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武道から学ぶ現代社会を生き抜く術

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武道の有段者(合気道弍段)である筆者が稽古や過去の達人の書物を通じて学んだ教訓をまとめています。
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2024年3月の記事一覧

バイオメカニクスと合気道

バイオメカニクスと合気道

バイオメカニクスという学問領域を知っているだろうか。「生体力学」と訳され、物理学や解剖学等の知見をもとに、人体の動きを複合的に捉える学問である。私は専門家ではないが、合気道を考えるきっかけになるかもと以下の本を読んでみた。

一万円弱する教科書だが、体系的かつ基礎的なバイオメカニクスを学ぶという意味で非常に良い本である。
この本を読んで、合気道の稽古のアプローチの一つとして、技の理合を物理学的に理

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戦前の合気道の特徴とは何だったのか弟子たちの証言から考えてみる

戦前の合気道の特徴とは何だったのか弟子たちの証言から考えてみる

合気道はよく戦前・戦後でわけられたりするんだけれど、実際のところ戦前の合気道ってどんななの?というのを調べてみた。

ちなみにあくまで証言ベースであり、実は言えない裏話みたいなのは一切考慮してない。

あと、伝書から読み解ける要素もあるけど、長くなるので今回は割愛する。
興味ある人はコチラからどうぞ⇒戦前の武道書『武道練習』『武道』から合気道を読み解く|合気道化師マツリくん (note.com)

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戦前の武道書『武道練習』『武道』から合気道を読み解く

そもそものキッカケはこの記事。

戦前の稽古の実態を探ってると、『武道練習(合気柔術伝書)』(1933)と『武道』(1938)からも色んなことが見えてくる。

そんなわけで、先の記事では割愛した部分を解説していく。

メインとなるのは植芝盛平はなぜ技の説明をしないのか?という点だ。ほとんどの弟子が盛平はぜんぜん説明してくれない!技は忘れろとしか言わない。みたいな事を言っている。

その答えらしきも

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型稽古の重要性

型稽古の重要性

先日、剣術の達人として知られる黒田鉄山先生がご逝去された。私は合気道家だが、先生の書籍からたくさんの示唆を頂いた。
複数の書籍があるが、私が拝読したのは「気剣体一致の武術的身体を創る―ふたつとない姿態創造への道標」である。

この本では、剣術の型を通じて、武術的な体、姿勢を作っていくという考え方が示されている。つまり型稽古の重要性と意義を実体験に基づいて示していると言える。先生の継承される流派では

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