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以前、以下の記事を書きましたが、今日も「サザエさん」のことを書いてみたいと思います。

「サザエさん」の磯野家、「昭和の世帯」と言い切れるほど、当時の典型的な家族構成かというと、案外そうでもないかな、って気はします。

まぁ、令和の今から見ると、あんまりお目にかかれない家族構成ではあるかと思いますが…。

家系図で家族構成をちょっとおさらい

ネットで拾ってきたものですが、まずは家系図をご覧くださいませ。

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ご存じの方も多いかと思いますが、サザエさんの一家は7人家族です。令和の今では、大家族の部類かもしれません。
家長の磯野浪平(54)とフネ(52)夫妻、およびその子どものサザエ(24)、カツオ(11)、ワカメ(9)、さらにサザエの夫・フグ田マスオ(28)とその子どものタラオ(3)の「二世帯&三世代」が同居している家族です。まぁ、二世帯住宅なんてのは今でも普通にあるので、さして珍しくはないのですが、娘婿とその子ども、波平夫妻から見たら孫まで同居した三世代同居がプラスオンされてるのは、いささか珍しいかとは思います。

( )内の数字はもちろん年齢ですが、今から見れば、見た目と年齢のギャップに驚かされます。やはり時代を感じますね。
あと、サザエさんとカツオくんの年齢差が13歳、ワカメちゃんとは15歳。つまり、ワカメちゃんはサザエさんが高校1年生くらいの時に生まれたということになります。まぁ、こちらもどうなんでしょう、レアな部類なのかなとは思います。

余談ですが、ご先祖様のお話

家系図の最上位に位置するご先祖様。「磯野藻屑源素太皆」(イソノモクズミナモトノスタミナ)と言います。
幕末の九州武士で、磯野家が源氏の家系であることがわかります。名前の藻屑は諱(いみな)の「スタミナ」に繋がることから、もずくの異称(あるいは海藻類の総称)と思われます。
お彼岸におはぎを三十八個食べて殿様のお褒めに与ったという逸話を持ってます。
子孫をあたたかく見守ってらっしゃる方で、お盆やお彼岸の話ではおはぎに惹かれて東京の磯野家にもやってきます。作中で日記が見つかりましたが、波平同様「三日坊主」で終わってました。
波平は「ご先祖様」と呼んでますが、波平は原作では明治生まれなので、維新期の人物である藻屑氏は、祖父か曽祖父くらいの、割と近い先祖と言えます。

平屋4DK、推定敷地面積115坪の立派なおうち

こちら間取り図です。

間取り図

居間をダイニングとすると4DK、推定敷地面積は115坪になります。敷地は、普通の家の倍以上になるんじゃないでしょうか。広いです。

で、この家は、東京都世田谷区桜新町だと言われています。ちょっと調べましたが、直近の地価は、公示地価の平均値が79万2714円/㎡(2021年[令和3年])、坪単価は262万543円/坪だそうです。
115坪は約380㎡ですので、計算は「380×792,714=301,231,320」ってことになります。つまり、土地価格だけでも約3億円ということになり、磯野家の家の価値は、少なくとも「3億円超え」ということになりますね。

いったいいつからそこに住んでるのか、どういう買い方をしてるのかは知りませんが、なかなかの家に住んでるってことになります。

波平とマスオは、いったい何をしている人物か

浪平さんは、一部上場の総合商社の社員です。元局長で、現在はなぜか平社員だそうです(何をしでかしたのか、あるいはそういう会社なのか)。マスオさんも一部上場の総合商社の課長です。まぁ、たぶんそこそこの高給取りでしょう。

学歴は、浪平さんが「京都大学卒」マスオさんが「早稲田大学卒」です。
浪平さんの奥さんのフネさんは「日本女子大卒」、そして主人公のサザエさんは「アワビ女子学園大学卒」だそうです。なぜかここで突然架空の女子大が登場します。

弟のカツオくんはその後、「都立高校」を卒業した後に花沢不動産に入社するそうです。あの花沢さんのお父さんのとこですね。従って最終学歴は高卒です。
一方、妹のワカメちゃんは、後に「北里大学」を卒業し、看護婦になってます。
そして、タラちゃんは「明治大学」を卒業してます。

その他、波野家は、ノリスケさんが「東京大学」の法学部卒タイコさんが「立教大学卒」イクラちゃんが「慶応義塾大学卒」となってますね。
カツオくんを除き、みなさんなかなかの高学歴です。ただし、「アワビ女子学園大学」の偏差値がどのくらいかはわかりません。

サザエさん一家は、決してありふれた家庭ではない

つまりですね、「時代の経過と共にこの家庭の見られ方が変わってきた」というよりも、「そもそもサザエさん一家は、ごく一般的な、ありふれた家庭ではない」ということかと思います。
普通の連中だと思ったら、大間違いなのかもしれません(笑)。

言い換えれば、サザエさんという物語は、「都心の一等地の3億円もする庭つき一戸建て住宅に住んでいる、高学歴の一部上場勤務サラリーマンの2世帯家族が織りなすドタバタストーリー」ということになるわけです。

なんかカツオくんに妙な親近感がわいてきましたわ。


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