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こいつの名前は、「シロワニ」と言います。「ワニ」なんて名前がついてますが、ネズミザメ目オオワニザメ科に属する、れっきとした「サメ」です。ワニというのはサメの別称で「和邇」という字を書きます。クロコダイルとかアリゲーターの、あのワニとは違いますね。

かなりイッちゃってる、やばい顔はしてますが…

このサメ、顔はかなりあれですが、実は案外おとなしくて、人を襲うなんてことはまずありません。
全長3.2メートルにも達するでっかいサメで、主なエサとなる生物は、魚類、甲殻類、頭足類(イカとかタコとか、ですね)。世界中の暖かい海の沿岸に生息していて、活動は夕方から、昼間は岩陰などでじっとしていることが多いと言われています。

こいつが変わってるのは、その繁殖様式で、サメの中でも珍しい「卵食・共食い型」ということなんですね。主なエサの「魚類」の中には、同類も含まれるということです。
で、さらにこいつが変わってるのは、子宮の中で共食いをしちゃうということなんですね。
子宮の中で卵がかえる、その中でも強い1匹が他の子どもや孵化していない卵を食べてしまう、栄養つけてそこそこ成長してから産まれてくる、と…。子宮は2つあるので、最高でも出産される数は2匹のみということになります。

他のサメにも見られますが、出産したら親は産みっぱなしで面倒をまったくみません。すでに自分の腹の中でほかの子を食っちまうくらいに成長してから出産するわけですから、まぁ、ほっといてもそこらへんのを食べて生きていけるでしょう。

水族館でなぜまわりにいる魚を食べんのか?

この一見獰猛そうに見えるシロワニくんですが、性格は割と温厚とのことで、人を襲うなんてことはないわけですが、水族館なんかでは他の魚たちと一緒に、同じ水槽を泳いでるわけですね。福岡の水族館、「マリンワールド海の中道」なんてのが有名ですが、そこにも何匹かいます。まわりにはイワシとか、まさに新鮮でおいしそうなのがいっぱいいるわけですよ。でもね、食べないそうです。なぜか…?

「おなかすいてないから」だそうです(笑)。

最大3メートル超えなんてでかい体の割りに、この子たち非常に小食で、1日魚一匹とかのエサで大丈夫なんだそうです。
エサ代少なくてすむ優等生。ちゃんとエサをあげてれば、おなかすかないんで、まわりのおいしいイワシなんか見向きもしないわけです。

ただ、最近問題がおきてます。それはね「ダイエット問題」。太っちゃってるんだそうですよ。長浜あたりの市場から仕入れたおいしいサバだのイサキだのをエサで与えてるそうで、食いつきがいいらしいです。

福岡のお魚、おいしいですし、まぁ、そういうことになるでしょう(笑)。

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