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"マネジメント"の歴史的転換点!

職場を襲った「ディスタンス」

令和元年の年末、
中国・武漢市から新型コロナ・パンデミックが拡散し、
世の中の価値観がガラッと変わりました。
特に大きな影響を受けたのが、コミュニケーションやマネジメントの領域です。

リモートが当たり前になり、
「必ずしも直接会うことが正しいわけではない」という常識になりました。
上司が、部下と物理的に離れた状態で、
関係性を構築・維持しなければならなくなったのです。
リアルで一緒に働いていても、部下を把握することが難しいところへ、
昼食や居酒屋に誘うことも非日常的なこととなり、
喫煙所でおしゃべりする機会もなくなりました。
ましてリモートでは、朝礼で部下の顔色を見て声をかけるのも難しくなりました。

一方、世間では副業解禁が珍しくなくなったためか、
20〜30代の間では、アフィリエイトなどの副業の話が盛んになりました。
大学時代から起業の話題も身近なので、
新卒社会人の3割が、すでに転職サイトに登録しているという状況も、
不思議ではありません。
会社に勤めながら、
知人の事業を手伝ったり、自分で輸入販売をしているという若者もいます。

つまり、平成から令和に移るとほぼ同時に、
組織と従業員の関係性が、劇的に変わったというわけです。

コンプライアンスの時代

そこに追い打ちをかけるように、
「多様性」「ダイバーシティ」を重んじる風潮が強まったり、
コンプライアンス意識が高まってきました。
そのため、
上司が部下の業務遂行に介入しようとしても、
それが部下にとって不快に感じられれば、ハラスメントとされかねません。
部下からのレスポンスが遅いことを気にかけて、良い関係性を築こうとしても、
以前のように立ち話のような調子で
簡単な面談に引き込むことさえもできないのです。

さりとて、あまりにも遠慮していれば、関係性をつくることができず、
気づいた時には、部下が退職希望を申し出てくるという事態にもなりかねません。
実際、
早期退職の多さが、多くの企業組織にとっての大きな課題となっています。

二律背反に苦しむリーダーたち

というわけで、
いま、世の中の多くのリーダーが、
「部下からハラスメントと言われるようなことはしてはならない」
「部下に辞められてはならない」
しかも、
「部下が目標を達成できるよう、しっかり育成しなければならない」
という、
「厳しくてもダメ、優しくてもダメ」
の二律背反の板挟みに苦しんでいるのが実状でしょう。
「神様でもあるまいし、そんなことができるか?」
と経営者に反発したいのが本音だというリーダーもいます。

スペックの下剋上が起こる時代

さらに、
2022年終盤には、生成AIが一般利用できるようになりました。
4月には、
「学生の時は時間が有り余っていたので、
終日終夜、浴びるように生成AIを使ったため、
上司たちが毎月行なっている集計も、
元データをもらえれば、5分でまとめて見せます」
という新卒社が入社してくるかもしれません。
今年来なくても、来年かもしれません。
時間の問題です。
つまり、
「あらゆる面で上司は部下より優れている」
という時代は、完全に過去のものとなったのです。
これからは、
上司部下の間で、スペックが逆転することが当たり前のように起こるのです。

これからの、組織のパフォーマンスを最大化するマネジメントとは

では、どうすれば良いのか?
「リーダーは、
どんなマネジメントを学び、習得しなければいけないのか?」
と思うでしょうか?

その必要はありません。
むしろ、部下やチームをドライブしようとしないことです。
部下を制御するマネジメントから、
部下を解放するマネジメントへと、切り替えるのです。
というのも、
今の時代は、
制御しようとすれば社員が離れていってしまうからです。
その反対に、
解放して自由に楽しく働けるようにすることが重要なのです。

言ってみれば、
スポーツ・トレーナー型マネジメントから、
ライフ・ガード型マネジメントへと、
切り替えるということです。

自分なら、
一生懸命頑張っているのに
さらに成長させようと介入してくるスポーツトレーナーの下で、
長く頑張りたいと思うでしょうか?
それとも、
自分たちが楽しく動いている様子を見守り、
自由を尊重してくれるライフ・ガードのいるところで
長くやってゆきたいと思うでしょうか?

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