事例分析に求められる3つの理解〜結果理解、プロセス理解、抽象理解〜
この分野でもよく質問されるのは「今注目されている、いい事例はどこですか?」という事例質問です。そこにいって具体的な事例をみて学びにしたいというのはよく分かるのですが、一方でその人が適切に見に行って理解できるか、というとそのための適切な事例分析能力が求められます。
半導体工場を見に行って、素人ではそこの技術力や製造方法の特徴などがすぐに分からないように、地域活性化などの現場にいっても、結果として成立している現状をみるだけでその背後にある特徴、優れている点などを見分けるのは大変むずかしいものです。
結局、1事例を何らかの答えのように扱うような劣化コピーでのまちづくりは、大抵の場合は成果が出ないわけです。もしくは「うちのまちとは全然違うから参考にならない」とか言い出す人も全く事例の要素抽出力がない典型です。事例から得られる情報を適切に理解するためには、ちゃんとした分析能力が求められます。
私は事例分析については3つの段階があると思っています。
○ 第一段階 : 結果理解
1つは現状を正確に理解できる結果理解です。事例視察というのは様々なトライの結果を見ることしかできないのですが、それも思い込みではなくちゃんとファクトベースで理解できるか、が問われています。
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