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パワハラブラック社 後編

前回の続き。
書いて私がスッキリしたいだけの話。
パワハラ体験談は、いずれマガジンにまとめたいと思う。

ここに書いたことに肉付けしたら、小説ができてしまいそうだね。
事実は小説より奇なり。


約10年前のある日、
勤務先がなくなるという話を聞いた。

私の勤務先は、郊外にある支社だったのだが、
支社の大半を閉めて、本社に統合するという。

個人面談が行われた。
勤務3年、そういえば面談など初めてのことだった。

都会の中心地にある本社で働くかどうか。
3年前の面接ぶりに会った社長に問われて、
「本社は遠いので通えそうにありませんし、転居も考えていません」と断った。
仕事をしていてもだるすぎて、窓から飛び降りることばかり考えてしまうのだ。
すっぱり辞めて、楽しいことしたいなと思っていた。


支社閉鎖が決まる前、上司Nの勤務態度は目に見えて悪くなっていた。

私が嫌だったのは、Nの不機嫌そうな態度、
「一度言ったことをまた言わせるな」というような威圧的な言葉だった。
今でこそパワハラだと思うが、その頃はまだパワハラという概念がそんなに浸透していなかった気がする。

有給休暇も取りづらかった。
有給休暇を取るには、Nに伝えなければならなかった。
伝えてもダメとは言われないが、嫌味を言われるのではないかとビクビク。
いつもNの機嫌がよさそうな時を狙って話しかけた。

これらのことは、社会人あるあるだと思っていた。
新人とは叱られるもの。嫌な思いをするもの。
有給休暇は取りづらいもの。
だから、一過性の痛みだと我慢していた。
しかし、心に重たいものが積もっていった。

他の社員もそれぞれにNに不満を持っていたらしいことは後で知ったが、
Nの言動が「社会人としてどうなの?」と、社内外の人の目に留まり始めた。

それは、
・遅刻
・無断欠勤
・二日酔い(ゆえに不機嫌)

Nのデスクにはいつも書類が山積みになっていた。
優しい男性社員Sさんも「仕事たくさん溜めていて疲れているのはわかるけど」と同情しつつ、このままでは良くないと思ったらしい。
「社内の空気が良くない」と言っていたベテラン女性社員Iさんの働きかけもあったのだと思う。
Nを除いた社員(約10名)が集まる飲み会が開かれた。



そこで社員たちの口から、Nへの不満をたくさん聞くことになった。
遅刻、無断欠勤、二日酔いのことがメインだった。
私と同じように、みんなNを嫌っていることがわかった。

「しょうさん(私)は、Nさんについてどうかな?」と意見を問われた。
新人の頃はNが教育係で嫌な思いをしたが、
今はSさんに指示を仰ぐため、Nと関わることがなく、感覚が薄れていた。
本当は「偉そうな態度が嫌です」などと言えたら良かった。
10人ほどの社員からの視線が集まる中で話すことは、私にとって困難だった。
「私は今あまりNさんと関わる機会がないので、よくわかりません」と答えた。
偽善者である。
だけど、その時にはうまく言葉にできなかった。

全員の意見を取りまとめたSさんは、
「Nさんのことは改善してもらうよう社長に伝えるよ」と言ってくれた。
やっと今になって、Nの言動をただす時が来たのかと思った。
遅すぎる。
だって、もうこの支社は閉鎖し、みんなバラバラになるのだから。

NやSさんら男性社員は、本社への転勤が強制的に決まったが、
女性社員の大半は退職を選んだようだった。



しかし、
N以外の社員で結託し、Nを追い込むというか除け者にするようなやり方は良くないなと思っていた。
Nを共通の敵にするというか。
実際に、除け者にしたり、意地悪をしたりしたわけではないが。
こういうことで社内の結束を強めたくなかった。

それからのNのことや、支社勤務の最終日のことなどはまったく覚えていない。



人間関係が良ければすべて良い。
悪質な態度をとる社員のことや、低賃金、劣悪環境に悩むより、
どうやったらもっと仕事、ひいては社会が良くなるかを考えていけるような
前向きな人間関係・環境の中にいたい。


この記事を書くことになったきっかけは、夢にNが出てきたこと。
私は、夢の中でNのことを「可愛いところもあるじゃん、良いところも」と言っていた。
現実には思っていないのだが!!!

そうやって当時も、なんとかNを好きになろうと、
もしくは標的にされないよう仲良くできたらいいなと、頑張っていたのである。
「私はあなたの敵ではない、だから安心して」という態度に努めていた(聖女)。
だけど、嫌う心は隠せないものなのかな。
Nの態度を何ひとつ変えることはできなかった。

直近のパワハラのときも、追っかけで嫌な思いをしたときも、こんな気持ちだったので、
合わない職場(人間関係)は、努力しても合わないのだと思う。

最後のほう、よくわからないことを書いたと思うけど伝わるだろうか…?
普通、嫌な思いをしているのに、聖女になろうとしないよね…。
傷ついたら傷ついたと言えたらいいのに。
これからは、自分を傷つけない環境を選ぶ!


完。

サポートありがとうございます。