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初めまして。私たちが木地師です。


皆さん、”木地師(きじし)”の存在をご存知でしょうか。

私たち日本が誇る伝統工芸の一つ、北陸は石川県加賀市にある山中漆器。私たち匠頭漆工(しょうずしっこう)はそこで代々”木地”を挽く木地師です。山中漆器は勿論のこと、日本における伝統工芸は工程別に多くの職人が関わっています。その中でも、漆を塗る手前、木を挽きあげ器=木地を作るのが私たち木地師の仕事です。


山中漆器の中だけでも、

山師 ➡ 木材市場 ➡ 荒挽き師 ➡ 木地師 ➡ 下地職人(下塗り)➡ 塗師(上塗り)➡ 蒔絵師

と多くの工程を経て一つの器が出来上がります。そしてこの一つ一つの工程をそれぞれのスペシャリストである職人が支えているのです。


出来上がりあなたの手元に届く器は、どれだけの工程を経たのか、どんな人がどんな思いで携わったのか、どんな技術が施されているのか、どんな歴史や実状があるのかは語りません。静かにそこに居て、じっとあなたに使ってもらうのを待っているだけです。

でも、だからこそ、一つでも…少しでもいいから知って欲しい。

そんな想いを少しずつでもカタチにするために、note始めます。

1937年の初版発行から現在まで愛され続け、最近は漫画化もされ話題になった吉野源三郎の「君たちはどう生きるか」。この本の中でコペル君が気づいたように、たった一つのものの後ろには数え切れないほどのヒト、モノ、コトが隠れているんです。

このnoteを通して、伝統工芸という近そうで遠い存在になってしまっている漆器のこと、そして木地師のこと、今置かれている状況など、私たちだからこそ見える視点で綴っていきたいと思います。


(ちなみに漫画よりも原作の岩波文庫をおススメします!)



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ほんの少しでも、そんな想いが届き、繋がっていきますように。

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