見出し画像

ぼくが思ってるのに(人形遣いのきみへ)【詩】

脳神経科学者は言う

「詩を書こう」
ぼくがそう決めた七秒も前に
詩を書こうと決めたやつがいると
いつだって先回りして七秒前
ぼくより先に

ぼくが決めたのに
ぼくが思ったのに
本当はぼくじゃないという

「今」
「い」・「ま」と言葉を選んだ七秒も前に
ぼくより先に
今は決まってて
じゃあ七秒前 今を選んだのは誰
今を叫んだぼくは
操り人形か

ぼくが決めたのに
ぼくが思ったのに
本当はぼくじゃないという

脳髄の最深奥
虚無から手を伸ばして
ぼくの耳を引っ張り
ぼくの眼を剥き出して
ぼくの舌を掴み出す
「お前は誰だ」

「だ」・「れ」・「だ」
問いかけの言葉も
七秒前に決まっていたことです
脳髄の奥にいる
虚無がにやりと笑う

じゃあ
ぼくは誰
七秒前の台本で
台本通りに動いてる
操り人形のぼくは
ただの骸か

じゃあ
そこに命を吹き込んだかのように
如何にも生きているかのように
主人であるかのように
思わせている
人形遣いのきみは
誰?
きみは誰なんだ!

よろしければサポートお願いします。もし、御支援いただけたときは、大好きなみたらしだんご(コンビニで百円くらいで売ってるの)を食べて、また創作に励みたいと思います。