norm」「Daylight Dreaming」。
どちらの曲も遅い

4.Men I Trust『Ring of Past』(2023)

自分基準ですが、どの曲も基本外さなく、シンプルな良い曲をコンスタントに出し、そのどの曲にも節があるのがすごいなと思って聴いちゃいます。
今回の曲も例に漏れず、昔から配信していたと聴いてもおかしくないぐらい、Men I Trsutだし、聴き馴染みがすごいあります。

実験的な要素で勝負をしてる訳ではないアーティストの認識なので、いろんな可能性含めて、新しいアルバムが出るのが楽しみです。
とは言っても、今回のシングルが、新しいアルバムへの軌跡なのかはわかりませんが、近々来日公演があるらしいので、そちらがまず楽しみです。

Men I Trustは、どういう経緯で知ったかは全然覚えていないのですが、下記の曲があまりにも良すぎて一発で好きになったことは覚えてます。

メロディーでまず掴まれて、そのあとは音色でした。
くぐもった音像は、もうすっかりトレンドから定番の選択肢となった気はしますが、そのど真ん中のサウンドの楽曲です。

自分がやっている音楽ユニット"Anisonin"の下記の楽曲は、Men I Trustにどハマりしていたので、ベースの音作りでめちゃくちゃ参考にさせてもらいました。

5.Overmono『Calling Out』(2023)

2020年に出したEP『Everything U need』が超カッコよくて、そこから新譜が出るたびに通知が来るようになってます。
今回のEPも、どうやらアルバムに向けてのシングルで5月に出るみたいです。
来日も決まってるみたいです。

クラブは日頃よりめちゃくちゃ行く訳でもないので、最先端のテクノシーンを知らないのですが、これが現在めちゃ流行ってるのか〜とボーッと聴いてます。

大ヒットしているという「So U kno」も歌メロがキャッチーで素敵ですが、1曲目の「Calling Out」が飛び抜けて好きでした。
他の楽曲と比べて、何がこんなにも自分が好みなのか考えたのですが、一番シンセサイザーの香りがしたのが1番の理由かもしれません。

他の楽曲はどちらかというと歌データを、加工して一つのポップスに仕上げている感じがするのですが、「Calling Out」は歌や声に重きを置いたというよりかは、それぞれのビートやトラックを聴かせるために、声素材を活用した感じがするのです。
性急なビートと、ポリリズムで流れているSynth Pluck的な方向性を持つシンセがめちゃ好きです。

6.フジファブリック『ミラクルレボリューション No.9』(2023)

最近めっきり出不精になってしまったのですが、ある夜散歩してた時にこの曲を聴いて、今のフジファブリックっぽいな〜〜とニコニコしました。
曲の題材やジャケの元ネタはあまりにもクラシックなので、言うのは野暮かなと思うのですが、白盤の逆すぎるジャケのデザインは笑っちゃいました。

間奏の無理矢理すぎるぶっ込みに笑いつつ、アナログシンセであろうシンセの音の太さや、全体の統一された音の温かみの処理を感じられて、気持ちが良いなと思いました。

フジファブリックは聴くタイミングによって、志村さんを思い出して感傷的になることもあれば、そもそも叙情的な楽曲により胸が締め付けられたりしますが、フジファブリックの魅力はこう言う冗談性も大きな割合を占めているのを、忘れちゃ勿体ないなとよく思ってます。

7.Yo La Tengo『This Stupid World』(2023)

アルバム単位で聴きたいアーティスト部門の中でも、かなり上位のバンド、アーティストといえばYo La Tengoです。
将来、隠居できるぐらいお金や時間を持てたら、レコードで聴いて酒をゆっくり飲みたいランキングでも上位です。

昔、OGRE YOU ASSHOLEの出戸さんがYoutubeにて紹介していたのがきっかけで聴くようになりました。

『And Then Nothing Turned Itself Inside-Out』は、Yo La Tengoを初めて聴いて衝撃を受けたアルバムで、何回も聴きたくなります。
ロックバンドのアルバムでここまで「静」での衝撃を受けたことが無かったので、最初は面喰らいました。
しかもその「静」は、ただ静かで変化もなく、落ち着いている音楽が続くということではないのです。
楽曲によっては強い歪みで激しさを持って展開される曲もあるのですが、その激しさを際立たせるための、わざとらしい「静」の音楽でもないので、不思議なのです。
ずっと60度で水の表面がグラグラはしてるという、不安定な「静」で、飽きてしまうことがそんな無いように毎回感じます。

