ダサい私が服を買ってみた
「ダサい・太い・無関心」な私を、どうにか普通に戻そうと自分と向き合った時、実は「ダサい」部分をどうにかするのは後回しだなと思っていた。
『洋服を全部買いそろえるお金もないし、ダイエットで「太い」部分がなくなったら、せっかく買った洋服もサイズが合わなくなって無駄になっちゃうし・・・』
なんて考えていた私は甘い!甘すぎる!そんなに簡単に痩せられるわけない。
案の定、最初に取り組んだダイエットはすぐに挫折したし、その後、何度も挑戦したダイエットも失敗尽くし。1キロ減っては喜んで、いつの間にかまた元に戻っているという始末。
そんな私を変えたきっかけは、やっぱり肌ケアと化粧を覚えた事だと思う。
見た目が変われば、中身も変わるという話を聞くけれど、本当に身をもって実感。
化粧をする前は化粧をすることに慣れていなさ過ぎて、化粧をしている自分を見られるのが少し恥ずかしかった。周りから「あの子急に色気づいた」「ブスが頑張っている」と思われたらどうしようと思っていた。だけれどそんな事はなくて、周りのみんなは好意的に私を受け入れてくれた。
化粧を覚えた私がその後どうなったのか?
答え→「調子に乗りました」
正確には、「もっと、もっと、」という欲が出てきた。
もっと可愛くなりたい。その欲が、ついに私を動かす。
「服、買いに行こうかなぁ」
私は周りにいる既にキラキラしている人に、どこで服を買っているのかさりげなく聞きまわって、その中で比較的値段が安そうなお店をチョイス。早速行ってみることに。
お店に着くと、かわいい服がずらり。そして、お店のスタッフさんも、買い物をしている女の子たちも、おしゃれな人ばかり・・・。
翔英の、完全なる場違い感。そうか、おしゃれな服を買いにいく為の服も必要だったのか。
私は目立たないようにこそこそと服を見て回る。そしてそんな私に近づく一人の人間が・・・
「それ、かわいいですよねー!色違いもあるんですよー!」
もう、おしゃれの塊みたいな可愛いスタッフさんに声を掛けられて、翔英おどおど。
「か、かわいいですね・・」
「スカートにもパンツにも合うんですよー!いつもは今みたいな服装が多いですか?」
止めて、今の服装に触れないで!ダサいのは分かっているから!
スタッフの方は悪くない。お仕事をしているだけ。でも、ダサいと自分で自覚している人間は、居たたまれない。
「試着してみます?」
「いや、あの、だいじょうぶです。買います!」
私はそそくさとその服だけ買って、お店を後にしたのでした・・・。
買って帰った服も、サイズが合わなくて絶望。お腹の段腹の形がくっきり☆恥ずかしくて着れないよ・・・押入れの奥深くに眠りました・・・。
その後翔英がどうなったのかというと、実はこれで諦めなかった。最初は失敗ばかりだったけれど。
雑誌を買いあさり、ひたすら自分の背格好に似た人のファッションを覚えた。
何より重要だったのは、デニムに合う服。
多分、洋服に興味がない人がとりあえず持っている服の支持率ナンバー1だと私は勝手に思っているんだけれど、デニムだけはあったので、手っ取り早く、デニムに合う服を探した。
スカートやワンピースもとても興味を惹かれたけれど、この頃の私はその服を着まわせるだけのセンスも、服も、靴もバッグもなかった。
だからとりあえず、今持っているデニムを様々なパターンで着る事に専念。
そして、こんな苦学生の味方、ファッションセンターしまむらで服を買う事を覚えた。
しまむらはいい。スタッフは声を掛けに来ないし、色んなパターンの服が置いてある。
そしてこの時痛感したのが、試着してから服を買う事の重要さ。
かわいいなぁと思っても、着てみたら「なんだかこの服、私が着ると老けて見える?」「なんだかすごく首が短く見える?」なんて、実は似合わない服というのは、可愛い中にまぎれていたりするから。
そうやって、私はおしゃれを少しづつ覚えていった。
洋服に変化が出てきた私がその後どうなったかというと、外に出るのが楽しくなりました。
これ、大進歩じゃない?
引きこもっていたかった人間が外に出られるようになったんですよ。
手っ取り早く見た目を変える事って実はかなり大事。
マイナスのマインドをとりあえず上げてくれる。
そして上がったマインドは、さらなる良い連鎖を生み出してくれるんです。
実は、私はここからやっとぶにぶにした自分の体から解放されていきました。
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