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読了記録『ふるさとって呼んでもいいですか: 6歳で「移民」になった私の物語』

著者のナディさんは、6歳の頃にイランから家族で来日された方です。

幼かった彼女が、社会の片隅に隠れながら生活し、言葉、習慣、制度などの様々な壁を乗り越えながら成長していく記録です。その懸命に生きるすがたには胸を打たれます。

現在、日本は移民社会に移行していっています。この本に書かれていることは、決して遠くのことではなく、まさに日本に暮らす私にとっては隣人たちについてのことが書かれています。

ナディさんが6歳だったのは、今から30年近く前のことですので、この本のエピソードの多くはかなり前の話しなのですが、未だに解決していない問題や、むしろ悪くなっているとさえ思えるような問題もあります。そういうことについても触れられています。

また、移民についてだけではなく、アイデンティティについても考えさせられます。

イラン人でありムスリムであり、日本人的でもあるという彼女が祖国に里帰りして感じた違和感。そこから、一体自分は何者なのか?というアイデンティティの問題に挑んでいきます。

特に、思春期の若者に読んで欲しいな、と思える本でした。

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