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住宅街いろいろ、今後の妄想

有名な高級住宅街

 私は、街並みや住宅街を見て回るのがとても好きです。特にひと昔に造成したもの、とりわけ高級住宅地が。(買えるお金はないけど、妄想膨らますだけでも楽しいので)
 関東では田園調布、成城や横浜山手、関西では芦屋の六麓荘町は、全国区の知名度を誇っていますので知っている方も多いと思います。
 その中でも芦屋の六麓荘町は、田園調布や成城の比ではない別世界でありました。スケールもですが、早くから電柱の地中化もされることでの空を大きさを感じ、大きな区画とともに庭木等の各種ルールを守り街全体での統一感を出す努力により、街並みが維持されています。また、歴史の積み重ねで醸し出される雰囲気は、日本とは思えない”異空間”です。一度見に行くことお勧めします。本当に日本にこんなところがあるんだとのけぞります。

知る人ぞ知る高級住宅街

 住宅街に詳しく関心のある方には有名かもしれませんが、ユニーク且つ六麓荘町にも引けをとらない高級住宅街はあります。

披露山庭園住宅(神奈川)

 神奈川県の逗子にあるこの住宅街。歴史も古く1960年代後半から造成が始まったとのこと。芸能人含め多くの方が居を構えており、有名な部類に入るかもしれません。ここも風光明媚な環境とともに、六麓荘町にも似たスケールの大きさと街並みを維持することで醸し出される雰囲気は圧倒されます。

開発当時の写真(眼下に海や逗子マリーナもある希少なロケーション)

 街並みとともに興味深いのが、この街の企画をしたのが、テレビ局のTBSのグループ会社、TBS興産(今は存在しない模様)という会社であったこと。TBSのグループ会社に不動産会社があったことも驚きとともに、これだけのスケールのデカい企画と実行力、昔の方の壮大さと実行力に敬服します。その当時から電柱の地中化含め実行されており、先見性と計画性にも驚かされます。六麓荘町を参考にしたとも言われていますが、時間の経過とともに家は建て替え等されていても、良い新陳代謝がなされ、決して古さや停滞感を感じさせないのもすごいところです。

ワンハンドレッドヒルズ(千葉県)

 こちらもある意味有名です。東急不動産がバブル期に造成し販売した千葉県の住宅街。通称、「チバリーヒルズ」。
街全体が塀で囲われた別世界。家々は、アメリカのドラマや映画に出てきそうな家ばかりで、こちらも区画も家もスケールがすごい。
 ただ、販売時でも高額であったこととタイミングがバブル崩壊時とも重なり、思ったほどの売れ行きではなく、バブル時代の負の遺産のような用いられ方をされているようにも思います。

家々が統一された「洋館」と区画のデカさに圧倒されます!

 先程バブル期の負の遺産のように用いられるとお話ししましたが、私はバブル期の日本のイケイケぶり、物凄いエネルギーがとてつもない企画を生み出したのかなと思い、今の日本にもこれくらいのエネルギーと躍動感があっても面白いなとも感じたりします。
 確かに、都心からは遠いのはありますが、在宅勤務も拡大する中では、都心にいる必要性も少しずつ薄れている部分もありますので、地方移住の一環として、こうした広くてワクワクする住宅街が選択肢に入ってくるのも良いなと妄想しています。

南山エピック(愛知県)

 ここは、あまり有名でないかもしれません。名古屋市に隣接する地に位置し、ゴルフトーナメントでも有名な三好カントリーや牧場に隣接する、緑豊かな場所にあります。詳しい造成時期はわかりませんが、散策して感じたのは、推定するに1970年代あたりかなと思います。
 電柱の地中化といったことはされていませんが、こちらも区画がでかい。
 街全体に古さは否めませんが、散策すると贅を尽くした家も多く見受けられ、すごいなと思いますよ。

住宅街造成のスケール

 他にも、私の散策では、関西圏を中心にすごい住宅街はあります。西宮の苦楽園、東豊中もすごいです。関東圏と異なり、関西圏は区画ひとつ一つの大きさが大きいのが印象的です。他にもいろいろあると思うので、教えてください。
 昨今は、戸建てに対するニーズの変化もあり、全体的に小ぶりなコンパクトになっていることは否めないと思います。それ自体は否定することではないですが、昔の右肩上がり時代の、野心的ともいえるスケールの大きさと発想力は見習いたいなとも感じます。
 当然、昔の造成地(いわゆるニュータウン)の中には、粗製乱造のように作られたものも多く、今や「限界ニュータウン」と言われたりしているものや、悪く言えば時間が止まってしまっているのもあります。
 こちらは、スケールが逆に小さかったりしています。高度経済成長期やバブル期は、スケールの大小混ぜこぜだったのだなと。
 こうしたスケールの大小、時代の変化もふまえ、これからに活かせるものはないかなと思ったりしています。

これからの住宅街にあってほしいこと

 人口減少やオンライン活用した在宅勤務の広がりも考えると、昔の住宅街造成に向けてチャレンジしてきた先人たちの事例をふまえ、日本の住宅街のあり方を変えていく好機なのかなと思います。

スクラップ&ビルドによる郊外住宅街の再生

 人口減少が減少し、過去のニュータウンは「高齢者」割合や「空き家」が多い等言われています。所有権等の問題もありますが、勝手な妄想として受け流してください。
 ・「二戸一、三戸一」:広い敷地を確保するために、新たな住宅街を造成するのではなく、既存のニュータウンの隣接する区画をくっつけて敷地を拡大していくことです。都心では、過去の大きな敷地を区割りすることが多く、狭小住宅が誕生していますが、郊外は区画を割るのではなく区画をつなぐことで、再生できないものかと思いを巡らせています。
 都心は、タワーマンションのように「上に伸ばす」、郊外は、「横に伸ばす」という発想です。
 ・「選択と集中」:郊外のニュータウンの中で、残すものを選択し、空き家を埋めるように集中的に移転を促す。選択するニュータウンは、広い敷地を確保できることや規模が大きいものを優先的に。小規模で粗製乱造されたようなニュータウンからの移転を促し、行政コストも低減できないかなと。移転により空いたニュータウンは、規模がそれなりに大きいところは、再生可能エネルギー拠点等への転換、小さいところも緑化することで活かせないかなと妄想。

インフラ

 電柱の地中化は、昨今新しい住宅街では計画的に実施されていることもあります。電柱の地中化は、空の抜け感は、全く違いますし、豊かな気持ちになります。
 それ以外にも、エネルギー源の有効活用の観点での、コジェネレーションを住宅街単位で持つ、隣接する場所に再生可能エネルギー拠点を持つなんてのも良いなと思います。そうすることで、省エネとともにコミュニティの再生にも寄与できないかと。

 「広さ」を求め、その意義を理解してきた住民の協力で今も維持されていることで「豊かさ」を育んでいるかつての住宅街の例を見習い、これからの時代に即した「豊かさ」を育む住宅街の誕生を願っています。




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