そんな不思議な魅力を持つYo La Tengoの新アルバムということで、先行配信された楽曲もあらかじめ聴いていたので楽しみでした。
蓋を開けてみると、めちゃくちゃ動きのある、ライブ感もすごい感じられる何方かと言えば「動」の音楽で、これもまた驚きました。
さっきから言っているYo La Tengoの不安定な「静」が好きなので、最初はあまり好みでは無いかなと思ったのが、正直な感想なのですが、一周聴いてみるとまた一周したくなりました。
まだ2〜3周ぐらいしかして無いですが、多分好きなアルバムなんだと思います。

このアルバムは詳しい人のレビューや評価を見てみたいので、聴き馴染んだら探してみることにします。

自分が好きだった曲はM4「Aselestine」、M5「Until It Happens」、M9「Miles Away」。
これからどんどん好きな曲が変わっていくのだろうから、年月が経つのは楽しみ。

8.Sam Gendel『COOKUP』(2023)

Sam Gendelという音楽家をどういう肩書きで、何がメインか、未だに掴み切れてません。
というか「概要を掴んでから、音楽の内容を知ろうとする」よりも、まずは音を感じろということだなと思い、この人の発表する音楽をちょくちょく聴いています。

一応、念の為調べたりはするのですが、どれもよくわからないものばかりだったのですが、とても丁寧にまとめられていたブログがあったので、添付させていただきます。

今回のアルバムは、各社に提供されている紹介文だと下記の通りらしいです。
僕はそれほど音楽への造詣は深くないので、知りませんでしたが、どうやらこのアルバムはカバーアルバムらしいです。

LAを拠点に活動するアンビエント・ジャズ・シーンの中心的存在にしてジャズ・エクスペリメンタリストの代表格、サム・ゲンデル。稀有なる才能の持ち主である彼が発表する、1992年から2004年の間にリリースされたR&Bやソウルのヒット曲を独自の解釈で大胆に生まれ変わらせた最新作『COOKUP』がアナログ盤でも登場!
楽曲が持つ抽象的な色合いを、一度解体し再構築させたサウンドで見事に表現する、まさにエクスペリメンタルな唯一無二のサウンドスケープが、ここにある…。

https://tower.jp/item/5641769/Cookup

元々、この人を知ったのが、映画「夢のチョコレート工場」の挿入曲で有名な「Pure Imagination」のカバーを偶然ディグってて見つけたのがきっかけです。
映画「夢のチョコレート工場」は、自分が子供の頃に見て大好きだった映画「チャーリーとチョコレート工場」と原作が同じの1971年の映画です。

映画「夢のチョコレート工場」自体を見たことがなかったのですが、「Pure Imagination」は聴いたことがあり、そのアレンジとしてめちゃくちゃ斬新に感じられ、一瞬で気に入り何回もリピートしました。
元の曲をどう解体し、どう再構築していくのかが、その切り口や組み立て方が面白く、勉強になります。

今回の新譜『COOKUP』も、原曲との聴き比べを楽しめるので、長く楽しみたいです。
あと、単純な感想として、前衛的なことやっているのに難しくないというか、壁を感じないフランクさがあるので、レコードとかで聴いたら飛びそうだなと思ってます。

自分は中でもM4「I Swear」が好きでした。
下記は、カバー元の音源です。

終わりに

自分は音楽を爆音で聴ける環境に住んでないので、レコードやCDをたくさん買ってディグるタイプではなく、Spotifyで有象無象にある音楽を探っていくタイプです。
ディグれるように追いかけているプレイリストがあり、それらが自分にとってのレコード屋のような気分です。

この人生でめちゃくちゃ聴いたアルバムに関しては、レコードで買い揃えて、それらを眺めて酒を飲みたいです。

最後、楽曲のリンクで終わるのもなんだかなと思ったので、結びの文章として適当に書きました。

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