都市経営の系譜を理解する一冊、「人口減少時代の都市」

昨日、オンラインで京都大学財政学研究会の春企画に登壇させていただく機会を頂きました。本当は現地であれこれリアルに議論したかったのですが、こんなご時世仕方ありませぬ。

さて、お声がけ頂いた諸富先生のこちらの一冊を発売当初に読んでいたのですが、読み返しています。本当は昨年登壇させていただく予定だったのがコロナで流れて、今年はこそは! と思ったら緊急事態ということでオンラインで登壇させていただくことに。また落ち着いたらリアルで研究会の皆様とは議論したいものです。

さて、こちらの諸富先生の「人口減少時代の都市」については、これからの日本における都市経営においても有益な内容が多い一冊なので、今度noteにもまとめておこうと思ってます。特に戦前とかの東京大阪の都市間競争については、一橋ビジネスレビューに木下が寄稿した視点にもつながるところでもあり、さらに株式会社神戸の評価なども興味深いです。都市経営の系譜を理解するのには良いですね。本書について諸富先生との対談もお願いしようかな。

財政視点も単なる予算サイドだけでなく、戦前からの国と地方の税源獲得の争い、戦後の流れも含めて都市経営の系譜について知り、今後を考える示唆に富んでいます。

さて昨日研究会であれこれやりとりする中で私なりに感じた点について整理しておきます。

○ 大学の地域貢献とはなにか

質問でも頂いたのは、地域大学が地元の商店街などにでていってワークショップをしたりとかするフィールドワークとかに意味はあるのか、というお話です。意味がないとは言わないものの、それが「大学」にしかできないことか、と言われると、単に若い学生さんを授業という名目でただ働きしているのを「学びもあるから」ということで処理するにとどまっているものも少なくないと感じます。というのもそこから何かが始まるわけでもないし、なにか地域での課題分析の根本的な解決に繋がるということもかなり乏しいところです。

ここから先は

2,080字
この記事のみ ¥ 500

サポートいただければ、さらに地域での取り組みを加速させ、各地の情報をアップできるようになります! よろしくお願いいたします。