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「ソファーみたいに寛げる総務でありたい」(株)ショーケースのマザーテレサ・山口麻実子の仕事観

“総務”と聞くと、どんなイメージがあるだろう?
事務? 雑務? 縁の下の力持ち?
そこで、今回は社員から(株)ショーケースのマザーテレサとも言われるベテラン総務の山口麻実子(やまぐち・まみこ)さんに、仕事観や組織の中での役割の見つけ方についてお話を伺った。

インタビュアー:さっそくですが、山口さんは長いあいだ総務一本でお仕事をされていると伺いました。総務の仕事とはいつ出会ったのでしょうか?

山口:総務をはじめ、バックオフィスの仕事に携わってからはもう17年になります。でも、実は最初は幼児教室の先生が私のキャリアのスタートでした。もともと子どもが大好きで、子どもたちが「先生〜先生〜」と寄ってきてくれるのがすごく嬉しくて。その後、20代後半で転職して企業のバックオフィス業務に携わるようになり、2005年にショーケースへ入社しました。

インタビュアー:2005年は、ちょうど会社がショーケース・ティービー(現・ショーケース)として立ち上がった年ですね。となると、今年でショーケースは13年目ですか。

山口:そうです。私が入社した時は、会社はまだ十数名の規模でした。当時、私の中で上場を経験してみたいという気持ちが強く、ショーケースは上場を目指していると聞いて入社することにしました。今いる社員の中では、実は社歴は一番長いです。森会長には、「山口さんは、気づいたらいたよね」と言われています(笑)。

困ったら、「とりあえず総務に聞こう」はウザい?

インタビュアー:なかなか“総務”という仕事のイメージを持ちづらいのですが、山口さんは総務ってどういう仕事だと思われていますか?

山口:総務って、雑務や庶務のイメージが割と強いですよね。

インタビュアー:何か社内で分からないことや困ったことがあると、「とりあえず総務に聞こう!」というのはありますね。申し訳ないデス…。

山口:でも、私はそれって嬉しいことだと思っているんです。聞いてくれるということは、頼ってもらえているということなので。メンバーにもいつも言うのですが、総務というのはすべての社員と関わる仕事であり、社員と社員を繋ぐ役割でもあります。だから、何か聞かれた時には「それ、総務の担当じゃないよ」というスタンスではなく、「これは〇〇さんに聞けばわかるよ」と一次請けするスタンスでいたいですし、実際にショーケースの総務のメンバーはそのように行動してくれていると思います。私としては、業務に関わることでなくても、ちょっと疲れた時にふらっと来て落ち着けるような「ソファーみたいな存在」でいられたらと思っています。

インタビュアー:ソファのような存在…。社員の皆さんが、山口さんを「マザーテレサのような人」と言う意味がわかった気がします。

山口:いやいや。社員の皆とのコミュニケーションは私の楽しみでもあるんです。総務にとっては、社員の皆さんがいわゆる私たちのクライアントとも言えるので、クライアントから「ありがとう」「助かります」と言われたら素直に嬉しく感じます。

組織で「自分の役割」ってどうやって見つけたらいい?

インタビュアー:会社や組織の中では、皆が何かしら「役に立ちたい」と思っていると思います。でも、たとえば新入社員などはまだ成果も見えづらく、自分の役割について悩んでいる人もいるかもしれません。そんな人たちへ向けて、ショーケースに13年いる山口さんはどういうアドバイスをされますか?

山口:私自身、新人時代はあまり自分の役割について深く考えたことはありませんでした。ただ、まだ会社の規模が小さかったこともあり、会社全体を見られる状況にあったので、「今はこういうことをした方がいいな」というのは見えやすく、行動に移しやすかったかもしれません。そんな中で、自由に挑戦させてもらいながら、いろいろなことを積み重ねるうちに「もしかして、私の役割はこういうことかな?」とだんだん分かってきたかなと思います。最初から役割をかっちりと決めてしまうと、枠に縛られてもったいないとも思うので、特に若いメンバーには働いていくうちに新しい自分を発見してほしいなと感じます。とはいえ、会社や上司に何を期待されているのかを知ることは大切です。それを知るためにも、まずは目の前の仕事を責任を持ってやり遂げ、成果を出す。すると、おのずと自分の役割も見えてくるのではないかと思います。

余白から生まれる組織への新たな貢献

インタビュアー:山口さんは、今年の社員総会で2018年度の「社長賞」を受賞された印象も強いです。受賞については、どのように感じていらっしゃいますか?

山口:まさか、社長賞をいただけるとは思ってもいませんでしたが、素直に嬉しかったです。入社してから13年。2005年に上場を謳い始め、皆でさまざまなことを乗り越えながら約10年をかけて上場を果たし、今や社員は100名近くにもなりました。今回の社長賞は、そんな私に「会社にいてくれてありがとう」という言葉を投げかけてくれたような気がしています。13年間、頑張ってこられたのは、この会社での人との繋がりのおかげです。どんなに業務が大変でも、いつも人に支えられてきました。これまでの経験はすべて自分自身の大きな財産になっています。

インタビュアー:今年からは会社として「第二創業期」を掲げていますが、総務や山口さん自身としては今後についてどのように考えていらっしゃいますか?

山口:第二創業期に当たり、総務ではスピード化とスリム化をテーマにしています。余分なものは省き、ダブっているものは一本化し、全社的に効率化を図りたいです。スリム化・スピード化が実現すれば、そこには新たな余白が生まれるはず。その余白をさらなる組織の貢献として活用していきたいです。そして、今後さらに社員が増えたり、会社が拡大しても、いつまでも人と人との繋がりがある会社であるために、これからも「何でも助けてくれる」と思われる総務でありたいです。

■プロフィール
山口麻実子(やまぐち・まみこ)
株式会社ショーケース 総務部。2005年入社。2018年度「社長賞」受賞。社歴最長。社員からは「ショーケースのマザーテレサ」的存在とも言われる。

文/坪井安奈

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