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松本紹圭の方丈庵

このnoteマガジンは、僧侶 松本紹圭が開くお寺のような場所。私たちはいかにしてよりよき祖先になれるか。ここ方丈庵をベースキャンプに、ひじり仲間と対話と巡礼の旅に出ませんか? … もっと読む
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2020年8月の記事一覧

「アンビエント仏教」再考

昨晩というのか今朝というのか、AM2:30〜6:30の時間で、ECWのオンラインワークショップに参加しました。ECWはこんなプログラムです。 エグゼクティブ・チャンピオンズ・ワークショップ(ECW)は、世界中の様々な組織のシニアリーダーが、同じような志を持ち、同じような課題に直面している仲間とより深い対話をしたいという思いを強くしてきたことから、長年にわたって成功を収めてきました。このプログラムでは、著名な参加者が参加することで、重要な問題について深く考え、対話するための独

【音声配信】松本紹圭の方丈庵トークLive Vol.3「The End of Tokyo」

マガジンを購入すると全編(01:08:48)を視聴することができます。

僧侶はブルシット・ジョブか

NYC行きの飛行機で読んだ『デモクラシー・プロジェクト』ですっかりファンになってしまった人類学者でアナキスト(アナリスト、ではなくて、アナーキスト、無政府主義者の方)のデヴィッド・グレーバー。彼の最新作が『ブルシット・ジョブ〜クソどうでもいい仕事の論理』。 面白すぎて、一気読み。自分の仕事に違和感を持つあらゆる人に、心からオススメしたい。原書は2018年だが、図らずも日本語に翻訳・出版されたタイミングである今のコロナ下に読むと、内容はいっそう妥当性を増しているように思う。

「近代」のお葬式

ブルーノ・ラトゥール『地球に降り立つ(新気候体制を生き抜くための政治)』を読んだ。 今、世界で起こっている変化を鮮やかに捉えた良書だ。本書がフランス語で出版されたのは2017年、英語版が2018年、そして日本語訳が2019年末に出版されたので、内容はコロナ前のものだが、ここでなされている議論は全く色褪せないどころか、コロナによって加速した社会の変化を捉える上で、ますます重要性が増していると思う。 帯にもあるように、人間と自然、グローバルとローカル、右派と左派、といった拗れ

方丈記2020(August)・新月

毎月お届けしてきた「方丈記」は、方丈庵マガジン購読者と「未来の住職塾」塾生向けにクローズドなつぶやきをシェアするコーナーでした。 7月からは松本紹圭が近況をお知らせするポストとして、幅広い方に読んでいただけるようにしました。毎月、満月の頃と新月の頃に更新します。 ※ 本記事の有料エリアに、9/2(水)「方丈庵ゲストトークLive w/岡本純子さん」のZoom URLを記載しています。スポット参加される方は、この記事をご購入ください。 160 孤独に効く私の友人、コミュニケ

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掃除巡礼 by nesto

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音の巡礼、はじまる。

ご存じ、今年4月から始まって以来、力を入れて続けているテンプルモーニングラジオ(TMR)ですが、その背後には遠藤卓也氏あり。TMRの企画の相談からサウンドエンジニアまで、二人三脚のような形でやっています。 遠藤さんとはもう学生時代からの付き合いなので、思えば人生の半分以上ずっと交流の続いている長い友人であり、「誰そ彼」というお寺の音楽会を共に始めたり、今では仕事も一緒にする仲間なのですが、僕が最近「音」の可能性に注目しているのも、二人での盛り上がりも大きいです。音楽好きの遠

The End of Tokyo

今、線路は途絶え、僕らは荒野に放り出された。ポスト・コロナの世界について、ここ2ヶ月ほどで20名を超える多様な識者の方のお話に触れてきた。「ポスト・コロナの展望」にまとめたように、世界がどこに向かうべきかについては、すでにかなりはっきりしているように思える。 それが実現されるために決定的に重要なことがある。それは、この世界の今を生きる僕ら一人ひとりが、自分の人生の運転手にならなければならないということ。これからの世界では、クルマは自動運転になり、AIロボットで置き換えられる

Post-Religion Talk vol.1 w/ 小木戸利光「理性と感性のバランスをとること」

マガジンを購入すると全編(48:27)を視聴することができます。

ポスト・コロナの展望

ポスト・コロナの世界について、滋賀県を拠点に、ここ2ヶ月ほどで20名を超える多様な識者の方のお話に触れてきた。ここで一旦、「ポスト・コロナの展望」として以下、自分なりにまとめたものをシェアしたい。忖度のなしの議論をするプライベートな勉強会だったためお名前を上げることは差し控えるが、国内外の第一線で活躍される識者の方々のお話から見えてきたことは、きっと多くの方の参考にもなるものと思う。 Beforeコロナからのグローバルな流れが加速する2020年4月、「米企業、株主第一主義が

どうか、お寺を継がないで。

先日、未来の住職塾の企画で、U30世代を中心に若手宗教者の当事者ミーティング(オンライン)を開いた。当事者ミーティングとは、北海道浦河町のべてるの家などで盛んに行われている、当事者の人同士が集ってそれぞれ自分の感覚や経験をそのまま言葉にしてお互いにシェアするミーティングだ。アジェンダが決まっていて結論を出すことを目指すビジネスミーティングとは違って、一人一人の素直なナラティヴが大切にされる。 事前に男女2名ずつ4名の方にスピーカーをお願いして、当日順番に口を開いてもらったが