僕はカフェで読書ができない
近所のカフェに行くことが週末の趣味になっている。
日常的にコーヒーは飲むけど、インスタントコーヒーや、缶コーヒーばかりだ。
コーヒーは好きだけど、マニアではない。
ブレンドとか、エアロプレスとか、どこ産が好きとか、わからない。
これではコーヒー好きと公言しづらい。
「それに、コーヒーの豆にこだわってます」っていうと、なんかおしゃれでカッコよくないか?
幸い、歩いて5分くらいの所に、おしゃれなカフェがある。
コーヒーもおいしいと評判だった。
先週はピークタイムに訪れてしまい、テイクアウトでしかもよくある水出しコーヒーを頼んでしまった。コーヒーもよく味わえなかった。
今日こそはカフェで、優雅に本でも読んでやろう。
これで僕も「優雅族」の一員になれる。
気合いを入れ、ピークタイムを避けた。
店内に入る。誰もいない。
完璧だ。
とりあえず、おススメのエアロプレスアイスコーヒーを注文した。
すると、マスターが「豆を6種類の中から選ぶことができます。」
と言った。
これはいきなりハードルが高い。
僕はまだそこまでコーヒースキルがあるわけではない。
センスある豆を選べるのか?自分にあう豆を探せるのか?
これは試練だ。
豆の表を見てみる。
ありがたいことに、味の指標が書いてあった。
「ダークチョコレート/カカオ/ブルーベリー」
なるほどわからん。
コーヒー豆なのにブルーベリーの味がするのか?フルーティってなんだ?
苦いコーヒーにフルーツの味がするのか??
とりあえず、一番苦い豆を注文した。
苦いコーヒーに合うのは、甘いものだ。
「バスク風チーズケーキ」とやらも注文してみた。
僕はチーズケーキが好きだが、「バスク風」の意味はいまだによくわかっていない。
一人用の席に座り、カバンから本を取り出す。
コーヒーとチーズケーキも配膳された。
準備は整った。
コーヒーを飲む。チーズケーキを口に運ぶ。ページをめくる。
本の内容は面白い。これで僕も「優雅族」だ。
気づけば、ぼちぼちお客さんが入ってきた。店内の音量が少し上がる。
僕はレジの隣に座っていたので、お客さんから見下ろされる位置にいる。
おそらくお客さんはメニューを見ているんだろうが、僕を見られている気分だ。
集中できない。
本も、字をなぞるだけで、内容が全然入ってこない。
これでは全然優雅じゃない。
結局、コーヒーをいそいそと飲みほし、帰路に就いた。
家で読んだほうが、各段に集中できた。
僕はカフェでおしゃれに作業している人にはなれないんだと再認識した。
でも、おいしいコーヒーは飲みたい。
だから、これから家をカフェにしようと思う。
まずは、家でおいしいコーヒーを淹れる勉強から始めよう。
とりあえず、来週はカフェにおいてあったコーヒーの本でも読みに行ってみよう。
来週はどんなコーヒーを飲もうかな。
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